2013年から6人編成のバンドとして再スタートしたKIRINJIが放つ2年ぶりのアルバム
KIRINJI『ネオ』インタビュー
KIRINJI『ネオ』インタビュー
2016/08/01
デモを聴いたときには「うわあ、来た!」と思いました(笑) by 田村
──RHYMESTERをフィーチャーした「The Great Journey」は、どのようにしてテーマを絞り込んだのですか?
堀込:RHYMESTERのみなさんと、レコード会社の会議室で顔合わせがてらブレストをやったんですけど、そのときに「バタフライエフェクト」の話になったんですよ。「蝶々が羽ばたくと、地球の裏側で台風が起こる」みたいな因果関係が、実際にあるのかどうかはさておき、ちょっとしたことが、全く関係のないところで大きな影響をもたらす場合というのは、きっとあるんじゃないかと。そういう話が取っ掛かりとなり、アイスエイジからスペースエイジ...太古の昔から現在のラブホテルの一室までをつなげるような、そういう壮大なテーマになっていきました(笑)。
──(笑)。どのようなやり取りで曲を作っていったのですか?
堀込:まずメンバーでリズム録りしたものを僕が持ち帰ってエンディングをつけたり、キックのパターンを変えたりしたものを聴いてもらって、そこにラップを乗せてもらいました。最初はRHYMESTERにイニシアチブを取ってもらって、テーマを決めてもらおうと思ったんですけど、彼らも20年以上のキャリアがあって「マンネリになりそうだからそっちで決めてくれ」って言われて(笑)。こっちもそうなんだけど、って感じなんだけど、そうおっしゃるなら頑張りますっていう感じで考えました。
──6人編成になってから、高樹さんは他のメンバーのことを想像しつつ書いているのですか?
堀込:たとえば弓木さんやコトリさん歌ってもらおうと思って書く曲に関しては、彼女たちのことを思い浮かべていますね。コトリさんみたいなエアリーな歌声の人が、今っぽい音圧のAORアレンジの中で歌ったら結構かっこいいんじゃないかなとか。それで恋愛のことを歌ったら、同年代の女性がグッとくるんじゃないかとか。弓木さんにしても、アイドルみたいな可愛らしい声だけど、一方でちょっと少年っぽい印象も受けていて。そういう少年っぽさを引き出そうと思ったのが「あの娘のバースディ」で、女の子っぽさを引き出そうと思った曲は「Mr. BOOGIE MAN」ですね。
──今回は全体的にラテンっぽい感じというか、夏をイメージさせるアルバムだなとも思いました。
堀込:「真夏のサーガ」は確かに夏の曲ですが(笑)、とりわけ夏を意識したりはしませんでしたね。でも昨年末のワンマンで「嫉妬」とか「僕の心のありったけ」といった兄弟時代の曲を、楠さんがドラムスを叩いて、矢野さんと玄さんがパーカッションを叩くとか、場合によっては楠さんの息子さんが参加して(笑)。4人打楽器の人がいるステージがあったりして。そういう、ライブで再現したら楽しそうな曲があって。やっぱり、リズム隊もKIRINJIは強力だと思うので、今回も、そういう肉体的な躍動感のある曲を書きました。
──この曲の、最後のシンガロング部分なども、今までのキリンジにはあまりなかったかなと。
堀込:そうかもしれないですね。
──「絶対に晴れて欲しい日」のスティールパンも、夏っぽいイメージです。
堀込:あれは大変でしたね。玄さん、腰痛をおして何回もダビングしてくれて。
田村:キリンジにしては珍しく、かなりストレートなリフレインが大フィーチャーされていますよね。リトル・テンポあたりと比べても違和感のないような。だから、デモを聴いたときには「うわあ、来た!」と思いました(笑)。いつか、10人くらいのスティールパン奏者とライブで再現したいですね。
──では最後に、読者に本作の聴きどころをお願いします。
堀込:今回は打ち込みっぽい曲もあれば、生の演奏をしっかり聴かせる曲もあって。楽器をやっている人が聴いたら楽しくなるような演奏がたくさん入っているので、その辺を細かく聴いてもらえたら嬉しいですね。
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