次世代を担う若き新バンドが1stアルバムをリリース!
CLØWD『TENDERLOIN』インタビュー
CLØWD『TENDERLOIN』インタビュー
2016/09/04
今回のアルバムはシングル「RUDENESS RESORT」と繋がっているんです。
KØU(ヴォーカル)
──それでは今作のコンセプトついて教えて下さい。
猟平:僕の中で考えていた構想がありまして。4月に「RUDENESS RESORT」というシングルを出したんですが、それが今回のアルバム『TENDERLOIN』に繋がっていまして。その構想を考え始めたのは去年の12月ぐらいで、「次のワンマンライヴとシングルのコンセプトはどうしようかな?」っていう時で。ライヴを “楽園” に例えて、僕らがそれに向かって提示をしようと。そして、その「RUDENESS RESORT」の裏テーマに “脱獄” ということを設けていて、アルバムへの伏線になっているんです。
──なるほど。では “TENDERLOIN” にはどういった意味が込められてるのですか?
猟平:『TENDERLOIN』というのはお肉のことではなくて(笑)。アメリカのカリフォルニアに同名の地区があって、スゴく治安が良くない場所なんですね。先ほどもお話しした裏テーマである “脱獄” 、つまり僕らが脱獄した先にたどり着いた場所が “TENDERLOIN” だったということなんです。「RUDENESS RESORT」の歌詞は、表向きだと「ライヴ(楽園)へ向けて走っていこうぜ」みたいな内容になっているんですが、というよりも「実はそんなに甘くない。逃げ出したところでその先でも人生は厳しい」というのを描いていて。それで「Tomorrowland」という表題に関しても、ディズニーの同名タイトル映画からきているんですけど、その作品というのが天才の科学者が描いた何でも叶ってしまう未来というのを描いていて。それに対してのアンチテーゼというか、「そんな世界はたして楽しいの? そんな未来を求めているの?」と。「そんなことじゃなくて辛さがあるからこそ、人生って楽しいんじゃないの?」って投げかけているんです。
──それはすべて猟平さんが考えられたのですか?
猟平:そうですね。そこからさらにメンバーで広げていくというかたちでした。
──とても哲学的というか、深い構想が練られているのですね。
猟平:家に一人でいると、精神論や人生観などを考えることが多いんです。決してそういったことを書こうとしているんじゃないんですが。
──その「Tomorrowland」は猟平さんによる楽曲ですが、どのように作られたのですか?
猟平:もとはメロから作っていて、ピアノフレーズから作りました。普段はサビから開かせることが多いんですけど、今回はオケのイントロから作り始めました。この曲のテーマは「R&B」なんですが、R&Bって難しいので “っぽさ” から始めようと。僕らの中で描いているのが、ライヴ感で「ヘドバンだけがライヴじゃないんだよ」っていう部分で。それにR&Bでしか感じ取ることができないライン感とか、そういった部分を表現できればなと思って作ったんですけど、結局スゲー難しくなっちゃって(笑)。最初に歌録りもして、曲オケも出来ていたんですけど、サビがハマらなくて。そこからサビと曲構成を作り直して、もちろんコード進行なんかも。その時に一番お世話になったのが「楽器.me」で(笑)。
──ありがとうございます!
猟平:本当に一番重宝していました。この楽曲でも部分転調をしていたりするんですけど、そういったこともコードなんかを見てアイディアを探していました。でも本当に作り直したのは一番キツかったかもしれないです。MV撮影も間近に迫っていたりしたので。スタッフとも「サビは開かせたいよね」という話し合いを何度もして試行錯誤を繰り返しました。
KØU:なおかつ、他の楽曲も同時進行でやっていて、どこから手を付けて良いのかわからなくなるぐらいメンバーも苦労していました。でも一曲一曲に対しての熱をちゃんと持っていたので、投げやりにすることなく一人一人が楽曲に対して向き合えたと思います。結果として、とても良い作品に仕上がりました。
庵:前のバージョンと比べたらキャッチーさが全然違うもんね。猟平が言っていたサビの開け方が「これじゃん!」って。ぴったりなんですよ。
猟平:当初はMaroon 5をイメージしていたんですけど、でもそれだと…
庵:CLØWDじゃないよね。Maroon 5はMaroon 5で、僕らは僕ら。
猟平:そうそう、僕らっぽくなかったので。
──それぞれの担当パートで心掛けたことや苦労した点は?
冬真:楽曲の構成が変わる前はエレキギターで進めていたんです。エレキ主体でイントロから最後まで弾いていたんですけど、変わったことでAメロからBメロまでアコギを入れることになって。そこからアレンジフレーズをスゴく考えて、アコギの勉強を始めたんです。
──それまではあまり弾くことはなかったのですか?
冬真:ある程度は弾けるんですけど、ちゃんとテクニックがないと楽曲に合わないと思って。その上で一番注意したのは、アコギをリズム楽器にしたいということでした。つまり音程よりもリズムを大事にして、ストロークに対してどれだけの工夫ができるかという。例えばイントロは跳ねているですけど、あそこは裏ピックを入れて。パッと聴いた時に「チャカチャカ鳴っているな」って思う程度なんですけど。あとサビは開けているんですけど、アコギだけは疾走感を出すためにずっと同じストロークを引き続けて、なおかつ色付けもしたり。気持ちを入れるのはやはりエレキだと思ったし、こっちの方が得意なので。
──レコーディング中にアコギを勉強するってチャレンジでしたね。
冬真:「RUDENESS RESORT」でもアコギのスラップが入っているんですけど、今までギターでスラップってやったことがなくて。その時も一から勉強していたので、このバンドでは色々と勉強させられています(笑)。
──庵さんは?
庵:この楽曲に関しては今までのCLØWDにない感じの曲調ですし、自分自身こういったR&Bはあまり聴いてこなかったんです。また、プレイもR&Bのニュアンスよりも勢いで「ガーッ!」とやるスタイルでやってきたので、やはりニュアンスの部分は難しかったです。今でもその部分を表現できるようちゃんと練習していて。やっぱりギターをリズム楽器にして、他のシンセだったりベースの部分で遊ぶという感じなので。がっちりリズムにハメるんだけど、ラフさ、脱力感を出すというところが難しいかな。
──それをライヴで披露するというのは大変でしょうね。
庵:そうなんですよ。だからライヴでは、ちゃんと動かず通常の立ち位置で雰囲気を上手く出しながら弾きたいと思います。
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