J-POPのヒット曲から学ぶ
アレンジ/編曲の方法を分析!(Galileo Galilei「サークルゲーム」)
アレンジ/編曲の方法を分析!(Galileo Galilei「サークルゲーム」)
2015/12/17
ここではロックからポップス、ダンス系まで、様々なジャンルのヒット曲を例に、それぞれのアレンジの耳を引くポイントを分析していきます。また、各ポイントのフレーズを試聴できるので、記事を読みながらアレンジのコツがつかめます。
※ここでは、すべての曲を「キ=Cメジャー」に置き換えて解説しています。また、メロディは参考曲にインスパイアされて作ったオリジナルフレーズです
※ここでは、すべての曲を「キ=Cメジャー」に置き換えて解説しています。また、メロディは参考曲にインスパイアされて作ったオリジナルフレーズです
幻想的な曲を後押しする2つのAメロ構成に注目!
「サークルゲーム」は、エレキギターと歌に深くかけられたリバーブが幻想的な雰囲気を演出している、ギターポップの名曲です。構成がユニークで、アルペジオのイントロに続く歌メロがAメロだと思って聴いていると、リズムが入ってバンドアレンジになってから、別のメロディを持つAメロが登場します。その後も、この2つのAメロがランダムに登場して、リスナーを飽きさせません。また、幻想的な曲調を後押しする「add9(アドナインス)コード」や、変則的なリズムなど、実験的なテクが随所に盛り込まれています。
イントロ Cメジャー一発でいけるところを、あえて分数コードでメロディアスに演出(0:07~)
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イントロに続く最初のAメロ(ここでは仮に「I アイメロ」と呼びます)は、フォーク系のアレンジならCメジャーコードをジャカジャカと弾くだけでもいけそうですが、ガリレオ・ガリレイはベースが動いて分数コードにしてメロディアスに聴かせています(赤字の部分)。ベースがルートに行っていない箇所では安定感がなくなりますが、それが歌メロや曲調に合った絶妙な浮遊感を醸し出していて、シンプルなコード進行の中にも、ガリレオ・ガリレイならではの不思議なポップ感が生まれているのが感じられます。
リズム 曲をグイグイと盛り上げる変則的な8ビートパターン(0:24~)
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この曲のドラムパターンは、「2拍表/3拍表/4拍表」にスネアが入っており、「ドン・タッ・タッ・タッ」という、1拍目のキックと2~4拍目のスネアのアクセントによって、1拍分多い変則的な3拍子のようにも聴こえてきます。また、1拍目のみスネアのアクセ ントが来ないため、毎回少し肩透かしをくらったような気になりますが、その分小節の後ろに向かってスネアで盛り上げているので、曲が進むほどに華やかな雰囲気になります。このようにスネアのアクセントを工夫するだけでも、リズムの印象は大きく変わります。
Aメロ 「add9コード」で浮遊感を醸し出す(0:38~)
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この曲ではギターのアルペジオやコードのストロークに、全編に渡って「add9コード」が使われていて、それが特有 の浮遊感を生み出しています。ちなみに「C9」だと、構成音は7th(シ♭)も加えた「ドミソシ♭レ」になり、少しコード感が複雑でジャジーな雰囲気が出ますが、3和音のメジャーコードに9thの音だけを足したadd9の場合は、明るい印象のままハーモニー感が強まります。このワザは、特にギターのアルペジオで使うと効果的です。
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