作曲の手順とコツをレクチャー
初心者のための作曲法「第13回:構成で曲にメリハリを付けよう」
初心者のための作曲法「第13回:構成で曲にメリハリを付けよう」
2015/12/12
曲作りの基本を解説する連載「初心者のための作曲法」の第13回。いくらカッコいいメロディやコード進行が出来上がっても、その部分ばかりを延々と繰り返すのでは曲が単調になってしまう。そこで重要になってくるのが、曲にメリハリを付ける「構成作り」だ。それでは、色々な曲の構成パターンを解説していこう。
まずは定番の曲構成を覚えよう
曲というのは物語と一緒で、「起承転結」を付けて構成を組んだ方がリスナーに感動が伝わりやすい。この場合の各セクションの役割は、「イントロ」や「Aメロ」で曲全体のイメージをリスナーに伝えて、「Bメロ」で一度クールダウンしてサビへの期待感を煽り、「サビ」でメロディが最高潮に。その後、間奏(前奏のフレーズやコード進行が再び出てくることが多い)を挟んで、最後にサビを繰り返す「大サビ」で物語を締めくくる。これが定番パターンだ。
聴き手を引きつける様々な構成パターン
■その1:サビを頭にしてインパクトを与えるパターン
ジャンルを問わずよく使われるのが、サビから始まるパターンだ。曲のメインとなるサビが先頭にくるので、サビの印象を強く与えられるというメリットがある。また、インパクト抜群なので、詞のメッセージ性を強めたい時に効果的だ。
このタイプは、Aメロまでのイントロ部分が長くなりがちなので、イントロを短めにしてBメロからサビに行くぐらいシンプルな方がいい。また、サビの多用は飽きられるので、出だしのサビは歌とアコギだけで始めるなどの工夫をしよう。
■その2:リフを細かく入れるロックパターン
ロック系では王道の、ギターリフなどをセクションごとに入れていく手法だ。前奏と間奏を同じフレーズにすることがポイントで、AメロとBメロの間にもリフを挟み込む。基本的には歌よりもリフが曲の軸となるため、これがカッコ悪いと台無しになってしまうので、リフ作りは重要だ。リスナーが曲のイメージをつかみやすく、短い尺の曲でも完結感が出しやすいというメリットがあるが、延々とリフが繰り返されるので飽きられやすく、長い曲には不向きだ。
■その3:Aメロからスタートして徐々に盛り上げるパターン
イントロなしでAメロから始まるこのパターンは、小説でいえば、いきなり主人公のつぶやきから入るようなイメージで、バラードで使われることが多い。ロックのように同じセクションを何回も繰り返すのではなく、Aメロ→Bメロ→Cメロ→Aサビ→Bサビと展開させていくことで、徐々に曲を盛り上げていくことができる。左の構成の他に、Cメロとサビのつなぎに間奏を入れてサビへの期待感を高めるなど、アレンジ次第で色々な変化が付けられる。
文:藤井 浩
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