J-POPのヒット曲を大研究

「美メロの秘密」を探る!(ゆず「夏色」風のメロディ)

「美メロの秘密」を探る!(ゆず「夏色」風のメロディ)

2015/11/22


J-POPの大ヒット曲のメロディを取り上げて、そのカッコ良さの秘密を解き明かしていきましょう。ここでは、ゆず「夏色」風のメロディを研究してみたいと思います。

※譜例は原曲のものではありません。
 

ゆず「夏色」風のメロディ

 ゆずのデビュー曲である「夏色」は、タイトル通り天気のいい夏の日にピッタリの、軽快なリズムに華やかでポップなメロディが乗る名曲です。2人で掛け合いながら歌うメロディラインには、勢いと爽快感があふれていて、聴くだけで元気になってきます。Aメロのワンフレーズずつの2人の掛け合いで声質の違いを楽しませ、Bメロで少しマイナー調に行くと同時に1人がバックで「ア〜〜〜」とコーラスを重ね、そしてサビでハモるなど、ツインボーカルの魅力を見事に活かしきっています。


ゆず「夏色」
収録アルバム
『Home 1997〜2000』
トイズファクトリー
SNCC-86911

【Aメロ】細かく刻むリズムを活かした軽快な歌メロ

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 Aメロは、8分や16分音符のリズムに乗せて歌詞を語りかけるようなフレーズになっていますが、拍の頭に16分休符を持ってきてアクセントを付けたり、パッと音程をアップダウンさせてメリハリを付けています。頭で考えるのではなく、“ギターをかき鳴らして気持ち良く歌って作ったらこうなった”的な自然体のフレーズです。また、前半の4小節(2小節パターンの反復)に対して、後半は3小節とハンパな小節数で終わるのも特徴的です。通常は8小節目を入れたくなりますが、言葉とメロディに合わせて7小節で断ち切ったことで転がるようなリズムが強調されています。


【サビ】高い音域で盛り上げつつ、うまく収束させる

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サビもAメロと同様に、リズム主体の軽快なノリを活かしつつ、16分音符の同音の連打から上下にメロディが動く形で作られています。曲中の一番高い音から始まって高い音域をキープしながら、サビらしく盛り上げているのが特徴です。2小節でひとくくりのパターンの反復で展開させていますが、Aメロの後半は言い放つように7小節でざっくりと断ち切って終わらせているのに対して、サビの後半は5〜8小節目が2小節ひとくくりで“問いかけ”と“答え”という関係を作って、サビの後半をうまくまとめてスムーズに収束させているのがポイントです。


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