共演者の演奏や動きをリアルタイムで分析し、アンサンブルを行なうことが可能

ヤマハ、人工知能演奏システムとベルリンフィルメンバーの共演動画を公開

ヤマハ、人工知能演奏システムとベルリンフィルメンバーの共演動画を公開

2016/09/11


ヤマハが、5 月19 日(木)に東京藝術大学奏楽堂にて開催された演奏会「音舞の調べ~超越する時間と空間~」の様子を収録した動画を公開中だ。


 

このコンサートでは“人間と機械の共演”をテーマに、同社開発の人工知能演奏システムを用いて、20世紀のピアノの巨匠である故スヴャトスラフ・リヒテルの演奏を自動演奏ピアノ「Disklavier」(ディスクラビア)で忠実に再現し、世界的名演奏家集団であるベルリンフィル・シャルーンアンサンブルの演奏との息のあったアンサンブルが披露された。

このシステムは、マイクとカメラを用いて共演者の演奏音や演奏時の動きを検出・分析し、次の瞬間に行なうべき演奏を逐次予測しながら、「Disklavier」に演奏をリアルタイムに指示することで、人間とアンサンブルを奏でることができるというもの。自らのピアノ演奏を表現する映像をリアルタイムに生成してプロジェクターで投影することで、共演者と協調を図る機能も備えている。

■関係者コメント

▼ベルリンフィル・シャルーンアンサンブルメンバー代表 ペーター・リーゲルバウアー
不可能と思われることに挑戦するのはエキサイティングなこと。チャレンジジングな共演を楽しめた。この取り組みは始まったばかりだが、20年前と今の技術環境がまったく違うように、20年後と今もきっと違っているはず。クラシックのみならず、エレクトロミュージックなどで活用してもきっと面白いはずだ。

▼東京藝術大学 副学長・作曲家 松下功
時代の最先端の科学技術であるAI(人工知能)は、近い将来、我々の生活に欠かせないものになるでしょう。AIに勝った負けたという話題が多い中で、今回の我々の試みはそのAIと「一緒に生きる喜び」を提示したものと言えます。人間が奏でる音楽だからこそ、AIと共に感動を共有できることを提示したものです。

▼ヤマハ株式会社 研究開発統括部 第1 開発部 部長 田邑元一
世界初とも言える今回の挑戦に様々な形でご協力をいただいた関係各位に深く感謝したい。まだその表現力には課題があると考えていますが、人と一緒に演奏する楽器という未来の姿に向けた第一歩を着実に踏み出すことができたのではないかと思います。

 

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