オーディオライター岩井 喬がお届けする連載コラム

岩井 喬 “今、注目のオーディオアイテム”シュア「SRH440」

岩井 喬 “今、注目のオーディオアイテム”シュア「SRH440」

2016/08/15


ギターやピアノの弾き語り、レコーディングなど、様々な用途や目的に応じてチョイスしたいオーディオ製品。このコーナーでは、今知っておきたい注目のアイテムを、各種オーディオ製品の監修やレビュー を行なう岩井 喬(イワイタカシ)さんに聞いてみた。ヘッドホンやイヤホン選びで失敗したくない人は、ぜひともチェックしてほしい!

※前回からの質問
「岩井先生、DTMのモニター用に複数のヘッドホンを揃えたいと思ってます。オススメなモデルをいくつか教えてください!」

岩井:モニターにオススメのヘッドホン、2機種目はダイナミック型マイク「SM58」でお馴染み、シュアが手掛ける「SRH440」をご紹介しましょう。
 

■「SRH440」

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価格:オープンプライス
市場予想価格:¥12,000前後

岩井:イヤホン分野ではSEシリーズというユニバーサルスタイルのイヤーモニターで業界のトップランナーといえる存在のシュアですが、オーバーヘッド型のモニターヘッドホンSRHシリーズは2009年からの発売なので、他社と比べるとかなり後発となります。「SRH440」はそのシリーズ誕生とともにラインナップに並んだ密閉型モニターのミドルクラス機で、バヨネットクリップ式の着脱式ケーブル(カールコードタイプ)の採用や折り畳み機構を取り入れた幅広ヘッドバンドなど、ファーストモデルと思えぬ完成度を誇っており、発売開始から7年近くたった今でも現行モデルであることが何よりの証明といえるでしょう。

耳をすっぽりと覆うエルゴノミック仕様のイヤーパッドの装着性も高く、側圧も強くはないので長時間の作業にも適します。直近の上位モデル「SRH840」より軽くニュートラルなサウンドバランスを持っており、モニターとしての厳密さという点ではこの「SRH440」の方が使いやすいのではないでしょうか。

2009年製モデルとしては珍しく、左右ドライバーユニットのペア特性を揃えているので音場や位相表現にも優れ、定位や奥行き表現も非常にナチュラルです。音離れも良くヌケ鮮やかなサウンドで楽器の一つ一つを誇張なくストレートに表現。低域はアタック感やボディの厚みを感じさせる程度で必要以上に膨らむことはありません。ウッドベースは弾力良く弦のハリの強さを付帯感なく描写。高域はほんのりと煌びやかさを感じますが、基本は癖のないニュートラル基調の描写性を持っていて、ピアノやホーンセクションもすっきりと表現します。ボーカルは輪郭を自然にまとめ、ボディ感もスマート。リヴァーブとの分離感も明確で、音源を分析的に聴くのにも最適です。またクラシックの空間性も自然で聴きやすく、非常にコスパの高い一台といえるでしょう。

 

■「SRH440」のサウンド傾向

【SPEC】
・形式: ダイナミック型ネオジム磁石採用
・ドライバー口径: 40
・感度: 105 dB SPL/mW
・インピーダンス: 44 Ω
・最大入力: 500 mW
・再生周波数帯域: 10 Hz - 22 kHz Ω
・総質量: 311 g
・ケーブルの長さ: 3 m
・ケーブルの種類: 着脱式片出しカールケーブル
・プラグタイプ: 3.5 mm金メッキステレオミニプラグ

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