冬真（ギター）

── 一方のKØUさんはいかがでしたか？

KØU：実はその当時、僕のバンドも解散が決まっていて新しいメンバーを探そうと思って関係者の方とも話していて。その日のライヴは猟平達が見に来ることを知っていて、気負いなく、ありのままの自分を見せようと挑んでいたんです。それでダメなら仕方ないと。そうしたらライヴ後に加入が即決まるという。本当一瞬でした（笑）。

──なるほど。それでKØUさんの加入が決まって、次が庵さんが加入されたと。

庵：そうです、俺と冬真が以前から知り合いで。もちろん冬真から声を掛けてもらっていたんですが、ライヴハウスの方々からもメンバーを探していることは聞いていて。それで俺のバンドもちょうど解散が決まっていたので、「じゃあとりあえず会ってみよう」と。

猟平：それで解散ライヴがあるというので見に行ったんです。

──メンバー候補の初めて見るライヴが解散ライヴとは珍しいですね。

猟平：斬新ですよね。ただ見に行ったんですけど、会場に到着したらライヴが終わっていて（笑）。

一同：（笑）。

──どういうことですか？

猟平：曲数の問題で演奏時間がとても短かったんです。

庵：そうそう。それでダラダラやっても仕方ないので解散ライヴを一瞬で終わらせました（笑）。

──その後、猟平さん達とは会われたのですか？

庵：あれはライヴ終わって搬出している時だっけ？

猟平：うん。

庵：その日は冬真がいなくて、猟平と当時加入が決まっていた別のドラムが来ていました。

猟平：で、庵がそのドラムと仲が良くて「ウイッスー！」みたいなノリで挨拶してきたんですけど。俺はそういうのが苦手で。

庵：（笑）。

猟平：早くも壁を作りました（笑）。

庵：俺は何も考えず「あ、知らない人がいる」くらいにしか思っていなくて。それでその場は終わったんです。後日、猟平、冬真、前のドラムの4人で集まって話をしました。

──その時、猟平さんが感じた印象は？

猟平：別に普通だなと。全然調子に乗っていなかったし。

──初対面の時とはガラッと変わりましたね。

庵：俺、礼儀は意外とちゃんとしているんですよ（笑）。

猟平：それと色々と映像見たりして、プレイもルックス、そして性格に関してもスゴく良いものを感じたんです。ただ、「これだ！」という決定打がなくて。

──では加入の決め手は？

猟平：庵君から来たLINEだったんです。内容がメチャメチャ情熱的で、「俺はこういうのを待っていたんだ！」と感激しました。

庵：実は、その数日前に猟平達とスタジオに入ってデモ曲の演奏を合わせたんです。口で表現するのは難しいのですが、それが自分の中でスゴく手応えがあって。その思いを猟平に伝えるべく、夜な夜なベッドで色々考えながら打っていたらスゲー長文になったんです（笑）。

猟平：僕は心を打たれて「バンドはこれから色々大変なこともあるけど、一緒にやろう！」って伝えました。この時がちょうど2014年の夏でした。ドラムも決まっていたので、2015年の1月に始動しましょうと。

──いよいよですね。

猟平：それからイベンターの方にも「来年1月から始動します」と伝えて会場を押さえてもらって。衣装も作り始めて、アー写を撮るカメラマンも手配して、レコーディング日も決まって着々と始動への準備が進んで行ったんです。そうしたらアー写を撮る１週間前にドラムが「辞めたい」と。

──驚きと同時に、正直昨今のヴィジュアル系シーンにありがちな展開だと思いました。

猟平：そうなんです。1か月ぐらい説得もしたんですがダメで。その影響で当時僕は人生で一番病んでいましたね。

庵：みんなのモチベーションがガタ落ちでした（笑）。

猟平：それが9月だったので始動まであと4か月の時期で。もう周りの色々な人達に相談しながら新たなドラマーを探しました。

──樹さんがサポートとして加入されるのですね。

猟平：先ほども話に出たライヴハウスのスタッフさんに「CLØWDに合うドラムおるで」って紹介してもらって。

樹：正直「誰？」って思ったでしょ？（笑）。俺は正式にバンドに所属したことなかったから。

──CLØWDに加入する前も違うバンドでサポートドラムをされていたそうですね。

樹：そうですね。そこでバンドを正式に組もうかという話になったのですが、結果的に方向性が違うということで断ったんです。それからは橋本さんが色々な人を紹介してくれていて。その一つがCLØWDでした。

猟平：樹はドラムの演奏動画をアップしていて、見る限り「とんでもない奴だな」と。それで一緒にスタジオに入ってみようということになったんです。その時に正式に加入してもらうのか？といったところまで色々と話もして。ただ「1〜2か月様子を見ないとわからない」と言われて、「そりゃそうだな」と。入っていきなり「辞めます」というのも違うし、お互いのためにもならないなとうことで最初はサポートメンバーという形でバンドに加わってもらいました。

──今年の2月に正式加入されましたね。

猟平：始動から1年以上一緒にやって、今の事務所にお世話になると決まったので「じゃあ正式に入ってもらおう」という運びになりました。

庵：ずっと一緒にいたのであまり変わらないですけど。

樹：サポートだけどバンド始動からいるからね。しかも前のドラムの衣装がたまたまぴったりで着たんですよ。多分 “日本一ややこしいサポートメンバー” だったと思います（笑）。

──確かにサポートの方ってメンバーと同じ衣装は着ないですよね。

庵：サポートメンバーってライヴ終わったら大体「お疲れ！」って帰るんですけど、打ち合わせに混じっていました。あとMVにもバッチリ映ってたし（笑）。

猟平：実際、正式加入はタイミングを見計らっていて、なかなか良いタイミングが見つからなかっただけで、樹の加入は決まっていたようなものでしたから。