J-POPのヒット曲から学ぶ

アレンジ/編曲の方法を分析!(YUKI「メランコリニスタ」)

アレンジ/編曲の方法を分析!(YUKI「メランコリニスタ」)

2015/12/15


ここではロックからポップス、ダンス系まで、様々なジャンルのヒット曲を例に、それぞれのアレンジの耳を引くポイントを分析していきます。また、各ポイントのフレーズを試聴できるので、記事を読みながらアレンジのコツがつかめます。

※ここでは、すべての曲を「キ=Cメジャー」に置き換えて解説しています。また、メロディは参考曲にインスパイアされて作ったオリジナルフレーズです

ダンサブルでグルーヴ感あふれるソウル風のアレンジ

華やかなホーンセクションで始まり、少しクールなソウル風のバックとポップな歌メロの対比が気持ちいいこの曲は、最初から最後まで一定の気持ちのいいグルーヴを保っています。その秘密は、ドラム、ベース、パーカッション、ギターのリズムセクションの絶妙なアレンジによるもので、1つ1つの楽器が歌メロのリズムとユニゾンしたり、裏に入ったりとリズムの変化でアンサンブルを作っています。すべてのパートが共通のイメージで1つのグルーヴを作り上げているという好例です。

リズム パーカッション隊を総動員して跳ねるグルーヴを盛り上げる(0:10~)

リズムは、4つ打ちのドラム以外にハンドクラップやタンバリン、ボンゴ、そしてコンガ(ハイ&ロー)と、かなりの数のパーカッションを入れています。このパーカッションによって、楽曲のポップな雰囲気を盛り立てています。各パーカッションのアクセントは、ハンドクラップが2拍表と3拍裏と4拍表、タンバリンは2拍と4拍、そしてコンガ(ハイ)とボンゴは1拍裏と3拍裏に強いビートが来ています。このように、同じ位置にアクセントを集中しないことで、複雑でありながら踊れるグルーヴが出ます。

Aメロ メロディの合間を埋めつつリズムを支えるアコギのカッティング(0:40~)

アコギのコードカッティングは、ボーカルの裏に入ったり、歌の後にオブリっぽく入るなど縦横無尽に動き回っていて、要所要所に入れることでとても耳に残る印象的な演奏になっています。譜例はAメロのカッティングのリズムの一例で、歌メロが歯切れ良く終わった後、そのノリを崩さずに16分のオブリガート的なカッティングを入れているのがポイントです。

サビ サビでの盛り上がりを助ける、下がってから上がるホーンセクション(1:08~)

サビのバックでおいしいフレーズを演奏しているのが、シンセ音源を使ったホーンセクションです。譜例は、4小節で繰り返すホーンのメロディで、オクターブにしてラインをしっかり出しつつ、休符をうまく使って歌メロを邪魔しないフレーズを奏でています。また、前半2小節は下降フレーズ、後半2小節は上昇フレーズにして、どんどん盛り上がっていく感じにしています。

この記事の画像一覧

(全3枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

PAGE TOP