感覚的にコード進行を作るためのポイントを紹介

初心者必見! コード進行の作り方「第17回 中田ヤスタカ風のコード進行作成術」

初心者必見! コード進行の作り方「第17回 中田ヤスタカ風のコード進行作成術」

2016/01/31


コード進行を作っていくためのポイントをご紹介する連載企画「コード進行の作り方」の第17回。今回は人気作曲家中田ヤスタカのヒット曲を取り上げて、彼の“コード進行のクセ”を分析し、“中田ヤスタカ風”のコード進行の作成例をご紹介します。

文:内藤 朗
 

“中田ヤスタカ風”コード進行の特徴

同じメロディを繰り返しながらコード進行を変化させる

EDMをJ-POP的に再構築した曲調を得意としている中田ヤスタカの作品では、同じメロディを繰り返しつつ、異なるコード付けを行なって雰囲気を変えるという手法がよく用いられています。また、要所要所で分数コードやsus4コードなどを使用することで新鮮な響きに聴かせつつ、単調になりがちな構成にメリハリを出しているところも彼の楽曲の特徴と言えるでしょう。
 

きゃりーぱみゅぱみゅ「もったいないとらんど」のコード進行(サビ)

度数(キー:Eメジャー)

|A△7| |E| |E/G♯| |C♯m7|

|A△7| |E| |B7sus4| |C♯m7|


4→1→1(3)→6→4→1→5→6

 

この曲のサビのコード進行には、中田ヤスタカの作風が顕著に表われています。まず、3小節目の「E/G#」は、曲のキーがEメジャーなので本来ならば「G#m7」が適当なのですが、メロディとの相性を考えて「E/G#」に変えていると推測できます。このコードを使うことで、メロディを活かしつつコード進行自体にも新鮮さが生まれ、曲を一層個性的なものにしています。さらに、前半の4小節と後半の4小節では同じメロディが繰り返されますが、前半で「E/G#」を使っていた部分に「B7sus4」という異なるコードを当てることで変化を加えています。

 

中田ヤスタカ風コード進行の作成例

■元となるコード進行

度数(キー:Cメジャー)

|F△7| |Em7| |G7| |Am7|

4→3→5→6
 

/
 

■中田ヤスタカ風のコード進行

度数(キー:Cメジャー)

|F△7| |C/E| |G7sus4| |Am7|

4→1(3)→5→6

 

上の例は、「Em7」を分数コードの「C/E」に、「G7」を「G7sus4」に置き換えているのがポイントです。このようなコードの置き換えを行なう場合、やり過ぎてしまうと中田ヤスタカらしい“ポップさ”がなくなってしまうため、最初と最後のコードはそのままにしておくのがコツです。

※このページで紹介しているコード進行は参考曲をもとに解説用に作成したものです

 

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