最初期に創った伝説の音源がついに初CD化

冨田 勲、ニューアルバム『オホーツク幻想』のリリースが決定

冨田 勲、ニューアルバム『オホーツク幻想』のリリースが決定

2016/02/24


Photo:Yasuhiro Ohara

『オホーツク幻想』

今年84歳を迎える世界的な作曲家でシンセサイザーアーティストの草分けである冨田 勲が、最初期に創った伝説の音源を詰め込んだアルバム『オホーツク幻想』を3月23日にリリースする。

本作は、冨田が70~80年代に世に送り出した傑作シンセサイザー作品を再構成&サラウンド化するISAO TOMITAプロジェクトの最新作。宮沢賢治の作品世界を音で描いた「イーハトーヴ交響曲」により明るみになった冨田の賢治への思慕が、今回のアルバムにも深く刻印されている。「賢治最愛の妹トシから賢治にあてた架空の手紙」を表象したという「オホーツク幻想」が収録されているのと共に、トミタのシンセサイザーによる最も初期の作品である「銀河鉄道の夜」を収録。当時の価格で1000万円したというMOOGシンセサイザーを入手し、手探りで操作方法を模索しながら音を作り出したという、まさに最初期に作られた貴重な音源だ。

さらに、80年代にリリースされた人気作「マ・メールロワ」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」なども、サラウンド化され、今回のアルバムに収録されることにより、賢治の世界と呼応しながらまた別の様相を呈し、まさに“エレクトロニクス賢治”とも言える音世界が展開される。

また、ジャケットワークは、DOMMUNEの主宰であり、冨田をたびたび番組やフェスに起用し再評価のけん引役となっている宇川直宏が、冨田と対話を重ねながら作り上げた。冨田は今回の音楽イメージについて「賢治は、北へ行けばトシの魂に会えると、樺太の日本最北の地まで樺太鉄道に乗って行った。賢治にはオホーツクの海はあまりにも広大だった。」とコメントを寄せ、このイメージに着想を得て作り上げた今回のジャケットに関しては「“銀河鉄道”は更に見たことのない遠くの世界へ行こうとしています。」と感慨を込めて語っている。

なお、タワーレコードでは『オホーツク幻想』購入者を対象に、このアートワークを起用したオリジナル特典クリアファイル、HMVではオリジナルの特典コースターが付与される。特典詳細・付与店は日本コロムビアのオフィシャルHPをチェック。

リリース情報

『オホーツク幻想』
3月23日発売
SACD Hybrid
COGQ-89
¥3,000(税抜)

・収録曲
①オホーツク幻想(冨田勲)
②亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
<マ・メール・ロワ>(ラヴェル)
③眠れる森の美女パヴァーヌ
④夜の森に迷った一寸法師
⑤パゴダの女王レドロネット
⑥美女と野獣の対話
⑦妖精の園
<銀河鉄道の夜>(冨田勲)
⑧ケンタウルス祭の夜~天気輪の柱~白鳥の停車場~水晶の砂の川原~鳥捕りのおじさん~さそりの火

冨田 勲(作曲家/シンセサイザー・アーティスト)

1932年東京生まれ。

慶応義塾大学在学中から作曲家として多彩な分野で活躍をはじめ、74年にはシンセサイザーによる「月の光」を発表してビルボード誌の第1位を獲得し、さらに日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネート。以後発表するアルバムは次々に全世界で空前のヒットとなる。

NHK大河ドラマ「花の生涯」、「天と地と」、「勝海舟」、「新平家物語」、「徳川家康」、そして多数の山田洋次監督作品で音楽を担当。また、「新日本紀行」、「青い地球は誰のもの」などのテーマ音楽がよく知られ、映画、アニメ、コマーシャルなどの傑作作品は枚挙に暇がない。

さらに東京ディズニーシー・アクアスフィアのテーマ音楽を、サラウンドで制作し話題を呼んだ。2011年からは「ISAO TOMITA PROJECT」が始動。「惑星」や「月の光」「源氏物語」など、過去の作品をリメイク&サラウンド化した完全版が日本コロムビアより継続的にリリースされている。

2012年1月には世界を舞台にした作曲家・音響クリエーターとしての活動が認められ、2011年度朝日賞を受賞。

そして11月には、日本の代表的な詩人・作家、宮沢賢治の作品世界を題材にし、ソリストに世界的人気を誇るヴァーチャル・シンガー“初音ミク”をソリストに起用した「イーハトーヴ交響曲」の世界初演が行なわれ大きな話題となる。この交響曲は13年夏に賢治の故郷である岩手県花巻市を皮切りに、全国3箇所で再演公演が行なわれ、今後も国内外での再演が予定されている。

また、同夏には、幕張メッセで行われた2万人規模の夏フェス「FREEDOMMUNE02013」に夜明けの大トリに出演し大反響となった。14年には、オーストリアの飲料メーカー“Redbull”主催のプロジェクトRedbull Music Academy東京2014に招かれ、世界の若きミュージック・クリエイターたちの前で講演を行い、世界中で話題となった。

現在もなお、新作の制作を行ない上演に向けて意欲を燃やすなど、今後のますますの活躍が期待されている。

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