14年ぶりのニューアルバム『ブラック・メサイア』が大ヒット

ディアンジェロ、来日公演の初日をレポート!

ディアンジェロ、来日公演の初日をレポート!

2016/03/29


 

シンガーソングライターのディアンジェロが、グラミー賞<最優秀R&B楽曲><最優秀R&Bアルバム>の2冠を達成したニューアルバム『ブラック・メサイア』(ディアンジェロ&ザ・ヴァンガード名義)を引っ提げて来日公演を開催中だ。

今回は、初日のパシフィコ横浜公演のライブレポートをお届けしよう。


ディアンジェロ&ザ・ヴァンガードの再降臨がこんなにも早く実現するとは、うれしい誤算だ。大復活アルバム『ブラック・メサイア』を引っさげての初来日公演からわずか7ヵ月強という短いスパンでの再来日。普通だったらさすがに動員が心配されるところだが、なにせ前回はプレミアチケット化している。当然のように今回も前売りは早々にソールドアウト。

昨夏に泣く泣く見送ったファンはもちろん、彼のライブに味をしめてまたもや参戦という口も多いのではないだろうか。筆者自身もまた、あの興奮を再びという思いと、前回プレイしなかった曲をきっとやってくれるはず、という思い込みに近い期待を胸に抱いて初日の横浜に赴いた。

まだ大阪公演を残しているのですべてを詳らかにすることは控えたいが、ざっくり言うと、横浜公演の前半3曲の演目は前東京公演とは別のものへとめでたく変更された。割れるような歓声の中でスタートした冒頭曲は、彼のレパートリー中、屈指のヒップホップ・トラック。元は打ち込みだったビートを効果音的なものも含めて完全なバンドサウンドで違和感なく再現してみせる。やはり巧いバンドだ。

メンバーには一部変更があり、ベースがピノ・パラディーノの息子のロッコに、キーボードがボビー・スパークスに交代し、ホーンと女性シンガーは不在。その代わりに男性コーラスが2名に拡充された。大人気のドラマー、クリス・デイヴや、ジェシー・ジョンソン、アイザイア・シャーキーのツインギターは続投。管がなく、しかもファンカデリックのカバーが比較的早い段階で飛び出したこともあり、ロック色が強まったようにも感じられたが、とはいえ、やはりファンク色が相当に濃い。例えば、これまでにもCD上で取り上げたことのあるレジェンド級シンガーの著名曲を、80年代風シンセを交えたプリンスっぽくもあるアレンジでカバー。原曲を無視するかのような暴挙ながら、これが抜群に格好いいファンクなのだ。

ディアンジェロの太い腕はさらに逞しさを増し、ジェームス・ブラウンを思わせるこれまた超絶ファンキーなパートでは、マイクスタンドの鮮やかな倒し技も完璧に決めた。パワフルなシャウトの一方で、ファルセットの美しさも際立つ。彼の表情は自信に満ちて、なによりステージを心底楽しんでいるように見える。去る2月のグラミーでは2冠に輝くなど、自身の作品が高い評価を受け、充実感を味わっていることもその背景にあるに違いない。いまの彼らは間違いなく脂が乗っている。そう確信させるに足る、眩いばかりのエネルギーが降り注ぐステージだった。

荘 治虫

来日公演情報

<終了>3月28日(月) 神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール→SOLD OUT
3月29日(火) 大阪 大阪国際会議場 メインホール
<問>クリエイティブマン:03-3499-6669
http://www.creativeman.co.jp/artist/2016/03dangelo/
 

リリース情報

ディアンジェロ & ザ・ヴァンガード
『ブラック・メサイア〜来日記念最強盤』


発売中 
SICP4770-4771 / ¥3,000(税込)
・ボーナスCD付(世界初CD化音源4曲入り/収録分数:約33分)
・2枚組紙ジャケ仕様
・初回生産分のみオリジナルバンダナ付き
・歌詞・対訳・解説付き 

購入リンク: http://smarturl.it/BlackMessiahJP

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