エンジニア原 朋信氏が徹底チェック

【低価格で高音質なアコギ向きのコンデンサーマイク5本を試聴】アストンマイクロフォンAston Spirit

【低価格で高音質なアコギ向きのコンデンサーマイク5本を試聴】アストンマイクロフォンAston Spirit

2017/09/15


中低域がしっかりしていて、厚みや安定感のある音が特徴

アストンマイクロフォン
Aston Spirit

オープンプライス(¥50,000前後)
問:ローランド㈱お客様相談センター 
TEL:050-3101-2555
http://roland.cm/astonmics
 

/

 

デザインが素晴らしくて、モチベーションが上がるというか、このマイクの前だと「ちゃんとしなきゃ」と思います(笑)。馬場さんも言っていましたが、演奏をしていてすごく楽しくなる音なんですよ。なので、アコギを弾くと自然とダイナミックな演奏になったり、歌も情感たっぷりに歌えるんです。個人的にはビンテージのテイストも感じるサウンドで、中低域がしっかりしていて、音に厚みや安定感がありますね。イギリス製なんですけど、まさに“ブリティッシュ”って感じがしました。
このマイク特有の個性はありますけど、録音した音の情報量はすごく豊かですし、実際、弦鳴りや胴鳴りもしっかり拾ってくれました。魂を込めたい主役のトラックに使うと、すごくいい演奏が録れると思います。それと、すでに別のマイクを持っている人が、もう1本追加したい時の選択肢としても最適ですね。このマイク、私も欲しいです!

【製品概要】
「Aston Spirit」は、独特なデザインの筐体が目を引く、3種類の指向性(単一指向/無指向/双指向)が切り替え可能なコンデンサーマイクだ。トランス構造の採用により、美しく滑らかな高域を実現。また、本体をマイクスタンドに直接取り付けられるようになっており、マイク自体が衝撃を吸収するので、ショックマウントなしでセッティングできる。

【SPEC】
●指向性:無指向性/単一指向性/双指向性 ●最大入力SPL:138dB(THD0.5%)
●感度:ー32.5dB(0dB=1V/Pa 1kHz) ●周波数特性:20Hz〜20kHz(±3dB)
●出力インピーダンス:200Ω ●外形寸法:長さ=175mm/直径=54mm ●重量:625g 
 


原 朋信氏

馬場一人氏

【試聴環境】
今回の試聴は、各モデルをAMATERAS 1011(マイクプリ)につなぎ、RME MultiFace(オーディオインターフェイス)経由でスタインバーグCUBASE PRO 9に録音しました。マイクは、アコギから30cmほど離して12フレットのあたりにセットし、そこからサウンドホールを狙うことでプレイヤーが聴いている音に近いサウンドを収録しています。ギターはマーティンD-41を使用。試聴に協力してもらったギタリストの馬場一人さんには、アコギの奏法による音の違いが判別しやすいように、アルペジオやコードストロークなど、様々な弾き方をしてもらいました。ちなみに、モニタリングにはAMATERAS 9012M(スピーカー)とゼンハイザーHD25 MK2(ヘッドホン)を使っています。

【プロフィール】
原 朋信(ハラ トモノブ)
1人宅録ユニット「シュガーフィールズ」でデビュー。その後レコーディングの腕を磨き、レコーディング/マスタリングエンジニアとして活躍する。現在は、自身のスタジオ「カフェオレーベル・スタジオ」を設立。これまでに、くるりやスネオヘアーなどのレコーディングを手掛けている。

馬場一人(ババ カズト)
14歳でクラシックギターを始める。中学〜高校時代にバンド活動を続け、卒業後は音楽学校に進学。在校時からプロとして仕事を始める。 卒業後はギタリスト、作・編曲家、バンド活動と並行して、音楽専門学校の講師を10年以上務めた経験もある。現在はアニメ「ZOIDS」の主題歌などでおなじみの癒し系ロックバンド“RAMAR”のギタリストとしても活動中。
 


この記事の画像一覧

(全3枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

PAGE TOP