メンバーが過ごしてきた年月を集約させたニューアルバム
odol『YEARS』インタビュー
odol『YEARS』インタビュー
2016/05/20
「退屈」は自主制作映画の主題歌を作ってくれないかというオファーをもとに作りました。
森山:僕は曲を作る時は、大体短い期間で一気に作り上げようとするので、あまり覚えていないんです。おそらくですが、Aメロからだと記憶しています。
ミゾベ:僕らの曲作りは、まずコード、次にオケが出来てメロを乗せて、歌詞という流れが多いです。
──歌詞はどのように?
ミゾベ:この曲はアルバムのリリースが決まる前、森山の知り合いから自主制作映画の主題歌を作ってくれないかというオファーがあって作ったんです。そういった話をいただいたのは初めてだったので、メンバーと話し合った結果 “面白いからやってみよう” ということになって。歌詞はあえて映画の内容とリンクしないような内容にしました。でも歌詞の一行一行を抜き出して見てみると “映画の内容と合っているのかも” と思えるように作りました。
森山:知り合いというのが映画学科の人で。その人が卒業制作で作った映画の主題歌なんです。自転車で旅するロードームービー的な内容で、人との出会いを描いたストーリーになっています
ミゾベ:映画の脚本を読ませてもらって、僕の中で自転車ではなく歩くというイメージに変換して歌詞を書きました。
森山:メロディも脚本を読んでから作ったんです。ただ、主題歌だということを意識せずodolらしさが表現できるように心掛けましたね。結果的に映画を作った人からも “楽曲のMVじゃないかと思うくらい高いシンクロ率だね” と言ってもらえました。
──レコーディングではどのようなことを心掛けましたか?
森山:僕はスタジオではなく、自宅でミックスなどの作業をしながらレコーディングをしたのですが、音色には気をつけていて、ハイの部分のキラキラした感じをピアノが全体を通してアクセントとして効くように心掛けました。ただ、それはこの曲に限らず重要視しています。ちなみにこの曲でもSynthogy「Ivory II Italian Grand」を使っています。
ミゾベ:歌はアーティキュレーションというかアタックの部分を強調して、はっきりと言葉が聴こえるようにしました。他の曲と比べて違う質感になったと思います。その中で苦労したのはキーが高かったことですかね。マイクはノイマン「U87Ai」を使いました。というのも、この曲ではギターが “ガーッ” って鳴っているので、声が埋もれてしまわないようにするためです。
森山:結果、綺麗に高いところが強調されて出るようになりました。基本的に、どのマイクを使うのかはエンジニアと相談しながら曲ごとに決めていきます。
──他にレコーディングで印象に残った楽曲はありましたか?
森山:歌だけで挙げると「逃げてしまおう」ですね。他の曲で100テイク以上録ったりしたのですが、この曲は10数テイク録った時点で良いものが録れたので。全体として苦労したのは「夜を抜ければ」です。この曲は構成が複雑で楽器も多くて、シンセが入っていたり、ギターやボーカルも重ねてあって。短い秒数で録ったものを後からくっ付けていくという作業をしたので、かなりの時間と集中力を使いました。
ミゾベ:「夜を抜ければ」は歌詞も苦労しました。僕はいつも他のメンバーに急かされて書いているのですが、この曲は特に思い浮かばなくて、歌録りの2日前の時点で8割程度の完成度で。ただ、納得がいかなくて、そこから一度全部無しにして新たに書き直したんです。その時は学校から帰る電車の中で、40分程度で仕上げることができました。もちろん消した歌詞を発展させたから短時間で出来上がったんですが。
──ところで、本作の曲順はどのように決められたのでしょうか?
森山:まず、1曲目と最後の曲は決まっていました。その上で他の順番はおのおので考えようということになって、投票制のようなものを採用したんです。そうしたら何人かがまったく同じ内容を持ってきて、それ以外の人もほぼ同じような曲順という結果で。飽きないようにということは重点を置きましたが、この作品の中でストーリーを作ろうということは考えませんでした。
──では最後に、TuneGateの読者に向けてメッセージをお願いします。
森山:この記事を最後まで読んでくれたということは、少しでもodolに興味を持ってくれた方だと思うので “ありがとうございます” とお伝えしたいです。そして、今回のアルバムは僕達が本当に頑張って作り上げた自信作です。CDを手にとって何度も繰り返し聴いてもらえたら、幸いです。
ミゾベ:「years」「退屈」「夜を抜ければ」の3曲は、YouTubeにミュージックビデオが公開されているので、まずはそれを見て欲しいですね。それで少しでも興味を持ってくれる人がいたらCDを買ってみてください。『YEARS』は全曲リード曲にしたかったくらいの出来なので、すべて聴いてもらえればうれしいです。
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