ボブ・ディランの名曲「女の如く」をカバー!
ジェフ・バックリィが革新的なインタラクティブビデオを公開!
ジェフ・バックリィが革新的なインタラクティブビデオを公開!
2016/03/30

ジェフ・バックリィの公式サイトにて、奇跡の秘蔵発掘音源集『ユー・アンド・アイ』に収録されている、ボブ・ディランの名曲をカバーした「女の如く/Just Like A Woman」の革新的なインタラクティブビデオが公開された。
これは、とある男女の1日をアニメーションで描いたもので、73コマあるセル(コマ)をそれぞれクリックすると、ビデオの中の男女のストーリーが変わっていくというもの。
2人は幸せを突き進むのか? あるいは冷え切って別れへと向かうのか? それぞれ一人で生きていくことを選ぶのか? そのバリエーションはなんと10の51乗(1に0を51付けた数=英語では“1 sexdecillion”、日本では“1000極”という単位とのこと)通りにもなるそうだ。
また、アルバムヴァージョンにはない音を、自分で追加することもできるようになっている。この曲はジェフのギターとヴォーカルだけのシンプルで美しい荘厳なヴァージョンだが、ビデオの途中で流れて来る小さなセル(コマ)の右上の「?」マークをクリックすると、アルバムには無い、ピアノやオーケストラやクワイア(聖歌隊)の音を独自に加えたアレンジができるようになっている(この音の組合せだけでも16,000通り以上のバリエーションに)。更には、その音の選択によって、物語の雰囲気が変わってくることも見逃せない。
「女の如く/Just Like A Woman」で紡ぐ、数限りない様々なラヴ・ストーリー。絵柄や音の組合せで、曲の世界観が全く変わって聞こえてくるのが不思議である。あなたも自分ならではのストーリーを作ってみてはいかがだろう?
さて、3月16日に発売された『ユー・アンド・アイ』は、1994年に発表した生前唯一のオリジナルアルバム『グレース』のみでロック史にその名を刻んだ伝説の天才シンガーソングライター、ジェフ・バックリィ(享年30)がデビュー直前に録音した未発表音源集だ。米コロムビア・レコードと契約直後の1993年2月、初めてスタジオで録音した音源であり、その存在は長年噂されていたものの実際にその音源がスタジオの外で聴かれたことは過去一度もなかった。これらは、米ソニー・ミュージックのカタログ・セクションのスタッフが、94年のデビュー・アルバム『グレース』の発売20周年を機に何か出来ることはないかと過去の音源を捜していたところ、偶然に発見されたものだという。
その内容は、彼が敬愛した曲のカヴァーが8曲、自身のオリジナルが2曲(内1曲は彼の代表曲「グレース」の初録音音源)。記念すべき初スタジオ・セッションで選んだカヴァー曲は、ボブ・ディラン「女の如く(Just Like A Woman)」、スライ&ザ・ファミリー・ストーン「エヴリデイ・ピープル(Everyday People)」、ザ・スミス「心に茨を持つ少年(The Boy With The Thorn In His Side)」「アイ・ノウ・イッツ・オーヴァー(I Know It’s Over)」、レッド・ツェッペリン「夜間飛行(Night Flight)」などで、そのパフォーマンスは彼の純粋さや繊細さが最高に“神がかった”形で表現されている。
ここにあるカヴァー曲の一部はライヴ・ヴァージョンとして記録されているものも存在するが、スタジオ・ヴァージョンとしてはすべてが未発表であり、海賊盤等でもいっさい存在していない正真正銘の発掘音源とのこと。ファンにとってはまさに“聖杯”とも言える貴重な音源が、20数年の時を経てついに日の目を見た。

73コマあるセルをクリックすると、「10の51乗」通りのストーリーが楽しめる
アルバム情報

『ユー・アンド・アイ』
(You and I)
2016年3月16発売
SICP-4751 ¥2,400+税
【収録曲】
1.女の如く/Just Like A Woman(オリジナル:ボブ・ディラン)
2.エヴリデイ・ピープル/Everyday People(オリジナル:スライ・アンド・ザ・ファミリー・スト-ン)
3.ドント・レット・ザ・ザン・キャッチ・ユー・クライン/Don’t Let The Sun Catch You Cryin’(オリジナル:ルイ・ジョーダン)
4.グレース/Grace
5.コーリング・ユー/Calling You(オリジナル:ジェヴェッタ・スティール)
6.ドリーム・オブ・ユー・アンド・アイ/Dream Of You And I
7.心に茨を持つ少年/The Boy With The Thorn In His Side(オリジナル:ザ・スミス )
8.プア・ボーイ・ロング・ウェイ・フロム・ホーム/Poor Boy Long Way from Home(オリジナル:ブッカ・ホワイト/トラディショナル・ブルース )
9.夜間飛行/Night Flight(オリジナル:レッド・ツェッペリン)
10. アイ・ノウ・イッツ・オーヴァー/I Know It’s Over(オリジナル:ザ・スミス)
バイオグラフィ
1966年11月17日カリフォリニア州アナハイム生まれ。60年代に活躍したシンガーソングライター、ティム・バックリィの息子。90年初頭にニューヨークに移住し、イースト・ヴィレッジ界隈で定期的に弾き語りライヴを行なう。その音源を集めた4曲入りのデビューEP『ライヴ・アット“Sin-é”』を93年にリリース。翌94年、1stアルバム『グレース』で衝撃のメジャー・デビューを果たす。
“奇跡の声”と絶賛されたこのアルバムは、ボブ・ディラン、ルー・リード、デヴィッド・ボウイ、ロバート・プラント、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ボノ、エルヴィス・コステロといったアーティスト達から絶大な支持を得て、90年代の最重要アルバムの1枚に数えられている。これまでに200万枚以上のセールスを記録。97年5月29日、2ndアルバムのレコーディング中に訪れていたメンフィスのウルフ・リヴァーにて遊泳中に溺死し、30歳でその生涯を閉じた。
その未完のメンフィス・セッションの多くが収録されたアルバム『素描』(98年)は、グラミー賞「最優秀男性ロック・ヴォーカル」にノミネートされた。
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