「ゲイン調整不要で音割れなし」を実現!
【32bitフロート録音対応】今話題のZOOMフィールドレコーダー「F2/F2-BT」「F3」「F6」「F8n Pro」の魅力を徹底レビュー
【32bitフロート録音対応】今話題のZOOMフィールドレコーダー「F2/F2-BT」「F3」「F6」「F8n Pro」の魅力を徹底レビュー
2022/07/01
高性能なカメラを用意してYouTubeやVlogといった撮影に臨んでいる方は多いと思いますが、意外と盲点なのが「収録音のクオリティ」です。実際に撮影したものの「音が割れてしまった」とか「現場の臨場感が思ったよりも伝わってこない」など、後から頭を悩ますケースも少なくないでしょう。しかし、そんな音の悩みを解決してくれるレコーダーがZOOMより発売され、今プロからも大いに注目されています。キーワードは「32bitフロート録音」です。ここではズームの32bitフロート録音対応フィールドレコーダー「F2/F2-BT」、「F3」、「F6」、「F8n Pro」の中から、手軽にカメラに装着して使える「F3」を中心に、32bitフロート録音のメリットや各モデルの特徴などをじっくりと紹介していきましょう。まずは実際に「F3」を使って収録したYouTubeの動画からご覧ください。
文:編集部
(※本記事はプロモーションを含みます)
◉4モデル共通の録音設定モード「32bitフロート録音」について
一般的に多くのレコーディング機器で採用されている録音モードに「Linear(16bit/24bit)」形式があります。この「Linear」形式では、事前にレベルメーターが赤く点灯(クリップ)しないように入力レベル(トリム)を調整する必要があり、もし設定した入力レベルを超えた場合は音がクリップしてしまいます。
それに対し、ZOOMの32bitフロート対応レコーダーでは、①ローゲイン用とハイゲイン用2つのADコンバータ(デュアルAD)の搭載により圧倒的なダイナミックレンジを実現 ②入力信号は録音時の解像度を保持できる32bitフロートのWAV形式で記録。このデュアルADと32bitフロートを組み合わせたZOOM独自のシステムにより、事前に入力レベルを調整しなくても、小さな音も大きな音も高音質にレコーディングすることができます。しかも「Linear」形式ではクリップしてしまうような大きな音でも「サウンドを破綻させることなく録音」することが可能です。つまり、誰でも「失敗のないレコーディング」を実現します。
▲通常、「Linear」形式を使ってレコーディングした場合、音がクリップしてしまうと、上のようにゲインを下げても後から対応することができません。
▲ズームの「Float(32bit)」形式でレコーディングした場合は、最大入力を超えない限り、クリップした部分でもゲインを下げることで対応可能です(録音後にノーマライズ処理を行なっても、元の解像度を保った劣化のない音を再現できます)。
このように、従来のフィールドレコーダーの問題点をズバッと解決してくれる画期的な録音モードが「32bitフロート録音」なのです。ちなみに、今回の記事で紹介している「F2/F2-BT」と「F3」は、録音設定モードとして「Float(32bit)」のみを採用しており、「F6」と「F8n Pro」は「Linear(16bit/24bit)」形式と「Float(32bit)」形式のいずれかを選択してレコーディングが行なえるようになっています。
◆2入力/2トラック録音のフィールドレコーダー「F3」
それでは個々のモデルの特徴を見ていきましょう。
「F3」は2系統のXLRバランス入力を備えるフィールドレコ−ダ−で、1眼レフカメラなどに取り付けて高音質かつ音割れのないサウンドを収録したい人にオススメのモデルです。最高192kHzサンプリング/32bitフロート固定のモノラルまたはステレオWAV形式で、microSDHC/microSDXCにダイレクト録音(最大1TB対応)される仕組みとなっており、録音中の誤操作を防止するRECホールド機能や最高96kHz/32bitフロート対応の2イン/2アウトUSBオーディオインターフェイスとしても機能します。
▲本体右の側面にある「REC」を押すと、最初に「32-bit Float」のメッセージが表示されて録音が開始されます。「F3」は非常にコンパクトですが、このように2チャンネル分の入力信号をリアルタイムに波形としてモニターに表示できる点が、他のモデルとの違いであり、大きなアドバンテージと言えます。
◀︎さらに「F3」は単3アルカリ電池2本で、8時間以上駆動できます。※ACアダプタ(別売AD-17)またはUSBモバイルバッテリーでも駆動可能
知っておきたい! レコーディング時のマイキングについて
2本のマイクを使ったステレオ・レコーディングではマイキングも重要です。皆さんは「AB方式」や「XY方式」という言葉をご存知でしょうか。それぞれのマイキングのメリットやデメリットを理解しておくと、よりフィールドレコーディングにおける収録音の向上が期待できますので、ぜひ参考にしてみてください。
【AB方式】
「AB方式」のマイキングは、上の写真のように2本のマイクの間隔を開けて設置する方法です。録音したい対象物が電車、飛行機、鳥などのように動いたり、比較的大きな音源をワイドなステレオ音像で狙いたい場合に有効です。このマイキングは、左右のマイクの間隔でステレオ感を手軽に調整できるメリットがある反面、マイクの間隔が離れすぎると位相の問題が生じたり、センターの音が物足りなくなる可能性も考えられます。
「XY方式」
「XY方式」のマイキングは、2つのマイクを90度で交差させて先端を同位置にセットする方法です。この時、右のマイクは左チャンネル、左のマイクは右チャンネルを集音することになります。このマイキングは録音する対象物がある程度固定している際に有効で、奥行きのある立体的なステレオ音像が得られるのが特徴です。「AB方式」と違い、対象物が動くとステレオ感を得にくい部分もありますが、ピアノなどの室内楽器を録る際にはもってこいのマイキングです。
別売のペンシル型コンデンサーマイク「ZPC-1」も要チェック!
フィールドレコーディングを行なう際は、マイクにもこだわりたいですよね。「でも、どんなマイクがいいのかわからない。。。」という方には、同社の「ZPC-1」がオススメです。
この「ZPC-1」はマッチング済みのペンシル型コンデンサーマイク2本をセットにした製品なのですが、堅牢な金属製ボディを採用し、風雑音を抑えるウィンドスクリーンと持ち運びに便利なキャリングポーチも付属されているので、「AB方式」や「XY方式」といった野外でのステレオ・レコーディングにはまさにベストマッチのマイクセットと言えます。
◀︎「ZPC-1」にも風雑音を抑えるウィンドスクリーンが付属されていますが、冒頭のYouTubeでもご紹介した通り、野外での強い「風の吹かれ」を防ぐには、別途「ウィンドジャマー」があるといいでしょう。「ウィンドジャマー」で検索すると、様々なメーカーの製品がヒットしますが、写真のAZDEN「SWS-100」は「ZPC-1」との相性もぴったりです。
◆世界最小・最軽量を実現したラベリアマイク付きフィ−ルドレコーダ−「F2」 / 「F2-BT」
本体の重さわずか32g、手のひらにすっぽり収まる超コンパクトでウェアラブルなフィールドレコーダーが「F2」です。そして、「F2」にBluetoothの機能を加えたモデルが「F2-BT」になります。
「F2」と「F2-BT」は、衣服の胸元などに装着できるスクリューロック付きラベリアマイク(LMF-2)が付属しているのが特徴で、ニュース、映画、Vlog、YouTubeといった様々なメディアで、高音質なモノラル形式のオーディオ録音(最大512GBのmicroSD/microSDHC/microSDXCにダイレクト録音)が行なえます。上写真のようにiPhoneやiPadでの動画収録(iPhoneやiPadの内蔵マイクではなく、高音質な音声を別途録音したい)や、GoProを使って秘境地のレポートを行なうvtuberなどに最適なモデルと言えるでしょう。ちなみに単4アルカリ電池×2本で、最長15時間駆動(「F2-BT」は最長14時間)します。
▲◀︎写真はBluetooth機能内蔵モデルの「F2-BT」です。「F2-BT」を使えば、iOS/Android用アプリ「F2 Control」から録音・停止・再生などのリモートコントロールが行なえます。演者さんが本体の録音ボタンを押せないような状況下での撮影では、やはり「F2-BT」の方が便利かもしれません。
◆6チャンネル入力の業務用フィールドレコーダー「F6」
「F6」は6系統のXLRバランス入力を装備したフィールドレコーダーです。最大14トラック(【32bitフロート+24bitリニア】 x 6ch+L/R)同時録音、最高192kHz/32bitフロートWAVフォーマットのハイレゾ録音が可能で、32bitフロートWAVと24bitまたは16bitリニアWAVを同時録音するDualモードも搭載されています。前述した32bitフロート録音に、同社のフィールドレコーダーとして初めて対応したモデルであり、上位モデル「F8n」の約半分のサイズというコンパクトさも売りの一つです。
「F6」専用にデザインされたオプションのプロテクティブケース「PCF-6」に入れることで、上写真のように肩からボディバッグのように斜め掛けにして胸元で操作したり、ウェストバッグのように腰に巻き付けて持ち運ぶことも可能です。複数マイクによる録音を視野に入れた、可搬性を重視したフィールドレコーディングを行ないたい人には、この「F6」をぜひオススメしたいですね。
▲さらに「F6」にはカメラマウントアダプタが付属されていますので、このようにカメラに取り付けてフィールドレコーディングを行なうこともできます。その他、VRマイクを使用した360°空間音声のレコーディングが可能になるAmbisonicモードを内蔵していたり、複数のマイク入力のレベル合わせを自動的に行うZOOMオートミックス機能やピークを先読みしてオーバーロードを未然に防ぐAdvancedリミッター、6イン/4アウト、最高96kHz 対応のUSBオーディオインターフェイスとして使用可能。電源も単3電池×4本、SONY製Lシリーズバッテリー、USBモバイルバッテリーの3電源に対応しています。
◆8チャンネル入力の業務用フィールドレコーダー「F8n Pro」
「F8n Pro」は、同社の「F8n」を32bitフロート録音に対応させたプロ仕様の業務用フィールドレコーダーです。圧倒的なダイナミックレンジを実現するデュアルADコンバータを搭載し、8チャンネル入力、最大10トラック(8ch+L/R)同時録音、最高192kHzサンプリング/32bitフロートWAVフォーマットのハイレゾ録音が行なえます。まさに、映画や放送用途に最適なモデルと言えるでしょう。
▲各チャンネルには、独立したトラックノブ、6セグメントLEDレベルメーター、PFL/ソロスイッチを搭載(上写真はトラック1の「PFL」を押して、トラック1の「Input Source」を「Mic」にしてみたところ)。「F8n Pro」では、数字の1〜8の部分をオン/オフさせることで、レコーディングを行うチャンネルが個々に設定できるのも特徴です(上写真では1〜6をオンにしている状態です)。
その他にも、最大1TB SDXC対応のダブルSDカードスロット、VRマイクを使用した360°空間音声のレコーディングが可能になるAmbisonicモード内蔵、内蔵SDカードへの録音と同時にUSBオーディオ出力でPCへのバックアップ録音、Bluetooth接続で、Android/iOS用アプリ「F8 Control」からリモートコントロール、3電源対応(単3電池×8本、外部DC電源、12V ACアダプタを使用可能)、映像との正確な同期を実現する24時間で誤差 0.5フレーム以内の高精度なタイムコードなど、プロフェッショナルな機能が満載です。
◀︎また「F8n Pro」には、「F6」同様、専用のプロテクティブケース「PCF-8n」も用意されています。この専用ケースがとても使い勝手が良く、ケースの両サイドのスリーブ部分からオーディオケーブルを取り回せたり、未使用のケーブルや小物、マイクなども前面のジッパー付きポーチやサイドポケット、ケース内部のコンパートメントにそれぞれ収納可能です。今回、実際に川沿いでフィールドレコーディングをしてみましたが、このプロテクティブケースがあるおかげで機材の持ち運びも煩雑にならず、本当に助かりました。
カラーIDリング付きマイクケーブル「XLR-4c / CP」
◆4モデルの比較表
◆まとめ
ここでは、「F2/F2-BT」、「F3」、「F6」、「F8n Pro」の4モデルを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。「32bitフロート録音」という言葉を初めて聞いた方もいると思いますが、革新的なこの録音技術のうわさはすでに多くの方に広まり、一部の店舗では商品が品薄状態になっているとも聞きます。それだけ、映像の収録において「音が割れないで安心して撮れる」という需要は高いということですよね。
上の簡易比較表では、各モデルの主なスペックを列挙してみましたので、購入の際の参考にしていただけたらと思います。また、メーカーの公式サイトには詳しいスペックが出ておりますので、そちらも併せてチェックしてみてください。
「F2/F2-BT」メーカーサイト
https://zoomcorp.com/ja/jp/field-recorders/field-recorders/f2andf2-bt/
「F3」メーカーサイト
https://zoomcorp.com/ja/jp/field-recorders/field-recorders/f3/
「F6」メーカーサイト
https://zoomcorp.com/ja/jp/field-recorders/field-recorders/f6/
「F8n Pro」メーカーサイト
https://zoomcorp.com/f8npro/
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