音楽ユニットGRANRODEOのサポートメンバーとしてもおなじみのベーシスト、瀧田イサム。そんな彼がロックベース専門レーベル「PSYCHO DAZE BASS」からアルバム『RISING MOON』を12月23日にリリースする。本作は、デビュー20週年にして自身初となるソロアルバムで、収録曲はすべて本人による書き下ろし。さらに、ベーシストのMASAKIやIKUO、GRANRODEOのKISHOWとe-ZUKAといった豪華メンバーたちがレコーディングに参加しており、注目を集めている。ここでは、アルバム制作の経緯やゲストとの関係性、自身のルーツについて語ってもらった。また、4ページ目には、使用機材や奏法解説の動画を掲載。ファンはもちろん、多弦ベースを使っている若手プレイヤーたち必見のインタビューだ！

──まずはじめに、デビュー20周年にして初めてソロアルバムをリリースすることになった経緯について教えて下さい。

瀧田：僕の“夢”だったんです。徐々にプレイヤーとしてキャリアを重ねていくと「プロになりたいな」って思って、そうすると、さらに色々と夢ができるじゃないですか？

──「色々」と、言いますと？

瀧田：例えば「いつか、武道館や東京ドームでライブをやりたい！」 みたいなことです。その中の一つとして、「いつか自分のアルバムを出したい」という考えがずっと頭の中にあったんです。でも、バンド活動や仕事をこなす日々で忙しく、なかなか曲を作ってアルバムを出すということができませんでした。

──それがどういったきっかけでリリースする運びになったのでしょうか？

瀧田：2年前、MASAKIさんが「PSYCHO DAZE BASS」レーベルからリリースした第一弾アルバム『PSYCHO DAZE BASS』に、ゲストミュージシャンとして参加させてもらったんです。そこからツアーも一緒に回ったりして交流ができたんですね。そうしたらMASAKIさんから「第三弾を瀧田さんにやってほしい」と直接オファーをいただきました。言われた時は「マジか！」って思いました（笑）。

──そのオファーがあったのは、いつごろのお話ですか？

瀧田：今年の始めですね。僕が「いつぐらいに出すんですか？」って聞いたら「いやまぁ年内に…」って言われまして（笑）。

──急なお話だったのですね。

瀧田：「できるのかな？」っていうのが正直な気持ちでした。でも「頑張ります！」ってお返事をして。

──そこからどのような作品にしようと考えられたのですか？

瀧田：ボーカルやギター、あるいは管楽器がいて、というかたちではなく、僕自身がベースでメロディを弾いてリードしていく作品にしようと。僕は6弦ベースを弾いているんですが、6弦あるとメロディを奏でる楽器として音域的にも十分使えるので、リード楽器を強調して制作に臨みました。僕の今までやってきた“ベース人生”というものを凝縮させた作品になっていると思います。

──どのジャンルを軸にしようと考えられたのですか？

瀧田：ネオクラシカルメタルですね。ベースでツインリードをやって、マイケルシェンカーみたいなことがやりたかったんです（笑）。特に「DOCTOR DOCTOR」の“クィーン”というのがやりたくて、1曲目の「RISING MOON」を作りました。ここまでネオクラシカルなベース・ソロアルバムは世界中を探してもないと思いますね。