オリジナルでは通算19枚目となるアルバムをリリース!

人間椅子『怪談 そして死とエロス』インタビュー

人間椅子『怪談 そして死とエロス』インタビュー

2016/02/05

和嶋君は海外ミュージシャンに負けないくらいパワフルでした by 鈴木

鈴木研一(Ba,Vo)

──昨年2度目となる「OZZFEST JAPAN 2015」への出演をはたしましたが、いかがでしたか?

和嶋:まさかもう一回出れるとは思っていませんでした。日本のロックバンドとして認めていただいたんだなと。光栄の至りです! 僕らはブラック・サバスが好きでバンドを始めたので、一緒のステージに立てて最高でした。今回は一度出たという経験が自信になったので、楽しんでやれました。お客さんと一緒に「OZZFEST」を楽しんでいるという自覚のもとにやれたので、例えば演奏にしても一回目に比べて良かったです(笑)。また、海外と日本のアーティストの違いなど色々と客観的に見ることができました。

──その違いというのはどのような部分に見ることができたのでしょうか?

和嶋:もともとロックという文化を生み出した人たち、それをなぞってやっている人とでは音の出方が違うように感じましたね。結局、欧米人の体に合ったエネルギーの出し方が、あのパフォーマンス、パワフルな弾き方につながっているのかなって。それを日本人がやっても、弱さみたいなものが見えてしまう時があるんです。だからこそ、良い意味で“日本人なりのロックをやっていかなければ”と思いましたね。そのことがわかれば自分なりの表現が生み出せるんだと。

鈴木:和嶋君はこう言ってますけど、負けないくらいパワフルだと思います。

和嶋:いえいえ、上手く工夫してやっているだけです。

鈴木:きっと、海外ミュージシャンは体が大きいことで、そういうパワフルに聴こえる見せ方をできるんだと思います。でも、本当に和嶋君の方が良いと思っていますよ。

和嶋:いえいえ、まだまだです(笑)。

鈴木:ザック・ワイルドやガスG.のことを“スゲー!スゲー!”って言ってたけれども、俺は負けていないと思うよ。ただ、彼らのそういった動きは研究させてもらいました。

ナカジマ:僕はひと言で“嬉しい!”でしたね。二度目を呼んでもらえたというのは誇りだし、人間椅子としての音楽生活がギュッとしまったというか。それに堂々としていられる一つの活力だと自分なりに感じています。また、あんなに大きいステージって何度も経験できるものじゃないので貴重だと思うし、意外と大きいステージの方がやりやすかったですね。

和嶋:大きいステージって、かえってあまり緊張しないよね。

ナカジマ:あと、周りのスタッフが僕らの担当だけでなく、全体としてのスタッフも多いし、ライブハウスとは違ってそれぞれの役割がはっきりしていました。すごくケアしてもらったので非常にライブがやりやすかったです。本当に感謝ですね。ちなみに、サロンでご飯を食べていたらシャロン・オズボーン(※オジー・オズボーンの妻)に遭遇したんです! とても綺麗な方でした。一瞬にしてその場の空気がピリッとしましたけど(笑)。

──他の出演者と何かお話はされましたか?

和嶋:いえ、自分たちの出番でいっぱいいっぱいで、ほぼなかったですね。

鈴木:入り時間とかもあるし、どうしてもすれ違いみたいになっちゃうんだよね。

和嶋:ましてや海外の方とコミュニケーションとるなんてことは無かったです。ただ、その後にアルバムのレコーディングに入ったので、より気合いを入れて臨むことができましたね。良い影響を与えてもらいました。

「この人たち本当に50歳!?」って思われるくらいのライブを見せたいと思います! by ナカジマ

ナカジマノブ(Dr,Vo)

──それでは、改めて本作の聴きどころについて教えて下さい。

和嶋:やはり、自分が言うのも変なのですが、バンドが調子が良いというか、流れに乗っているので(笑)。全体を通して聴いていただけるアルバムになっていると思います。暗そうな曲をやっていますけど、我々は楽しんでやっています。だから、根底に喜びが見えると言いますか、聴いている人が“カッコイイ”と思えるものはそこだと思うわけです。暗い音楽を暗い気持ちでやると、再生してもらえない作品ができ上がると思うんです。やはり本人たちが楽しんで作ったアルバムなので、そこを感じ取ってもらえたら嬉しいです。ロックの痛快さ、カッコ良さを楽しんで欲しいです。洋楽しか聴かない人にも通じ、なおかつ人間椅子オリジナルの表現があると思います。

鈴木:これまでの作品より、ギターソロの速弾きが多いんじゃないかなと僕は思っていて。和嶋君本人が言っていた“調子良さ”が出ているんだと思っています。普通、歳をとったら段々指が動かなくなるものですけれど、50でもこんなに弾けてスゴい! というところを聴いて欲しいですね。

和嶋:守りに入らなかったね、先のこと全然考えていなかった(笑)。まぁ若いです!

ナカジマ:すべてのリフが攻めています! リフの一つ一つに魂が宿っているので、そこがポイントです!

──最後に今月からアルバムリリースを記念したワンマンツアーがスタートしますが、どのようなライブにしたいと思っていますか?

和嶋:今回はいつものツアーよりも本数が多いんです。精一杯作った曲たちばかりなので演奏が難しいと思うんですが、すごい楽しみですね。できるだけアルバムを再現できるように頑張ります。あとはお客さんが盛り上がってくれれば! それに尽きますね。

鈴木:昔からそうなんですけど、同じ曲順のライブというのは二度とやらなくて。毎回セットリストが異なるんです。ツアーでは、全部新曲ではなく小出しにしていくんです。その上で、今回は近い箇所の2公演ぐらいでアルバムが網羅できるようにセットリストを組むと思うんですよ。例えば、博多と熊本、秋田と盛岡みたいに、2本ライブを見に来ればアルバムをコンプリートできますよ(笑)。

ナカジマ:全力でやるので“この人たち本当に50歳!?”って思われるくらいのパフォーマンスをお見せできると思います(笑)。全箇所楽しみに待っていてください!

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『怪談 そして死とエロス』
初回限定盤(CD+DVD)


¥3,704(税抜)
TKCA-74333


1 恐怖の大王
2 芳一受難
3 菊花の数え唄
4 狼の黄昏
5 眠り男
6 黄泉がえりの街
7 雪女
8 三途の川
9 泥の雨
10 超能力があったなら
11 地獄の球宴
12 マダム・エドワルダ


〈DVD収録内容 全5曲〉
・阿呆陀羅経
・ねぷたのもんどりこ
・夜叉ヶ池
・黄金の夜明け
・見知らぬ世界
(2015年7月24日に渋谷TSUTAYA O-EASTにて行なわれた『屋根裏の散歩者~「現世は夢」ライブDVD発売記念ツアー~』のライブより)

『怪談 そして死とエロス』
通常盤(CD)


¥2,685(税抜)
TKCA-74337


1 恐怖の大王
2 芳一受難
3 菊花の数え唄
4 狼の黄昏
5 眠り男
6 黄泉がえりの街


7 雪女
8 三途の川
9 泥の雨
10 超能力があったなら
11 地獄の球宴
12 マダム・エドワルダ

怪談 そして死とエロス リリース記念ワンマンツアー

2/19(金) 大阪心斎橋 BIGCAT
2/21(日) 四国高松 Olive Hall
2/23(火) 熊本 B9
2/24(水) 博多 Be-1
2/26(金) 名古屋 Electric Lady Land
2/29(月)広島 CAVE-BE
3/1(火)神戸 Chicken George
3/4 (金) 仙台 enn 2 nd
3/6 (日) 青森 Quarter
3/8 (火) 宇都宮 HEAVEN'S ROCK
3/11(金) 札幌 cube garden
3/13(日) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
3/14(月) 秋田Club SWINDLE
3/16(水) 千葉 LOOK
3/19(土) 赤坂 BLITZ

人間椅子

1987年 もともと高校の同級生であったギターの和嶋慎治と、ベースの鈴木研一によりこのころ結成。コンセプトは、当時よくコピーしていたBLACK SABBATHなどの70年代ブリティッシュ・ハード・ロックのサウンドに、あえて日本語の歌詞を載せるというもの。
バンド名は、江戸川乱歩の小説からとった。
ドラマーは流動的であったが、鈴木の大学の先輩の友人であった上館徳芳(北海道出身)で固まる。メンバー2人の出身地である津軽地方の方言を取り入れたり、 津軽三味線の奏法を導入したりと、既にこの頃基本的サウンドもでき上がる。
1989年 平成元年、TBSテレビ系列の「平成名物TVイカすバンド天国」に出演。演奏もさることながら、鈴木のネズミ男に扮した奇抜な衣装が評判を呼ぶ。
1990年7月、メルダックより「人間失格」でメジャーデビューをはたす。
1992年 この年発表の「黄金の夜明け」を限りに、上館徳芳が脱退。
1993年 「羅生門」発表。後藤マスヒロがサポートメンバーとして参加。
1995年 インディーズレーベルであるフライハイトより、「踊る一寸法師」を発表、ドラマーは土屋巌となる。
1996年 月刊アフタヌーンに好評連載中の漫画「無限の住人」のイメージアルバムが、ポニー・キャニオンよりシングルともども発売される。このアルバムのツアー前に、土屋巌が脱退。正式メンバーとして、後藤マスヒロが再加入することになる。
1998年2月、トライクルより通算7枚目にあたる「頽廃芸術展」を発表。録音は、メンバー2人の地元である青森県弘前市のライブハウス、Mag-Netと亀ハウスで行われた。7月、メルダックより旧譜4枚が揃って再発、これを機に再びメルダックと契約を交わす。
2003年11枚目のオリジナルアルバム、「修羅囃子」発表。 12月、渋谷O-Westでのライブを最後に、後藤マスヒロが脱退。
2004年6月、ドミンゴス等で活躍中のナカジマノブが、新ドラマーとして加わる。9月、オリジナルアルバム「三悪道中膝栗毛」発表。精力的にライブ展開。
2006年2月、オリジナルアルバム「瘋痴狂」発表。
2007年8月、オリジナルアルバム「真夏の夜の夢」発表。
2010年12月、満を持して初のライブアルバム「疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!!」(DVD付)を発表。音源、映像とも、その年の7月に行なわれた東名阪ワンマンツアーの白熱した模様を収録。
2011年8月、震災後の現実へ歩み出す意味を込めたアルバム「此岸礼讃」を発表。
2013年5月12日、世界的ロックイベントであるOZZFEST JAPAN 2013に出演。敬愛してやまないBLACK SABBATHと同じステージに立ち、渾身のパフォーマンスを繰り広げ、大好評を博す。8月、その勢いのままにオリジナルアルバム「萬燈籠」発表。
2014年 6月、バンド生活25年を記念し、前作から一年と経たずに自身22枚目(ベスト盤含む)にあたる「無頼豊饒」発表。

 

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