J-POPのヒット曲から学ぶ

アレンジ/編曲の方法を分析!(Perfume「Spending all my time」)

アレンジ/編曲の方法を分析!(Perfume「Spending all my time」)

2015/12/25


ここではロックからポップス、ダンス系まで、様々なジャンルのヒット曲を例に、それぞれのアレンジの耳を引くポイントを分析していきます。また、各ポイントのフレーズを試聴できるので、記事を読みながらアレンジのコツがつかめます。

※ここでは、すべての曲を「キ=Cメジャー」に置き換えて解説しています。また、メロディは参考曲にインスパイアされて作ったオリジナルフレーズです

最新ダンスミュージック“EDM”を大胆に取り込む (BPM=131)

この曲は世界的に人気のダンスミュージックのスタイルである“EDM”を基調とした曲で、構成は主にAメロとサビ、そして中盤に出てくるブリッジのみと比較的シンプルです。しかし、その中に4つ打ちのキックを入れて、シンセなどの上ものパートの抜き差しをし、リフのリズムパターンをセクションごとに変えるなど、ダンス系アレンジのセオリー的なテクが各所で用いられています。そのため、たんなる同じパターンの繰り返しと感じさせない点がこの曲のアレンジのツボと言えるでしょう。

Aメロ リズミック&キャッチーなシンセリフで“EDMらしさ”を出す(0:15~)

EDM風のアレンジは、シンセパートのリフのコード進行と、リズミックなバッキングがポイントです。特にリズムは、音符を詰め過ぎるよりも、この曲のAメロのように隙間が感じられるようなバッキングの方が雰囲気が出ます。また、コード進行は「C→Am→Dm→G」のように、シンプルでキャッチーな循環コードを2小節でひと回しする形にして、「リズムやフレーズの繰り返しでグルーヴ感を生み出す」というダンス系ならではのセオリーを守っています。音色は、明るいシンセブラス系が最適です。

サビ1 シンセのリフのタイミングをズラしてバリエーションを作る(1:29~)

Aメロとサビは、同じシンセのコードバッキングが続いているような印象を受けますが、よく聴くとシンセリフの符割が全体的に8分音符1個分、後ろにズレているのがわかります。このような手法もダンスミュージック系の定番で、EDM系特有の4つ打ちのリズムのグルーヴ感は変えずに、セクションごとにバリエーションを出したい場合などに非常に効果的です。

サビ2 同じリフを違うベースラインに乗せて、コード感を変える(2:58~)

 Perfumeの楽曲を手掛ける中田ヤスタカの作品には、同じメロディやリフに対して異なるコードを付けて大サビやブリッジなどを作るという特徴があります。この曲にもその手法が取り入れられており、Bメロと同じリフを異なるシンセの音色で演奏しつつ、ベースのルートを変えることでバリエーションを生み出しています。このようにベースパートの音を変えると、結果的に程良い緊張感を持つ分数コードになるので、「もうひとつ展開が欲しい」という時にはぜひ試してみましょう。

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