OOPARTZの2人がライブリハで使用
UAD-2に新登場したライブ用の「Auto-Tune」をかけて歌ってみた!
UAD-2に新登場したライブ用の「Auto-Tune」をかけて歌ってみた!
2017/07/22
ユニバーサル・オーディオのDSPプラグイン「UAD-2」がVer.9.2にバージョンアップし、新たなプラグインとして、「Antares Auto-Tune Realtime」が追加されました。早速、OOPARTZの2人がライブのリハーサルで使ってみてくれました。
取材:目黒真二 写真:桧川泰治
Auto-Tune Realtime $249.00
ピッチ修正/ケロケロボイス作成プラグインとして有名な「Auto-Tune」をライブ用に最適化したUADプラグイン。レ イテンシーを感じずに、「リアルタイム」で使えるのが魅力だ
Apollo Twin MKⅡ
オープンプライス(SOLO=¥79,000 前後、DUO=¥102,000 前後、QUAD=¥148,000前後)
内蔵DSPによりパソコンに負担をかけずにプラグインを扱える、最大24ビット/ 192 Hz対応のDSP内蔵オーディオインターフェイス(Mac/Windows両対応)。「UNISONテクノロジー」と呼ばれる、有名マイクプリなどの挙動を忠実に再現する独自の技術を投入し、しかもレイテンシーを気にすることなく使用できる。
レイテンシーなしでボーカルをケロケロさせることができます
──Auto-Tuneのリアルタイム版が、ついにUAD-2に加わりましたね。
JUVENILE:僕は普段CUBASEのピッチ修正機能を、純粋にピッチを直すためだけに使っているんですけど、このAuto-Tune Realtimeは使ってみて結構面白かったですね。最近のエレクトロは、ピッチをイジるのが流行ってきているので、すぐに使いたくなりました。
RYUICHI:僕もライブではピッチ系の演出が欲しくて、実は以前にフットペダル型のピッチエフェクターを歌にかけていた時期もあったんですけど、パフォーマンス中に操作すると歌に集中できないので、使うのをやめてしまったんです。
JUVENILE:でも、UAD-2なら手元で操作できるし、しかもほとんどレイテンシーなしで、声をケロケロさせることができるんです。
──リアルタイムにAuto-Tuneをかけると、歌いにくくはないですか?
RYUICHI:何度か歌っているとコツがつかめてきて、歌い出しの手前から少し低く、あるいは高く歌い始めてシャクリを目立たせたり、ロングトーンでわざと揺らしたりとかも自由にできました。
JUVENILE:あと、ラップの時は基本的に同じ音程ですけど、ピッチが少し揺れるとAuto-Tuneが反応するのが面白いですね。きっとライブで聴いているお客さんも、不思議な体験をすると思います。
──他の使い方も考えられますか?
JUVENILE:ボーカル以外だと、例えばサックスのフレーズにかけたら、聴いたことがないようなフレーズになると思いますね。それから、制作の時でもかけ録りしちゃうとか。UAD-2のチャンネルストリップやコンプをかけたうえで、このAuto-Tuneをかけてボーカルを録るわけです。その時のケロり加減のノリをそのまま活かすのも、プリプロならありだと思います。
──うまく使いこなすコツは?
JUVENILE:クロマチックモードで使うと微妙なピッチ変動に反応して、思わぬピッチへ行ってしまうことがあるので、その曲のスケールに合わせるのが思い通りの効果を得るコツです。あと、転調する曲の場合は、オケの2ミックスをDAWソフトに入れて、空のボーカルトラックにAuto-Tuneを挿し、曲の展開に合わせてスケールが変わるようにオートメーションを書けば対応できます。
RYUICHI:シンガーは、ちょっと無機質な感じで歌うようにすると、ケロケロとマッチしてハマります。ビブラートも足せますから、それもエフェクティブに使えばライブで盛り上がりそうですね。
ボーカルをケロらせるためのAuto-Tune Realtimeの基本設定
⑤「Key」と「Scale」を、曲のキーとスケールに設定すると誤作動が少なくなる
⑥「MIDI」にある「Target Notes Via MIDI」をオンにすると、MIDIキーボードでのピッチ修正が可能だ。ボーカルのピッチを、キーボードで演奏したピッチに合わせることができる
「Auto」と名付けられているだけあって、特に細かい設定をしなくても、ピッチ修正やケロケロボイスの作成を簡単に行なうことができます。やり方はまず、「Input Type」(①)で性別(男性/女性)と声域を設定し、入力されたピッチを正確に認識するための「Tracking」(②)は、デフォルトの「50」のままで大抵は大丈夫です。
一番大事なのは「Retune Speed」(③)というパラメーターで、これはピッチをどれくらいの速さで修正するかを決めるものです。ケロらせたければ速め(fast)、ピッチを自然に修正したい場合には遅め(slow)に設定します。実際にボーカリストが歌いながら、気持ち良く聴こえるように設定するといいと思います。 また、長い音でのかかり具合を調整する「Humanize」(④)というパラメーターがあり、これは大体「20~30」に設定するとうまくいくはずです。
他のUADプラグインを併用してAuto-Tuneボイスをより効果的に聴かせる
①Neve 1073 Preamp & EQ Collection($299.00)
②1176 Classic Limiter( $299.00)
③EMT 140 Classic Plate Reverberator ($199.00)
Apollo Twin MkⅡはレイテンシーがほとんどないので、他のUADプラグインを併用しても、安定した状態でAuto-Tuneを使うことができます。
僕(JUVENILE)の場合、まずマイクプリ・プラグインの「Neve 1073Preamp & EQ Collection」で少し歪ませて倍音を付加し、ダイナミックマイクならハイをちょっと上げてヌケを良くします。なおかつ余計な低音にAuto-Tuneがかからないようにローカットを入れます。
さらに、Auto-Tuneが狙ったところでかかるように「1176 ClassicLimiter」(コンプ)をアサインして、アタックを遅め、リリースを最速にしてレベルを安定させます。また、ボーカルにはふくよかなリバーブが欲しいので、高音質なリバープエフェクトの「EMT 140Classic Plate Reverberator」をセンドでかけています。
- ▶Ver.9.2ではAuto-Tuneの他に4種類のプラグインが追加された!
Ver. 9. 2では、Auto-Tune Realtimeの他にも、SSLのミキシングコンソールに装備されていたコンプを再現した「SSL 4000 G Bus CompressorCollection」や、モデリングのエキスパート達が開発したプレートリバーブ「PurePlate Reverb」、UNISONテクノロジーに対応したギターアンプの「Fuchs TrainⅡ Amplifier」とベースアンプの「Eden W T800 Bass Amplifier」が加わるなど、音作りを強化するためのプラグインが一層充実している。
問:(株)フックアップ
TEL:03- 6240-1213
http://www.hookup.co.jp
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