近未来4次元的な残響音を生み出すデジタルリバーブ

キョーリツコーポレーション、Leqtique「Stellaclasm」をリリース!

キョーリツコーポレーション、Leqtique「Stellaclasm」をリリース!

2019/01/15


Control : (Left to Right) Level, Stella(mini), Tone, Decay

キョーリツコーポレーションからLeqtique「Stellaclasm」がリリースされた。価格はオープンプライス(市場想定価格:税抜18,333円)。

同社の空間系エフェクター2作目となる「Stellaclasm」は、既にコンパクトサイズエフェクターのリバーブ設計において評価の高いBeltonのリバーブユニットを使用したスプリングリバーブをシミュレートしたデジタルリバーブだ。“Stellaclam”(星座粉砕)というエフェクター名は、ミニコントロールであるStellaを時計回りに回して行くことで、もし星が散りゆく様があれば...といったイマジネーションが元になっているという。

(以下、開発元のコメント)
Beltonのリバーブユニットを使用した今までのエフェクターは、基本構成を共有しておりサウンドとしてもスプリングタイプの太いリバーブ音を信条としていましたが、今回新たにリバ ーブ回路としては類を見ない新規アイデアを盛り込むことで、一度のリバーブ音をStellaコントロールによって加工しながら幾重にも重なるようにし、元のドライシグナルにミックスするような回路を設計しました。結果としては、ほんの少しだけShimmerタイプのリバーブ音にも似た、前述の通りリッチで美しい音色を生み出すこととなりました。ただし、あくまでも非常にシンプルな一般的なリバーブサウンドをベースとしながら積分させていることから、極めてタッチセンシティブなキャラクターとなっており、具体的な例としては、プレーン弦でのピッキングはその強弱によって単にリッチな残響音というところから、どこまでも宇宙空間を飛んでいってしまうような残響音まで変化します。アルペジオタイプのコードワークなどでの表現力が非常に豊かな印象です。

各コントロールは、まずドライシグナルとリバーブ音のウェットシグナルの比率をきめるLevelですが、0%では完全なドライシグナルのみとなり、100%にすることで、原音以上のリバーブサウンドがミックスされることとなります。後述のStellaの効きを強く感じるためにはLevelをなるべく100%に近づけるのがオススメです。

次に真ん中のToneコントロールですが、これはリバーブ音にのみかかるハイカットのイコライザーとなっており、時計回りに回すことでリバーブ音を籠らせていきます。聴覚的には少し音像が遠のくようなイメージですが、Stellaのコントロールを上げていった際に音が散らばりすぎてしまうときに、Toneコントロールを時計回に回すことでスタビライザーの役割のように音を落ち着かせることができるのでそれが一番有用な使い方と考えます。ですので、基本的なポジションは0%(7時方向)です。

Decayコントロールは、時計回りに回すことでリバーブのタイプを残響音の短い短いスプリングタイプのものからより奥行きのあるイメージのケーブタイプのものへと変化させ ま す 。し か し な が ら 、Stellaclasmでは洞窟の奥深くまで反響するようなDecayの値は設定せずに、敢えて浅めの奥行き感に設定してあります。

これは、Stellaを上げた際にDecayをそのようなレベルまで設定してしまうと音が自己崩壊(Delayでいうところの発振のようなものです。)しまうからです。逆説的に、Stellaコントロールの良さをわかりやすく表現するためにはDecayを音をコントロールできる限界の位置まで演奏環境に応じて設定するのがミソです。最後に、最大のキーであるStellaコントロールですが、回路的には一般的なリバーブ回路と、それを積分する構造の受け渡しのRatioを決めるようなものとなっており、時計回りに回していくことで一般的なスプリングタイプをシミュレートしたリバーブ音はどんどん変化していき、最終的には非常に宇宙的で弦振動に極めて敏感な表現力に溢れた音色となります。なかなか文章で表現するのは難しいですが、Stellaを上げた状態で他の3つのコントロールで制御するような状態がこのエフェクターの本当の性質と考えます。

Stellaclasmは直接的に新しい音楽的なアイデアを励起させるようなそんな、摩訶不思議な効果箱に仕上がっていると思います。伝統的なサウンドをベースにしながらもモダンな手法でそれを未来的な音像に仕上げたLeqtique流リバーブを是非お楽しみください。

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