ワンマンライヴを行うのは4年ぶり

DEZERT、12月19日(日)に今月末でクローズする高田馬場のライヴハウスAREAにてワンマンライヴを開催!

DEZERT、12月19日(日)に今月末でクローズする高田馬場のライヴハウスAREAにてワンマンライヴを開催!

2021/12/23

DEZERT

写真:柴田恵理

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なにかを失ってしまったときに、感じる寂しさの深さ。きっとそれは、そのなにかに対しての愛着の度合いと比例するのだろう。「お久しぶりです。どうせもう、ほかのバンドが高田馬場AREAへの愛とか歴史とかはいろいろ語ってるんでしょ。「凄く世話になってきました。家が無くなるような気持ちです!復活待ってます!!」とかさ。正直、俺はあまり高田馬場AREAとは仲が良くないというわけではないけれども、とりあえず高田馬場AREAに育ててもらったことはない!単に、自分たちが育っていく過程で“そこにいた”っていう感じ。感覚的には、クラスで仲は良くなくても告白されたらワンチャン気になる人っていたじゃん。アドレス聞かれたら「えっ?別にいいけど」って教えちゃうみたいな。夜、お風呂で「なんて返そう?」って考えちゃうくらいの。あ、アドレスっていうところに世代感出ちゃったな。でも、大体おまえらだってアドレス世代だろ!っていうことで(笑)。俺にとってのAREAはわりとそんな存在です」
 
このたび、2021年末をもってテナントビルの老朽化を理由に閉店することが決まっている高田馬場AREAにて、DEZERTがなんと約4年ぶりに行った凱旋ワンマンライヴ[Takadanobaba AREA Presents ”DEZERT Special Live in Takadanobaba AREA”]において、フロントマン・千秋が最初のMCで語ったのは前述の言葉たちだった。相変わらずのシニカルなトーンではあるものの、そもそもハコ側から呼ばれていそいそと出演していること自体が先ほどのメールの話になぞらえれば“デートのお誘いに対して返信をし、待ち合わせ場所にも来てしまっている”ような状態なわけで、結局は千秋もあれこれと思い出のある高田馬場AREAに対しての餞(はなむけ)となるようなライヴをやっておきたい、という気持ちでいたものと思われる。
 
ちなみに、2000年代を生き抜いてきたヴィジュアル系バンドたちにとっての聖地にして殿堂である高田馬場AREAが営業最終月間を迎えているこの12月については、DEZERTのみならず数々のバンドが恩返し・お礼参り的な意味でのワンマンをそれぞれに行っているのだが、なんでも彼らの場合はなんとチケット応募が4000件以上も殺到したそうだ。おそるべし。
 
そして、それだけのプラチナチケットを手に入れることが出来たデザギャおよびデザギャ男(※いずれもDEZERTファンに対する愛称)たちに対して今宵のDEZERTが供してくれたのは、まさにライヴタイトル通りのスペシャルなメニューで、まず冒頭を飾ったのは2014年発売の現在入手不可なマキシシングル『僕の「誤解」と右折禁止のルール違反』に収録されていた「「誤解」」。この段階から場内では俗に言われる“折りたたみ”ヘドバンの嵐が起こり、これぞ高田馬場AREAという光景がいきなり生まれることに。
 
途中には比較的近年の曲である「Call of Rescue」や、最新音源『RAINBOW』からの「カメレオン」がはさまれたりもしたが、基本的にはDEZERTがよく高田馬場AREAに出演していた頃によく演奏していたのであろう往年の楽曲が連打されていくことになり、かなり久しぶりでの演奏となった「胃潰瘍とルソーの錯覚」や、サビでデザギャおよびデザギャ男たちがそろいのフリをみせた「脳みそくん。」、シックなスカートスーツ姿で徐にテレキャスを肩にかけた千秋・珍しいデニムパンツ姿と持っていたテレキャスがやけにマッチしていたMiyako・ライヴが始まった早々からタンクトップ姿になり気合い充分な姿でのドラムプレイに興じるSORA・奇抜な衣装と謎の金ぴかアクセでドレスアップしたSacchanの4人がメンバー紹介をかねてのプチセッション展開したうえで聴かせてくれた「白痴」など、この場だからこそ聴けた曲たちがずいぶんと多かったことはもちろんファンにとっても、彼ら自身にとっても、またもしかしたら高田馬場AREAのホールスタッフたちにとっても、素敵な“Special Live感”を醸し出していたのではなかろうか。
 
とはいえ、ただただ今宵のDEZERTが過去を懐かしむことだけに注力していたのかというと、決してそうではない。「まだ俺たちの人生は続くから。別に頑張らなくてもいいけど、生きようぜ!!」という言葉を千秋が発してから歌った「「遺書。」」が、飛び降り自殺を企図しながら主人公が遺書を書いていくうちに、やがて〈さぁ 今を生きよう〉という言葉にたどりついていく過程を描いたものであるということ。また、本編ラストを締めくくる曲として選ばれていた「TODAY」の歌い出し直前に「もうこの場所では会えませんが、今日をもっと深く生きよう!」という言葉を千秋が添えてみせたこと。この2点からだけでも、DEZERTが今回のライヴに対してどのようなスタンスを持っていたのかは明白だった。
 
なお、アンコールでは各メンバーたちがそれぞれに高田馬場AREAにまつわるエピソードを語らう場面があり、ここでは10年前のDEZERT創成期の話、始動当初は高田馬場AREAに憧れるも敷居が高くてまともに相手にされなかった話、ようやく出演することが出来るようにはなったものの千秋がライヴ中に水をまいたりダイブをしようとしてスタッフに怒られた話、Miyakoが在籍していたMoranでの出演回数も含めると「ここは人生で最多出演しているライヴハウス」という話、その昔に高田馬場駅近くのしまむらで千秋がSacchanと衣装に使えそうなアイテムを一緒に探した話、SORAがその昔に所属していたSacrificeやXodiackでもこのステージに出たことがあるという話、高田馬場AREAでの恒例シリーズイベント[森羅万象]や[桜花乱舞][地中楼閣]の話などが30分以上にもわたって和気あいあいと語られ、その端々にも彼らが高田馬場AREAに対して持っている愛着心がダダ漏れしていたことは言うまでもない。
 
「ほんと、AREAとは仲良くなかったんだけどさ。でも、実際にはめちゃくちゃ世話になってんのよ。主催イベントもむちゃくちゃやらせてもらったし。…どうしよう。なんか、やっぱり悲しくなってきちゃった(苦笑)。アンコールの曲をやり始めたら、このライヴもう終わっちゃう。まぁ、とにかく!AREAおつかれさま!!!」
 
千秋が安定のツンデレぶりを発揮しだしたうえで、アンコールの1曲目として約30分ぶりに演奏され出したのは〈水曜日の朝だれもいない高田馬場 右腕を食べられた小学生も泣いてたんだ〉という歌詞が印象的に響いた「大塚ヘッドロック」。そして、デザギャおよびデザギャ男たちによる、壮絶なるしゃがみ回転ヘドバンが炸裂した「包丁の正しい使い方〜終息編〜」などをまじえながら、最後の最後は殺伐とした「doze.」を派手にブチあげることにより、DEZERTは高田馬場AREAでの最後のワンマンを見事に完遂してみせたのである。
 
なにかを失ってしまったときに、感じる寂しさの深さ。それが愛着の度合いと比例することを、彼らがこの場であらためて知ることになったのだとしたら。DEZERTには高田馬場AREAでの経験と思い出たちを糧にしながら、これからも続いてゆく日々をより謳歌していってもらいたいものだ。
 
テキスト:杉江由紀

Takadanobaba AREA Presents ”DEZERT Special Live in Takadanobaba AREA”
2021年12月19日(日)高田馬場AREA

<SETLIST>
 
01 「誤解」
02 Call of Rescue
03 胃潰瘍とルソーの錯覚
04 カメレオン
05 脳みそくん。
06 「軽蔑」
07 浴室と矛盾とハンマー
08 白痴
09 「宗教」
10 「あー。」
11 「不透明人間」
12 遮光事実
13 「遺書。」
14 「ピクトグラムさん」
15 TODAY
 
En1 大塚ヘッドロック
En2 秘密
En3 包丁の正しい使い方〜終息編〜
En4 「切断」
En5 doze.
 

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