作曲の手順とコツをレクチャー

初心者のための作曲法「第11回:コードを元にしてメロディを作ろう その2」

初心者のための作曲法「第11回:コードを元にしてメロディを作ろう その2」

2015/12/12


曲作りの基本を解説する連載「初心者のための作曲法」の第11回。前回に引き続きコードを元にしてメロディを作る方法について解説しよう。
 

1拍目の音を抜いたり裏拍から始めるとカッコ良くなる

小節の先頭から始まるフレーズや、表にアクセントがあるフレーズばかりを繰り返していると、表拍で手拍子を打ちながら歌う民謡のようなメロディになりがちだ。そこで、1拍目を休符にしたり裏拍から始めるようにメロディを作ると、流れに変化が付いてポップスらしい雰囲気が出てくる。

また、手前の小節の終わりから小節をまたぐようなフレーズにしたり、フレーズの途中や小節をまたぐところにシンコペーションを入れれば、リズムが複雑になって耳を引く歌メロになる。
 

リズムが単調に聴こえる場合は、手前の小節の終わり付近から頭の音(ここでは2小節目のミ)につながるようにスタートさせたり(1)、1拍目の音を休符で抜いたり(2)、裏拍をシンコペーションで食う(3)などの工夫をしてみよう

リズムが単調に聴こえる場合は、手前の小節の終わり付近から頭の音(ここでは2小節目のミ)につながるようにスタートさせたり(1)、1拍目の音を休符で抜いたり(2)、裏拍をシンコペーションで食う(3)などの工夫をしてみよう


 

音程を跳躍させるとメロディにメリハリが付く

同じ音を繰り返したり、狭い音程の範囲内を音が行ったり来たりするフレーズは「落ち着いた雰囲気」を生み出し、逆に音が跳躍するところを入れると「耳に残る印象的なフレーズ」になる。こういったメリハリをうまく付けて、メロディを構成していこう。 例えば、「フレーズが始まる部分は跳躍してリスナーの耳を引き付け、その後は狭い音程で動きながら徐々に盛り上げていって、サビでさらに高い音域へと跳躍して盛り上げる」などの展開が考えられる。また、リズムにも緩急を付ければ表情が豊かになる。
 

音の高さが動く範囲を狭くしたり(1)、「ドレミファ〜」のようにスケールに沿ってメロディを上昇させたり(2)、「ソ→レ」のように音程を大きく跳躍させるところを作ると(3)、メロディにメリハリが付く

音の高さが動く範囲を狭くしたり(1)、「ドレミファ〜」のようにスケールに沿ってメロディを上昇させたり(2)、「ソ→レ」のように音程を大きく跳躍させるところを作ると(3)、メロディにメリハリが付く

 

Aメロよりもサビの音域を高くすると曲が盛り上がる

次に、Aメロ、サビなど曲のセクションごとの展開のさせ方を考えてみよう。例えば、静かに始まるAメロの導入部は低めの音域を使い、盛り上がるサビで高めの音域を使うなど、セクションに合わせてメロディの音域を変えるだけでも盛り上がっていく感じが表現できる。ただし、自分が歌える音域を曲の最初から最後までフルに使っていると、メロディが動いているわりには一本調子に聴こえてしまい、しかも歌うのが大変になってしまう。歌える音域の一番高い音は、サビの聴かせどころに残しておこう。
 

例えば、歌える音域が「ド~高いレ」なら、Aメロは「ド~ソ」付近を中心に使って低い音域でメロディを作る。そして、サビは最高音の「高いレ」を活かすように、「ソ~高いレ」あたりの高い音域を使うと、曲の展開にメリハリが付く

例えば、歌える音域が「ド~高いレ」なら、Aメロは「ド~ソ」付近を中心に使って低い音域でメロディを作る。そして、サビは最高音の「高いレ」を活かすように、「ソ~高いレ」あたりの高い音域を使うと、曲の展開にメリハリが付く

 

どうしてもメロディがうまく作れない人のための“お助け”アイディア

メロディがどうしても浮かばない場合は、普段聴いているプロの作品をメロディの元ネタとして活用してしまおう。プロの曲のメロディから音をいくつか差し引いたり、一部の音の高さを変更して、新たなメロディを作り上げるという方法だ。その際、歌ではなく、ギターソロやピアノのフレーズなどからメロディのヒントをもらってもいい。また、DAWソフトにプロの曲を取り込んでテンポを変えて再生すると、メロディの印象が変わるので、それを自分の曲に活用してみるのも手だ。

どうしてもメロディがうまく作れない人のための“お助け”アイディア

 


文:平沢栄司


 

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