GoogleのCMソングでも話題のプロデューサー/DJ

banvox「Watch Me」インタビュー

banvox「Watch Me」インタビュー

2015/12/11

誰かのために作っているわけではないし、いつも自分が作りたいものを作っていきたい!


──「Watch Me」では、このメロディーの後にビルドアップを挟んで、1分15秒あたりでドロップに入るわけですが、ドロップはどのように制作されているのですか?

banvox:何だろう。本当にノリで作ってますね(笑)。とにかくビートを感じて。ちなみに、この曲に関してはキックは1つですが、スネアは3〜4個重ねていて。

──ベースと言うか、刻んでいる部分があるじゃないですか。こういったところは?

banvox:ビートが「ドッ」と入ったとしたら、次は「ダダダダー」にしようとか、フレーズの頭から考えて行きます。具体的に使っているベースの音色は内緒ですが、ビートに合わせてピアノロールでフレーズを打ち込んで、あとはピッチのオートメーションを描いたり。でも、とにかくカッコ良くなるようにとしか言えないかも。

──banvoxさんの場合、ミックス作業はどのように行なっているのですか?

banvox:作りながらミキシングしているイメージです。ボクはキックが一番大きな音で鳴っているイメージで、その他のパートを合わせていく感じです。

──キックのフェーダーは「0.0dB」の位置に固定されいる状態ですか?

banvox:そうですね。

──エフェクトとしてはどんなものをよく使いますか?

banvox:FL内蔵のものやEQだったら「Pro-Q」をよく使っています。「Pro-Q」はローカットしたりする目的ですね。あと、リバーブはFL内蔵のものが優秀なので、スネアとかハイハットとか、ドロップの音などにもかけてます。ドロップの場合、本当に一瞬反響するぐらいの感じで。

──その他、「Watch Me」で使ったミックステクニックというと?

banvox:ミックスというか、音作りでFL内蔵の「Fruity Stereo Shaper」は使いましたね。これはドロップの音などを特殊な感じにできる使い方があるので。ボクの場合、普通のシンセで作った音にFL内蔵の「Stereo Shaper」、「Phaser」、「EQ」などを組み合わせることも多い。

──マスタリングなどは別のエンジニアの方がされているのですか?

banvox:いえ、全部自分でやっています。ボクの場合、曲ごとに音量差も出ないようにミックスするので。だから、曲を作りつつ、ミックスもマスタリングも考慮しながら2ミックスを書き出す感じです。あとはそれを並べるだけです。

──とは言いつつも、なかなか曲ごとの印象を揃えるのは難しいですよね?

banvox:はい。でも、聴いた瞬間に、どの曲でもbanvoxの曲だってわかるぐらいにしているので。音色はもちろんですが、ミックスやマスタリングにも自分の色が出せたらといつも思ってやっています。

──毎回ジャケットもカラフルで斬新ですが、どなたが作成されているのですか?

banvox:今回の「Watch Me」もそうですが、ボクの曲のジャケットはいつもflapper3のNaohiro Yakoさんにお願いしています。もともとは、ボクがMaltine Recordsで最初に曲を出したときからのお付き合いで。

──ジャケットに関しては、banvoxさんからも何か希望を出されたのですか?

banvox:ボクは言葉で伝えるのが苦手で。だからイメージというか、色でしか伝えられなくて。今回「Watch Me」は「Summer」の続編的にいく話だったので、「Summer」をぶち壊すような感じでと伝えました。

──最後に、読者にメッセージをお願いします。

banvox:そうですね。今、海外案件が何個かあるので期待して待っていてください。曲に関しては、常にカッコ良いものを作ります! ボクの場合、誰かのために曲を作っているわけではないし、いつも自分が作りたいものを作っていきたいです。

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「Watch Me」

2015年11月18日発売
(デジタル配信)
250円

banvox(バンボックス)

東京を拠点に活動するプロデューサー/DJ。2011年より活動を開始し、同年にインターネットレーベルMaltine Recordsよりリリースしたデビュー作『Intense Electro Disco』が僅か2日間で4,000DLを記録。2012年にリリースしたデジタルEP『INSTINCT DAZZLING STARLIGHT EP』で米ダンス/クラブミュージック配信サイト最大手のBeatport 総合チャートで2位獲得という快挙を成し遂げ、さらにAmazon Mp3 ダンスチャート1位、iTunes ダンスチャート4位とデジタルチャートを席巻。クラブ/DJシーンにおいて一躍その名を轟かせる存在となる。その作品群はDavid Guetta やDirtyloud、BBC Asian Network 等に激賞され、2013年にはTHE HACIENDA OISO FESTIVAL 2013 やBIG BEACH FESTIVAL 13、Road to Ultra等 名だたるパーティーにも出演。以降deadmau5主宰のレーベルmau5trap からForeign Beggars “Flying To Mars Banvox Remix”、deadmau5やSteve Aokiの作品をリリースする米大手レーベルULTRA RECORDS からMNDR"UBCL(Banvox Remix)" 等海外アーティストのリミックスを立て続けに担当。
2014年にはiTunesがその年に最も活躍が期待されるアーティストに送る“iTunes NEW ARTISTS 2014”に選出され、リリースしたシングル『Connection/Spin It Back Now』『Love Strong/Watch Me Dance』はそれぞれiTunes ダンス/エレクトロニックチャートで1位を獲得。その勢いは留まることを知らず、2015年2月には話題のGoogle Androidそして4月には自身初となるCD作品『Watch Me Dance』をタワーレコード限定でリリースし同作はタワーレコードのレコメンドタイトル“タワレコメン”にも選出。さらに9月にはDJとしてULTRA JAPAN 2014のメインステージに出演し、12月にリリースしたファーストフルアルバム『Don’t Wanna Be』はiTunesダンスチャートで1位、総合アルバムチャートで4位を記録した。
Google Android CM「じぶんを おもいきり」篇の楽曲プロデュースを担当。同曲は音楽検索アプリ最大手Shazamジャパンチャート1位を記録し話題に。そして5/20にリリースした『Summer / New Style』はiTunesダンスチャートの1位2位を独占。立て続けにリリースしたEP『At The Moment』では自身初となるMVも公開。ULTRA KOREA、ULTRA EUROPE等海外フェスへの出演、そしてフジロックフェスティバル2015出演。さらに2年連続となるULTRA JAPAN 2015への出演。
11月には2度目となるGoogle Android CM楽曲を担当。同CMに起用された“Watch Me”は米大手配信サイトBeatport Dubstep Chart、iTunes Dance Chart、そしてShazam Japan Chartで1位と三冠を達成。その注目度の高さを証明した。banvoxが繰り出す最先端の音楽は海を超え、どこまでも広がり続ける。

 

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