エンジニア原 朋信氏が徹底チェック
【低価格で高音質なアコギ向きのコンデンサーマイク5本を試聴】オーディオテクニカAT4040
【低価格で高音質なアコギ向きのコンデンサーマイク5本を試聴】オーディオテクニカAT4040
2017/09/15
鳴っている音がそのまま録れるフラットなサウンドキャラクター
オーディオテクニカ
AT4040
オープンプライス(¥29,800前後)
問:㈱オーディオテクニカ
TEL:03-6801-2080
https://www.audio-technica.co.jp/mi/
ブラックフィニッシュが印象的で、メーカーの堅実さを感じる外観ですね。サウンドのキャラクターはフラットで、鳴っている音をそのまま録れるストイックなマイクです。どの帯域においても色付けがなくて、すべてのバランスがいい。実際、本当にすっぴんな状態の素直なアコギの音が録れました。エアー感も含めて情報量も豊富で、その抜かりのなさが“Made In JAPAN!”っていう印象です。
音に脚色がない分、プレイヤー的には弾いていて物足りなさを感じるかもしれないですけど、エンジニア的な視点で言うと、このマイクで録ったトラックを、普段使っているEQでいつも通りに処理すれば、いつも通りの音が作れるという安心感があります。オールマイティに使えて扱いやすいので、初めてのコンデンサーマイクとしても最適ですね。宅録で歌やギターを録る場合も、これ1本あれば手間をかけずにサクサク録れると思います。
【製品概要】
「AT4040」は、低域の歪みをなくすトランスレス回路を採用することで、素早い音の立ち上がりを実現したコンデンサーマイクだ。1インチの大口径ダイアフラムを搭載しており、スムーズでナチュラルな音響特性を発揮するように設計されている。最適な感度を常に保つべく採用されている、精密加工された真鍮性のバッフルもポイントだ。
【SPEC】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:145dB
●感度:−32dB(25.1mV、0dB=1V/Pa, 1kHz) ●周波数特性:20Hz〜20kHz
●出力インピーダンス:100Ω ●外形寸法:長さ=170mm/直径=53.4mm ●重量:360g
原 朋信氏
馬場一人氏
【試聴環境】
今回の試聴は、各モデルをAMATERAS 1011(マイクプリ)につなぎ、RME MultiFace(オーディオインターフェイス)経由でスタインバーグCUBASE PRO 9に録音しました。マイクは、アコギから30cmほど離して12フレットのあたりにセットし、そこからサウンドホールを狙うことでプレイヤーが聴いている音に近いサウンドを収録しています。ギターはマーティンD-41を使用。試聴に協力してもらったギタリストの馬場一人さんには、アコギの奏法による音の違いが判別しやすいように、アルペジオやコードストロークなど、様々な弾き方をしてもらいました。ちなみに、モニタリングにはAMATERAS 9012M(スピーカー)とゼンハイザーHD25 MK2(ヘッドホン)を使っています。
【プロフィール】
原 朋信(ハラ トモノブ)
1人宅録ユニット「シュガーフィールズ」でデビュー。その後レコーディングの腕を磨き、レコーディング/マスタリングエンジニアとして活躍する。現在は、自身のスタジオ「カフェオレーベル・スタジオ」を設立。これまでに、くるりやスネオヘアーなどのレコーディングを手掛けている。
馬場一人(ババ カズト)
14歳でクラシックギターを始める。中学〜高校時代にバンド活動を続け、卒業後は音楽学校に進学。在校時からプロとして仕事を始める。 卒業後はギタリスト、作・編曲家、バンド活動と並行して、音楽専門学校の講師を10年以上務めた経験もある。現在はアニメ「ZOIDS」の主題歌などでおなじみの癒し系ロックバンド“RAMAR”のギタリストとしても活動中。
【その他に試聴したモデル】
・アストンマイクロフォンAston Spirit
・ルイットLCT 240 PRO
・sEエレクトロニクスX1S
・シュアPGA27
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