1年6ヶ月に渡って繰り広げて来た収監ツアー

MUCC、追加公演ファイナル2days『壊れたピアノとリビングデッド収監 Japan Tour GRAND FINAL〜収監始まりの地で大団円〜』(2月24日小樽公演)

MUCC、追加公演ファイナル2days『壊れたピアノとリビングデッド収監 Japan Tour GRAND FINAL〜収監始まりの地で大団円〜』(2月24日小樽公演)

2020/02/26


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写真:山下恭子

 

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2018年6月に北海道で行われた「MUCC 2018 Lock on snipe Tour #1『北海道型収監6days』」。その後各地方を転戦、ファンやスタッフの間では通称<収監ツアー>とネーミングされ、
全国63公演を1年6ヶ月に渡って繰り広げて来たこのツアーのファイナル。2月23日,24日 と小樽GOLD STONEで2日間行われチケットはソールドアウト。
 
この収監ツアーシリーズを展開中の2019年2月13日には、アルバム『壊れたピアノとリビングデッド』をリリース。2019年7月の東北収監シリーズからは、『壊れたピアノとリビングデッド』のリリースツアーとの共存するものとなり、吉田トオル(key)を期間限定メンバーとして迎え入れ、元来彼らが持ち合わせる繊細さと凶暴さを兼ね備えるサウンドに、ピアノとオルガンのアレンジを織り交ぜ、更に楽曲のバリエーションを豊かに展開したこのツアーは、MUCCの長い歴史の中でも特筆すべきものとなったのではないだろうか。
 
<収監ツアー>ファイナル公演、オープニング「壊れたピアノ」の生演奏でスタート。正式にはインフォメーションされては無いが、吉田トオルの期間限定メンバーとしてのファイナル公演とも予想されるのか、オーディエンスの歓声も冒頭から激しいものである。ライヴの1曲目を飾るのは「サイコ」だ。鋭く切り裂くようなミヤ(G)のフレーズと共にスタートするこの楽曲は、2019年のMUCCを象徴する曲と言っても過言ではないであろう。続く「アメリア」はミヤのバースデーシングルとして2019年7月にリリース、曲中では大きなサークルモッシュも発生するなど、既にファンの中でも過去曲と共に自然と共存している。
 
2019年はメンバーそれぞれが“不惑の年”を迎え、全員の誕生日ライヴでシングルが発売された。それぞれの音楽性嗜好が鮮やかに描き出された楽曲たちもこの<収監ツアー>で鍛えられ、大きな飛躍を遂げた。そして、ここからは「北海道収監ツアー追加公演」スペシャルとも言わんばかりに、「娼婦」「盲目であるが故の疎外感」と初期のナンバーを投下する。これら初期の楽曲も吉田トオルの存在の力も借りつつ、現代風にブラッシュアップ。オルガンの音色も大胆にフィーチャーされ、その破壊力を増した演奏に大きな歓声が上がる。『壊れたピアノとリビングデッド』からヘヴィチューンの「アイリス」、またこちらもピアノが大胆に楽曲に織り込まれた「ヴァンパイア」と、前半戦は新旧取り混ぜた展開にオーディエンスは行きつく暇も与えられない。逹瑯が「収監ツアー日本最後にようこそ。北海道で始まったから北海道で終わらないとダメだな。細かいことはいいから、楽しんでいこう!」と挨拶。
 
この日のハイライトとも言えたのは、逹瑯の「新曲です」との一言で始まった「海月」だ。吉田トオルの期間限定メンバー在籍時、最後の置き土産と前日のMCで触れられていたが、どこか今までのMUCCの手触りとは微妙に違う繊細なアレンジにオーディエンスの集中力も高まる。この楽曲は、現在絶賛制作中のニューアルバムに収録されるとのこと。こちらにも期待が集まる。その後も「鎮痛剤」「夜」という20年前にリリースされた楽曲と、バンドの最新形でもある「積想」「COBALT」がセットリストの中に見事に混在していく。新旧楽曲をごくごく自然な形でライヴセットに織り交ぜることは、20年以上のキャリアを誇る彼らの中では自然なことであったが、今回は吉田トオルの鍵盤アレンジによって、より色鮮やかに表現されたことはこのツアーで彼らが新たに得た大きな収穫だったのではなかろうか。
 
「北海道から始まったツアー、帰ってきました。北海道は田舎で良いね。我々も田舎育ち、シンパシーを感じるこんな曲聞いてください」と言う逹瑯(Vo)のMCに導かれ、静かなギターフレーズから逹瑯のアカペラで始まった「家路」。哀愁あふれるメロディーにアップテンポな演奏が乗るこの佳曲に大歓声が上がる。SATOち(Dr)のビートが演奏を牽引する「My WORLD」「スイミン」と矢継ぎ早に激しい楽曲が続き、フロアの熱気が絶頂に達する中、ラストはこの「収監ツアー」シリーズのラストを常に飾ってきた「Living Dead」が披露される。バンドによる集中力が高い演奏の中、シルエットが浮かぶような照明の世界観と相まって、オーディエンスは息を飲むような空気感の中、本編は幕を閉じた。
 
アンコールは本編ラストの雰囲気から一変した、まったりとしたご当地MCを展開。その空気感の中、披露されたのは前回の小樽公演(2018年6月9日MUCCの日)にSATOちドッキリの際に作られた「テラス」を改めて披露。YUKKE(B)の「嫌なこと全部植えて行こう!次の小樽で刈り取ろう」の前振り?に逹瑯が「嫌なことが育っちゃう」と答え、和やかなまま曲が始まった。サビでは、初披露時にミヤ即興で行なっていたコーラスも復活と貴重な演奏となった。「蘭鋳」ではフロア全員がしゃがみ、ジャンプの前に普段は逹瑯が叫ぶ、恒例の「全員死刑」を吉田トオルが絶叫。そして収監ツアーでのラストソングは「TONIGHT」。バンド全体が万感の想いを込めたような演奏で、この日のライヴ、そして、「収監ツアー」の幕は閉じた。壮大なアウトロの後、オーディエンスからは盛大な拍手もあがり、最高の大団円となった。
 
このあとMUCCは4月よりヨーロッパ公演を経て、6月21日には今年新設する1万人規模の「ぴあアリーナMM」にて<蘇生>と名付けた公演が決まっている。長きに渡っておなわれたこのツアーが逹瑯の歌、メンバーの演奏力、精神力をタフにしたに違いない。また、多大な影響を及ぼしているであろう現在制作中の次なるアルバムにも期待が高まる。
 
 
 
■『壊れたピアノとリビングデッド収監 Japan Tour GRAND FINAL
〜収監始まりの地で大団円〜』
2020年2月24日 小樽GOLD STONE Setlist
 
1.サイコ
2.アメリア
3.娼婦
4.盲目であるが故の疎外感
5.アイリス
6.ヴァンパイア
7.五月雨
8.海月
9.鎮痛剤
10.夜
11.積想
12.COBALT
13.家路
14.My WORLD
15.スイミン
16.カウントダウン
17.Living Dead
 
Encore
1.テラス
2.蘭鋳
3.TONIGHT
 

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