制作環境やデュオの魅力についてもコメント
Honey L Days「リスタート」インタビュー
Honey L Days「リスタート」インタビュー
2015/10/13
曲は感情のままに作るというよりは、組み立てるように作っています
──それではここからは、Honey L Daysの曲の作り方や曲作りの環境についてお伺いしたいと思います。まず、歌詞とメロディー、どちらから先に作られますか?
KYOHEI:歌詞が後のことが多いですね。メロディーを8割から9割作って、歌詞の断片みたいなものがあるときはそれを軸に歌詞を作っていきます。また、キーワードになるような言葉がないまま、伝えたい言葉だけを並べて曲ができちゃうこともあるんですが、そういう曲はそのまま完成っていうことはなくて、フレーズの位置や言葉の脈絡を組み替えて仕上げていきますね。
──なるほど。
KYOHEI:僕はわりと頭が理系なので、曲を感情のままに作るというよりは、メロディーに合わせて「盛り上がるところでこういうメッセージを入れよう」とか、組み立てるように作っています。
──頭の中でパズルをはめていく感じですか?
KYOHEI:そういうことが多いです。
──曲はやっぱりギターで作られているんでしょうか?
KYOHEI:ギターで作曲することが多いですけど、結構色々なパターンがあって、ピアノで作る場合もあれば、打ち込みでリズムから先に作ることもありますね。
──リズムからもあるんですね。打ち込みされる際にDAWソフトはどんなものを使われていますか?

Ableton「Live」
KYOHEI:Abletonの「Live」を使ってます。僕がDTMを始めた時期にちょうど「Live」がリリースされて、使い始めました。
──トラックはソフトの音ネタを組み合わせて作られているんでしょうか?
KYOHEI:いや、1から打ち込みですね。自宅では2台のPCをネットワークで繋いで、1台は音源を鳴らす用に、1台はDAWの動作用に使っています。デモ曲はドラムがいてベースがいてピアノやギターがいてっていう生バンドスタイルのものが多いですね。
──歌のハモリは主旋律が出来上がった後に作っていくのでしょうか?
KYOHEI:普段はスマホなどに録音したメロディーのアイディアを持ち帰って、DAWでデモを作っていくスタイルが多いんですよ。だから、最初からハモリを意識した曲っていうのは少ないです。「君のフレーズ」っていう曲は最初のアイディアの段階でハモリも一緒に浮かんできましたね。

Fostex「NF-01A」

SONY「MDR-CD900ST」

beyerdynamic「DT770」
──なるほど。では次に、DTMのモニタリング環境も教えていただけますか?
KYOHEI:僕は自宅のモニタースピーカーはFostex「NF-01A」というモデルを使っています。また、ミックスチェックでラジカセなんかも手元で切り替えれるようにしていますよ。ヘッドホンは定番のSONY「MDR-CD900ST」と、beyerdynamic「DT770」を使っています。「DT770」はニアよりはちょっとファー寄りの、例えば劇場で聴いているような音場になるんですけど、ローからハイまでレンジも広くて、環境を変えて聴きたいときに重宝してますね。
──曲作りの時はそれらを聴きながら、「Live」でミックスされてるんですね。
KYOHEI:はい。主に「NF-01A」と「MDR-CD900ST」を聴き比べながらバランスを組み立てていきます。
──普段音楽を聴かれているときはどんなものを使われていますか?
KYOHEI:Blue toothのワイヤレスイヤホンか、カナル式のイヤホンで、そこまでこだわりなく聴いています。
──ライブ用のイヤーモニターは?
KYOHEI:基本的に使用しないですね。本当に必要に迫られた時以外はなるべく使わないようにしています。
良いハモリを作るには“相手を知る”こと
──では最後に、TuneGateは音楽を聴く人はもちろん、音楽を演奏したり、作ったりする人へ情報を発信しているサイトなのですが、Honey L Daysさんのようにデュオで曲を作って演奏したいと思っている人たちにメッセージやアドバイスをお願いします。

KYOHEI:アドバイスか、うーん(笑)
MITSUAKI:(笑) でも、僕たちを見て「デュオをやりたい!」ていう人が増えてくれたらいいですね。
KYOHEI:そうだね。ホントにそう思います。アドバイス、そうだなぁ(少し考えて)、1人でやるんじゃなくてデュオになるだけで、途端に音楽の可能性って広がるんですよ。ハモリはもちろん、自分が得意だったり苦手だったりする音域やフレーズをカバーしあったりとか。そういった楽しさを感じてほしいです。
──なるほど。
KYOHEI:ハモリって面白いんですよ。ただ音程が3度~5度離れていれば「それがハモリ」っていうのは違っていて、声の相性や距離感、波(波形)の差が、ハモった時の良し悪しを決めると思うんです。ただ、それを計算しながら曲を作っていくというのは多分不可能に近くて。
──「良いハモリ」を作っていく秘訣は何でしょうか?
KYOHEI:僕らは曲作りの中で「このフレーズは僕よりMITSUAKIの方がうまく聴かせられるだろうな」って思う時やその逆もあるんです。それはやっぱり相手の歌い方の特性や癖とかがわかっているからで。そういった性格も含めて“相手を知る”っていうことがデュオとしての上手さにつながっていくんじゃないかなと思います。
MITSUAKI:うん。プライベートな部分でお互いをよく知ることも大事ですが、やっぱり一緒にたくさん歌って、自分の歌い方や相手の歌い方をどれだけ知れるかだと思います。バンドでいうところのセッションですね。「2人で歌う歌」の良いところを常に探して、それを伸ばしていくことが一番重要だと思います。
- 1
- 2
関連する記事
2019/04/24
2018/11/12
2018/07/03
2018/03/22
2017/10/06
2017/06/20
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01