IK Multimediaからポータブルなアナログ/PCMドラムマシン「UNO Drum」がリリースされた。「UNO Drum」は、「UNO Synth」同様、イタリアのアナログ・シンセサイザー・メーカーSoundmachinesとの共同開発によるファットで、パンチのあるアナログ・サウンドに、PCMサンプル、高度なプログラミング機能を組み合わせた、アナログ + デジタルのハイブリッド仕様が特徴の音源だ。価格：オープンプライス（税別市場想定価格32,000円前後）　国内発売時期：2019年6月末予定

アナログ、デジタルのいいとこ取り

UNO Drumは、本物のアナログ音源6種によるコア・キット（2種類のキック、スネア、クラップ、オープン/クローズ・ハイハット）と、54種類のPCMサンプルを組み合わせることで、ファットでパンチのあるアナログ・ビートと、シャープなエッジを兼ね備えた、レンジの広いグルーブを生み出すことができる。PCMサンプルは、タム、リム、カウベル、ライド、クラッシュ・シンバルのほか、キック、スネア、クラップ、ハイハットを含む12のエレメントにアサイン可能で、アナログ、PCMを組み合わせた最強のキット構築可能。クローズ・ハイハット、オープン・ハイハットは同時に鳴らないように設定されているので、同時発音数は11音となる。

6種類のアナログ音源、54種類のPCMサンプルの組み合わせによるキット構築の可能性は膨大だが、UNO Drumには100種類のプリセット・キットが用意されているので、すぐに使えそうなキットまたは新曲アイデアのきっかけとなるキットを見つけることができる。各キットは自由にエディットして、好きなプリセット・キット番号に保存することも可能だ。

また、各エレメントのエディットも簡単。UNO Synthでも好評だったマトリクス・エディタを使えば、LEVEL、TUNE、DECAYなどをツマミですぐに調整可能。アナログ・キック、スネアのSNAP、アナログ・スネアのLPF（ロー・パス・フィルター）、アナログ・キックのFM TUNE、AMOUNT、SWEEP TIMEなど、アナログ音源ならではのパラメータも、ツマミをひねって操作を楽しめる。

アナログ・マスター・エフェクト

UNO Drumには、COMP（コンプレッサー）、DRIVE（歪み）と、2種類のアナログ・マスター・エフェクトを用意。コンプレッサーは、AUDIO INに入力された信号にもかかるので、UNO Drumの再生音にさらなるパンチ、ワイルドな存在感を加えたい時だけでなく、ライブ・セッション時に他の音に負けないミックスを再生することも可能だ。

直感的に使える、パフォーマンス・エフェクト

ボタンを押した時に作動するSTUTTER、ROLL、シーケンスのヴェロシティ、タイミング、ヴォリュームを変化させるHUMANIZE、グルーブのタイミング、アクセントを変化させるSWING、そしてランダムにパターンを生成するRANDOM。UNO Drumに実装されたパフォーマンス・エフェクトを駆使すれば、ドラムマシンによるパファーマンスは単調などと言えなくなる。

プレイもプログラミングも直感的に

UNO Drumのパネルには、2つのヴェロシティ・ゾーンを備えた12個の静電容量方式タッチ・パッドが装備されている。これらのパッドは、リアルタイムに演奏することはもちろん、あらかじめプログラムされたパターンを再生しながら、直感的に音を追加したり、変化させたい時も使える。

パターン演奏時には、これらのパッドを使用して特定のエレメントを指定し、パラメータをリアルタイムに変化させることもでき、シンプルに繰り返すリズム・パターンに変化を加えたり、ブレイクに向かって徐々に緊張感を高めたりすることが可能。独立してタップテンポ・パッドが搭載されているので、音色やリズムに加え、テンポの調整も自由自在だ。

オートメーションにも対応した、64ステップ・シーケンサー

UNO Drumは64ステップのシーケンサーを内蔵しており、本体だけで細かいドラム・パターンのプログラミングが行える。パネル上のパッドを使用してパターンをステップ入力したり、リアルタイムにパターンを記録したりすることができ、さらに、自然なグルーヴを生み出すために、音色に含まれる8つのパラメーターを1ステップごとオートメーションさせることも可能だ。プログラミングしたパターンは、最大64個のパターンを組み合わせたソングとして保存でき、ソング内の各パターンは好きな順番で自由にトリガーできる。

DJブース、自宅スタジオなど、さまざまなセットアップに対応

UNO Drumは、自宅、スタジオ、DJブースなど、さまざまな場所・環境でのセットアップに柔軟に対応する。ライブ会場で限られたスペースでのセットアップ、自宅でコンピューターを使用したDAWシステムとの統合、またiPadなどのiOSモバイル・デバイスとのセットアップも想定して作られている。USB MIDIに加え、2.5 mmジャックを使用したMIDI IN/OUTを使用すれば、従来のMIDI機器を簡単に接続して演奏可能。また、UNO Drum本体にオーディオ・インプットを搭載しているので、UNO Synthなどの他のシンセサイザーをデイジー・チェーン接続でき、追加のミキサーは必要ない。

いつでもどこでもグルーヴをスケッチ

UNO Drumは超軽量（400グラム）、コンパクト（25.6cm x 15cm x 4.9cm）で、バックパックにも余裕で収まる。単3乾電池4本、またはモバイル・バッテリーなどを含むUSBバス・パワーで駆動可能なので、いつでもどこでも、イメージが湧いた時に素早くグルーヴをスケッチできる。

価格（税別）と購入方法
UNO Drumは、全国のIK Multimedia正規販売代理店にて購入できる。