いよいよ来月ジャパン・ツアーが開始

カルロス・サンタナにロング・インタビューを敢行!

カルロス・サンタナにロング・インタビューを敢行!

2017/03/15

 

 


——日本に来る前のオーストラリアではドゥービー・ブラザーズとのジョイント・ツアーですね。彼らとは普段から交流はありますか?

サンタナ:ああ、彼らはサンタ・クルーズ出身で、活動を始めたのも同時期だ。70年代〜90年代にかけて何度も一緒にツアーしたよ。 ステージで一緒に何曲か共演できればいいなと思っているよ。とても楽しみにしているよ。2バンドの間には良いエネルギーがある。 彼らとなにかをやれるなら僕は喜んでやるよ。お互いを補う合うことが大事なんだ、競り合うのでも、比べ合うのでもなく。

——新曲やニュー・アルバムのリリースなどは考えていますか?また、音楽活動以外で新たにチャレンジしてみたいことはありますか?

サンタナ:あるよ。聞いてくれてありがとう。近く『Super Natural Power of Peace』(?)という新しいCDが出るよ。大好きな男性シンガー、ロニー・アイズリーをフィーチャーしている。彼には「Twitst & Shout」など数え切れないヒット曲がある。 もう一つ、ドロレス・ウエルタをモデルにした映画を、彼女と共同製作した。彼女は僕らの時代のパンチョ・ビリャ、(エミリアーノ・)サパタ、ブラック・パンサーともいうべき革命家。体制に対する革命の全てを具現化し、本当の強さを持つ女性だ。彼女が信じるのは平等、公正、正義の3つだけ。 そんな彼女の生涯を映画にしたんだ。これを見て、世界中の女性に彼女のことを知ってほしいと思う。

女性版ブルース・リーのように、彼女は身を張って、女性がステージ中央に立つことを実践した。世界中の女性は皆、平等であるべきだ。誰が誰の後ろでも、下でも、上でもなく、全員が平等なのだ。キッチンでも、ベッドの中でも、オフィスでも、どこでも平等でなければならないのに、現状はそうではない。特にアフリカ、南米などでは。日本の事はわからないが、まだ世界の多くの国で女性の立場は低いと見なされている。 なので多くの人にこのドロレス・ウエルタの映画を見てもらいたい。彼女はきっと思わせてくれるだろう。すべての姉妹たち、母親たち、妻たち、そして娘たちに、力を手にしろ、そして世界を変えろということを。きっと励まされるはずだよ。

僕も世界を少しでも良い場所にするために一役買えることが、僕のエネルギーになっている。診療所、学校、食料援助のためのフードバンクの設立や、口脣裂の治療など。アフリカ、南米、インド、いや世界中でだ。 女性たち、子どもたちが素晴らしい人生を送れること。その方がギターを弾くことより大切なんだ、僕にとって。そのためにギターを弾いているようなもんだよ。60年代に僕らはワン・ラブ、「愛こそが全て」ということをビートルズやヒッピーたちから学んだ。 未だにそれは真実だ。今の時代においてもね。愛が恐怖よりも大事だということを言い続けていきたいよ。

——今回は約4年振りの来日になりますが、日本に行って楽しみにしていることは何ですか?また、日本に来て必ずやることがあれば教えてください。

サンタナ:聞いてくれてありがとう。日本に行くたび、僕が楽しみにしているのはお寺を訪ね、静寂の中、たとえば庭園の中にある愛や美しさやリスペクトに立ち会う時間だ。日本では木を切断する代わりに、木の手入れをする。庭だけでなく日本では全てのものに、僕らアメリカ人が多いに学べる教訓があると思う。相手に対する尊敬の念、敬意、秩序・・・しかも実にエレガントに。73年に初めて日本に行ったとき、女性たちは着物を着ていた。今ほどアメリカナイズされていなかった。だから日本に行くと日本らしさが残っている小さな町を訪れるんだ。神戸のあたりとか。 お寺や庭園からは日本らしさが伝わってくる。 相手を敬うこと、その美しくエレガントなパワーを日本では特に強く感じるんだ。

——今回のジャパン・ツアーの見どころを教えてください。

サンタナ:歓喜が爆発するところじゃないかな。サンタナはどこにでもいる典型的なアメリカのバンドじゃない。 僕らのライヴはアメリカの旗を振り回すようなものではない。僕らが届けるのは宇宙の音の集合。音楽の中で全員が一緒になり、クライマックスに到達する。 まず僕の妻がドラムで演奏を始める。彼女がトップバッターだ。そこで彼女がペースメーカーのように、走るテンポを決めるんだ。そしてその後、僕らが続いていく。これまでなんども日本を訪れたことはあるが、ここまで断言できるのはこれが初めてだ。

今回のバンドほどパワフルでエネルギッシュで、輝きとパッションがあるバンドは今まで一度もない。 匹敵する次点だと思えるのはアルマンダ・ペラーサがいた73年のバンドくらいだよ。しかし今回のバンドにはその時のまた違うダイナミックがある。 カメラに面と向かって、喜んで、しかし大まじめに言うよ。もし、このバンドのライヴを見て聞いてくれたら、鳥肌が立って、涙が流れて、体が動くことになるだろう。 きっと今年見た中で最も重要なコンサートになるはずだよ。だから、祖父母、両親、男きょうだい、女きょうだい、子供、孫・・・みんな連れておいで。今の時代、なくなってしまった2つのもの、それはバーナム&ベイリーとリングリング・サーカスだ。あれだけの歴史を誇ってきたが、興行を辞めることが発表された。

だったら、代わりにサンタナを見においで、と言いたね。僕らにはライオンも虎もチーターもいる。なんでもある。僕らバンドの演奏を聴けば、そこにはアフリカがある。僕ら自身大好きなものを全部届けるよ。なので心の底から言いたい。僕らのライヴにおいで。そしてショック、エネルギーの爆発を感じてくれ。きっと家に帰った後は、前以上に夢を追い続けられるだろう。僕らのライヴを見れば「自分のやりたいことをやれ!何にも止めることはできない!」と思うはずだ。ミュージシャンとして、聴く人たちが「不可能に思えるかもしれないけど、きっとできる」と信じられる所まで、心を高めることが大切なことなんだよ。

——来日を待っている日本のファンへメッセージをお願いします。

サンタナ:ハロー、カルロスだよ。ぜひ僕らのコンサートに皆さん、いらしてください。きっと今年、皆さんが見たコンサートの中でも1、2を争うベスト・コンサートになるはずです。エネルギーとパワーと喜び、という意味で。まさにタイトル通り「スーパーナチュラル」(超自然的な)体験をしてください。僕らが体現するのは、この地球という惑星のサウンドや知覚の集合であって、それはとてもポジティヴなものなんだ。

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