ファン投票により選ばれた楽曲を再レコーディングした20周年記念ベストアルバム
千聖『Can you Rock?!』インタビュー
千聖『Can you Rock?!』インタビュー
2017/06/20
──当時、PENICILLINはインディーズで絶大な人気を獲得している中、待望のメジャーデビュー。そして、新人バンドとしては異例の武道館公演2デイズを行なうなど、まさに “イケイケ” という印象でした。ところで、アルバム、リード曲のタイトルでもある「Can You Rock?!」には、どういった意味が込められているのでしょうか?
千聖:実は最初仮タイトルが「I Can Rock」だったんです。でも「俺はRockできてるぜ?!」というのも何か違うというか(笑)。それよりも、みんなで作っているアルバムなので、「みんなRockしているか?! 20年前と変わってないか?」という問いかけをしているんです。そして退化せず、良い意味で進化して情熱を持ち続けていられたら良いなと。おっしゃる通り、当時の “イケイケ” な感じが前向きに表現できればという考えもありました。“Rockしてる” って、バンドやってるとかロックンロールをやっているとか、そういうスタイルではなく、気持ちの問題というか。昔、キース・リチャーズが「ロックしているというよりは、ロール(転がして)しているんだ」と言ってたのと近いかもしれません。何が言いたいかというと自分、そしてファンの両方に「20年前と変わらず、むしろ攻めの姿勢でやってるか?」という意味での「Can You Rock?!」だということです。
──投票で収録曲を決められたということですが、千聖さん自身が「意外だな」と思った楽曲はありましたか?
千聖:番狂わせな結果を想像していたんですが、案外みなさん記念作品だということを考えて投票してくれたみたいで。曲のリストとしては予想通りでした。ただ、順位に関しては結構意外でしたね。
──具体的にはどの部分が?
千聖:ビジネス的な話でいうと「VENUS」がシングルでは一番セールスが良かった曲なんですけど、驚いたのが「CYBER ROSE」が1位だったんです。「CYBER ROSE」は、当時セールス的には普通だったんでね。ということで、セールスはあまり比較対象にならないのかなと(笑)。「千聖と言えばこの曲なんだな」という新たな発見でしたね。ちなみに「VENUS」が2位でした。
──他には?
千聖:「This Side Of Paradise」は、1stアルバム『ORGANIC GROOVER』のみに収録されている曲なんです。普通に考えたらシングルの表題曲が上位にランクインすると思うんですけど、この曲は6位で。かなり上位だったので、みなさん好きなんだなと。非常に参考になりました。
──曲順はどのように決められたのでしょうか?
千聖:これは僕が決めました。「のっけからバラードは違うかな」というのは、念頭にありました。あとは新曲である「Can You Rock?!」をどこに置くかによってだいぶ作品自体が変わってきてしまうので、かなり重要視しました。こういったベストアルバムだと新曲を入れる場合、“別モノ” という括りにして一番最後に持って来るのが多いと思うんです。でも、これを「みんな変わらずRockしているか?!」ということを言いたかったので、1曲目にしました。
──なるほど。
千聖:まずはハードなところから攻めて行って、ちょっと落としつつまた上げて、最後はキレイに終わる、みたいな(笑)。ドラマチックな展開を自分なりに納得する形にしました。何パターンか考えたんですけど、制作チームである重盛さん、O-JIRO君、典二君、巧君全員には、グループLINEで「一応、俺の推しはこのAパターン。BとCも作ってみたんだけど、どう?」って送ったんですけど「Aパターンで良いんじゃん?」っていう声が多くて。
──制作チームにも相談もされるのですね。
千聖:そうですね、自分の意見も大事なんですが、客観的な意見が欲しい時は相談します。まぁ曲順に関しては「これで行きますよ」という最終確認でしたけどね。
──アルバムをリピート再生して聴かせていただいたのですが、個人的に「この曲順だと何周でもエンドレスで聴けるな」という印象を受けました。
千聖:うんうん。
──通常盤だと「LAST TEARS」で終わりますが、最後だけど最後じゃないというか。
千聖:僕も車の中で聴いていたんですが、リピート再生にしていて。おっしゃるように「LAST TEARS」で終わって、また「Can You Rock?!」が次に流れてもおかしくないですよね。
──それは意図していたのですか?
千聖:そこまでは(笑)。でも、この曲順が一番キレイな流れだと思って決めました。
──では「LAST TEARS」を通常盤のボーナストラックにした理由は?
千聖:この曲は、1999年リリースの2ndアルバム『CYBER SOUL PAVILION』の最後に収録されているのですが、1コーラスぐらいのちょっと変わった曲で。でも実は2番も作っていたんですが、そのまま使わないでいたんです。
──寝かせておいたと。
千聖:ただ当時、僕は歌詞をノートで書いていて、PCを持っていなかったし、ケータイもガラケーの時代だったわけです。それで「さぁ、あの曲を出そう」と思ったら、2番のデータがなくて。
──え! 大変!
千聖:なので今回も結局2番は収録されていません(笑)。その代わり1番にアレンジを加えたロングバージョンにしたものを収録しました。だから「LAST TEARS」は、まだ未完成のまま。そういう意味でボーナストラックなんです。
──ファンの方もいつか完成バージョンを聴きたいと思っているはずです。
千聖:その時は、初めてボーナストラックではなくなるでしょうね(笑)。
関連する記事
2019/04/24
2018/11/12
2018/07/03
2018/06/12
ニュース
2023/12/25
2023/12/20
2023/12/18
インタビュー
2023/03/23
2022/09/15
2022/05/26
2022/01/26
特集/レビュー
2023/04/03
レクチャー
2022/11/15
2022/11/01