ファン投票により選ばれた楽曲を再レコーディングした20周年記念ベストアルバム
千聖『Can you Rock?!』インタビュー
千聖『Can you Rock?!』インタビュー
2017/06/20
──ところで、本作は豪華アーティストが参加されていますが、経緯とエピソードについて教えてください。
千聖:まず、Ikuo君はAcid Black CherryのイベントでCrack6と彼が所属するBULL ZEICHEN 88が対バンしたことがキッカケなんです。実は、もともと彼が以前活動していたバンドEx-ItとPENICILLINは同時期に同じレコード会社でデビューしているんです。でも僕は、彼がEx-Itのメンバーだということを知らなくて。
──そうだったのですね。
千聖:彼はビリー・シーンを超えるような速弾きが出来るので、「666」を弾いてもらおうと。オリジナルも江川ほーじんさんという大ベテランの方に弾いていただいているんですけど、今回のアルバムでは彼を抜擢しました。彼も忙しい人なので「どうかな?」とは思ったんですけど二つ返事でOKしてくれました。
──岡本真夜さんがコーラスで参加されていますね。
千聖:彼女に関しては、オリジナルの方の「falling over you」でコーラスをやってもらった過去があるんです。当時、彼女は「Tomorrow」が大ヒットしていたんですが、歌ったこともないデビューするかしないかの自分の曲でバックコーラスをしてもらうという贅沢極まりないことをしてもらいまして。あの雰囲気や声って厚い壁のようになっているんです。冒頭でも説明しましたがオリジナルを超えるつもりで作ったベストアルバムなので、そのためには彼女に歌ってもらうしかないと(笑)。色々と忙しい中参加してくれました。ちなみに直接お会いしたのは20年ぶりでした。
──お聞きするまでもないと思うのですが、O-JIROさんは?
千聖:O-JIROくんはドラマーとしてだけじゃなくスタッフの1人として、PENICILLINやCrack6エンジニアやディレクターとして長年やってきているので。今回のベストのドラムに関しても速い曲は彼が叩けるし。ライブでもやってくれているので。まぁPENICILLINでもずっと一緒にやってきているので呼吸がバッチリなんですよ。先ほども言った通り、DTMに関しての知識もスゴイので。
──他にもお付き合いの長い方も参加されていますね。
千聖:典ちゃん(長野典二)はCrack 6でも一緒にやっている仲なので。Bassだけじゃなく今回もコーラスなどにも参加してもらっていて「Can you Rock?!」の叫びも彼がコーラスしています。LEVINちゃんは、最近はPENICILLINも含め彼のスタジオを借りてドラムをレコーディングしてるので。それとデッカいダイナミックな「Millennium」と「This Side Of Paradise」の2曲に関しては叩いてもらったりもして。特に「This Side Of Paradise」のトラックダウンを聴いた時は、感動で初めて音楽で涙が出ましたね。DJ BASSはソロ時代の後半から参加しているんですが、今回もスクラッチとか色々やってもらいました。それと鮎貝健くんは、MTVのVJやラジオのDJ、JAPAN COUNT DOWNの司会なんかもをやっている人なんですけど、実は高校時代の同級生で。若い時、一緒にバンドなんかもやっていたりして。今回の作品では「666」の英語のナレーションをやってもらいました。
──千聖さんより下の世代の方も参加されたそうですね?
千聖:SARSHI、塩谷瞬に関しては、僕のソロ活動を聴いていた世代なんです。だからこそ、ある意味 “ファン目線” で話ができたので。客観性もあって良かったです。大勢で叫ぶ掛け声のコーラスでもタイミングとかわかる人の方が良かったので、グループLINEで「みなさん何時集合で来てください!」って招集をかけて参加してもらいました。巧君(山田)も同様にファンでいてくれて。「Can you Rock?!」の打ち込みとアレンジをやってもらったんですけど、自分達にはない攻撃的で、若い感覚があるのでスゴくカッコ良く仕上げてもらいました。あと彼に関しては自分とハモるコーラスもやってもらいました。
──Jackieさんとはどんな方なのですか?
千聖:Jackieさんは、僕のデビューシングルである「DANCE WITH THE WILD THINGS」のコーラスをやっていただいた方で。彼女が携わると派手になりパンチが出るので本当よく参加してもらいました。ソロとPENICILLINと大きく違うところが女性コーラスの存在なんですよね。他にもホーンセクションや、デジロックがバンバン入ってたりするのも特徴的でしたが。彼女は重盛さんと同じでライブのメンバーでもありましたね。パンチのある声だったり、R&Bなどのソウルな味のある声、かと思えば女性らしいキレイな声など自由自在だったんです。長渕剛さんや角松敏生さんの作品にも参加するなどベテラン中のベテランだったんですが、「千聖の作品は面白いから、ぜひやらせて欲しい」と言ってくださって。ただ、3年前にガンで亡くなってしまったんです。それで彼女の代役となる人は探したんですがなかなかいなくて。でも実はそれよりも前に「もしかしたらいつかベストとか出すかもしれないから、メイン曲だけでもJackieさん歌ってもらおう」ってお願いして録っていた音源が残っていて。それで再現させてもらいました。Jackieさんの旦那さんにも喜んでもらえると思います。それと、Rickyさんは、Jackieさんのコーラス部分でもっとパンチを出したい時に後押ししてもらうために、贅沢にもコーラスとしてお呼びしました。さらに、脇田彩加さんはRickyさんが補充できない「CYBER ROSE」など女性っぽいコーラスで参加してもらいました。
──ピアニストの鈴木孝彦さんは?
千聖:鈴木さんは最近PENICILLINのサポートとしてピアノを弾いていただいている方で、メチャメチャかっこいいピアニストです。もともとはクラシック出身なんですが、ジャズでも何でもできちゃう。「LOVE」や「Shadow」も彼が弾いているんですが、キャラクターも良くて。普通はデータでやり取りをするもんなんですが、「電話越しに弾くんでジャッジしてください」って。本当に弾き始めたんです(笑)。結局、アナログの方が楽みたいなんです。で、玉木 勝さんは鈴木さんが別件で一緒にやっていたベーシストで、僕が「Shadow」でアップライトを弾ける人を探していて「誰かウッドベース弾ける人いないか?」って紹介してもらいました。この方はディズニーの「Big Band Beat」でもベースを弾いているんですよ。
──Rookie Fiddlerという方の名前もありますね。
千聖:Rookieくんは「Last Tears」でバイオリンを弾いてもらっています。以前、「A」(エース)というバンドでバイオリンを弾いてので知り合って、よくPENICILLINのライブでも参加してもらってるんですよ。あと、彼はクリエイターとしての顔も持っていて、僕の作品を気に入ってくれました。
──アイドルグループの仮面女子も参加されてますね!
千聖:仮面女子の3人(神谷えりな、立花あんな、月野もあ)には、「VENUS」にある “キレイダカラ ワタシノコト スキナノ …?” ってセリフを3人バラバラでレコーディングして、最終的に合成させてもらいました。キレイな女性たちに参加してもらったんですけど、皆さん20年前は3〜5歳とかだったわけで。やっぱり20年の時が流れてるんだなぁと感慨深いです(笑)。
──それでは改めて今作の聴きどころ、そしてリリースツアーに向けて意気込みを聞かせてください。
千聖:うーん…オリジナルと聴き比べて欲しいですね! 「全然違う」とか「一緒な感じがする」とかそれぞれで印象が違うと思うので。普通に聴いても気付けなかった何かを発見できるかもしれません。それぞれ楽しんでください。ツアーに関しては、初日24日は千聖の楽曲を中心とした公演なのですが、今回の投票から漏れた曲も披露する予定です。一方の翌日はCrack6のリクエストライブにもなっていて、千聖の曲とCrack6が混ざったようなセットリストにしようかなと。また、千聖名義の楽曲を中心にやるというのはしばらくないと思うので、ぜひ見に来てください。
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