15年の軌跡が詰まったベストアルバムを2枚同時リリース!
Ryu☆『Ryu☆BEST - STARLiGHT』/『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』インタビュー
Ryu☆ベストアルバム『Ryu☆BEST - STARLiGHT』/『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』インタビュー
2016/03/01
曲をコード進行の上手さじゃないところで聴かせたいという気持ちもあるんですよ。
──続いて、『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』について伺います。リード曲の「MOONLiGHT」はいつ頃作られたのですか?
Ryu☆:これも「STARLiGHT」と同時期ですね。昨年末に制作しました。
──流れるようなメロディやコードがトランシーな感じですが、こちらも「Nexus」や「Serum」を使われたのでしょうか?
Ryu☆:「Nexus」や「Serum」も使いましたが、この曲はストリングスをフィーチャーした曲なので「Omnisphere」というソフトを主体に作っていきました。
──作曲はメロディ―作りに時間をかけるということでしたが、どのように作られるんでしょうか?
Ryu☆:この曲のメロディーは浮かんだ8小節や16小節のメロディーを片っ端から打ち込んだ後、それを聴きながら取捨選択して作っていきました。
──ダンスミュージックでも、歌もののようにAメロ、Bメロというふうなコード進行や、そういったものを排除したシンプルなコード進行ですが、『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』ではそういったことは意識されていますか?
Ryu☆:そうですね。ダンスミュージックをずっと作っているので、コード進行はなるべくシンプルになるように作っています。僕は曲をコード進行の上手さじゃないところで聴かせたいという気持ちもあるんですよ。
──「MOONLiGHT」はそのパターンなんでしょうか?
Ryu☆:それはちょっとありますね。僕の曲は非常にアグレッシブな曲と、情景的でメロディアスなものと2種類の路線がありまして、『Ryu☆BEST - STARLiGHT』の収録曲は前者、『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』は後者という分類でも分けられます。
──『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』では、でんぱ組.incの「でんでんぱっしょん」や、TVアニメ「FAIRY TAIL」のエンディング曲「Glitter」なども収録されていますね。まずは「でんでんぱっしょん」ですが、歌モノをリミックスする場合は、どのような手順で行うのですか?
Ryu☆:僕はダンスミュージックのトラックメイカーとしては珍しくメロディーから作っていくタイプなので、普段の作り方とはあまり変わらなかったですね。メロディーを核にリズム隊を組んでといった具合です。
──曲は頭から作っていくんですか?
Ryu☆:そうなんですよ。これもちょっと珍しいタイプかなと思うんですけど(笑)。

──「でんでんぱっしょん」の8分で鳴っているベースは何の音源で鳴らしているのですか?
Ryu☆:この曲自体3~4年前に作った曲なので記憶が曖昧な所もあるんですが、多分「Sylenth1 LENNAR DIGITAL」を使っています。
──「Sylenth1」をベースに使った理由はどこにあるんでしょうか?
Ryu☆: これは僕が馴れてるっていうのもあるんですが、元々「Sylenth1」自体がRoland「JP-8000」のクローンとして出ているので、トランスやハッピーハードコアなどBPMの早いダンスミュージックにはかなり合うサウンドだからですね。僕は元々「JP-8080」の実機を使っていたのもあって非常に作りやすいです。
──3~4年前ということは最近ははあまり使われていないとか?
Ryu☆:全く使わなくなりましたね。トータルリコールが厳しいというか、後からリテイクが入った時に大変になっちゃうんですよ。
──「Glitter」はトランシーでピアノなどの音色も印象的ですね。ピアノは何の音源で鳴らしているのですか?
Ryu☆:ピアノはSteinbergの「The Grand」です。
──ピアノ音源も各社様々なものがありますが、なぜ「The Grand」を選ばれたのですか?
Ryu☆:この曲は僕とStarving Trancerで作ったんですが、彼はピアノ弾きで、彼のチョイスによるものです。
──その他、「ウッーウッーウマウマ(゜∀゜)」ではちょっと音程の高いボーカルが印象的ですが、この歌の処理はどのように行なっているのですか?
Ryu☆:これは音を1回作った後にピッチを3度上げるという処理をやってます。当時、こういうジャンルで「ボーカルのピッチをわざと上げて、子供の声のようにする」というテクニックが流行っていて、これを踏襲したんですよ。
──これはDAW上でピッチを上げたのですか?
Ryu☆:そうです。CUBASEのオーディオ処理機能に「VariAudio」というものがあるんですが、これを使ってピッチを上げるとカセットテープみたいに音程と速度が一緒に上がるんですよ。
──では、最後にアルバムの聴きどころを改めてお願いします。
Ryu☆: 『Ryu☆BEST - STARLiGHT』と『Ryu☆BEST - MOONLiGHT』は全部聴くだけで5時間もかかる大作ですが、できるだけ当時の音を大事にしつつ、音の細かい所もやり直してたりするので、そういうと ころをファンはぜひ楽しんでほしいですね。
──3月5日に豊洲でのダンスパーティ「EXIT TUNES DANCE PARTY」への出演も予定されていますよね。イベントへの意気込みを教えてください。
Ryu☆:今回は3000人オーバーと、「EXIT TUNES DANCE PARTY」史上最大級の規模でのイベントとなります。BEMANIシリーズの“お祭り感”も足しているので、ぜひ、皆さんお越しください!
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