ギタリストの小川悦司さんがチェック!
UAD-2に新しいギターアンプ「Fuchs」とベースアンプ「Eden」が登場
UAD-2に新しいギターアンプ「Fuchs」とベースアンプ「Eden」が登場
2017/09/08
人気のDSPプラグイン「UAD-2」に、新バージョン9.2で新たにギターアンプ「Fuchs Train II Amplifier」とベースアンプ「Eden WT800 Bass Amplifier」が追加されました。ギタリストの小川悦司さんに両プラグインをチェックしてもらいました。
取材:本多理人(サウンド・デザイナー編集部)
写真:小貝和夫
Fuchs Train II Amplifier
オープンプライス
SOLO=¥79,000前後
DUO=¥102,000前後
QUAD=¥148,000前後
試奏に使用したDSP内蔵オーディオインターフェイス。試奏した2つのプラグインはどちらもApolloシリーズのUnisonテクノロジー(※)に対応している
※Unisonテクノロジー=プリアンプなどにおいて重要な、インピーダンスやゲイン、アナログ回路のふるまいなどを忠実にエミュレートし、Apolloシリーズのマイク90 /Hi-Zインプット回路を制御する技術
FX Rackをオンにすると下部のパネルが開く。左下に用意されているのがRECORDING CHAINSだ
RECORDING CHAINSのメニューを開くと、様々なスピーカーとマイクとEQの組み合わせがセレクトできる
ボリュームやピッキングだけでサウンドに幅が出せるFuchs
──まず、ギターアンプの「Fuchs TrainⅡ Amplifier」(以下、Fuchs)を使ってみた感想はいかがでしたか?
小川:かなりいいですね。僕は今までいろんなアンプシミュレーターを試してきましたけど、どれもアンプにマイクを立てて録った音と比べるとコシがなかったんです。特に、ギター本体のボリュームを絞った時の挙動が何か違うんですよ。ボリュームをフルにした時はいいんですけどね。だけど、このFuchsを試してみたら本物のアンプみたいで、最近のデモ制作でも早速これを使いました。
──どんなサウンドを作るのに向いているのでしょうか?
小川:クリーンからクランチ、オーバードライブまで全部の音色を使いたい人にオススメですね。メタル系のドンシャリな音も出せますけど、やはりとにかくクランチが秀逸です。ボリュームを絞った時の感じもいいし、ピッキングニュアンスも良く出ます。
──操作性はいかがですか?
小川:トーンコントロールがシンプルですね。2ゲイン/ 1ボリュームなので、音作りがしやすいです。それに加えて、「RECORDING CHAINS」という、スピーカーとマイクの組み合わせが101通り入っていて、どれを選ぶかでも音が変わるんです。これを使えばEQをイジるより手っ取り早く音作りができます。
──この「アクセント」と「トラスト」というツマミは何でしょうか?
小川:アクセントを上げるとアタック感が出てきて明瞭な感じになります。もうひとつのトラストは、低域のグングンくる感じを調整できます。
──音作りがかなりしやすそうですね。
小川:ええ。歪み加減を一番軽くすると結構キレイな感じのクリーンになって、ちょっとゲインを上げると、ピッキングのニュアンス次第で高域も出せるんです。一般的なアンプシミュレーターって、高域の「ジャラーン」ていう感じが出ないんですけど、これは良く出来ています。ボリュームだけでこれだけ幅が出せるのは、本物のアンプに匹敵しますね。
──向いている音楽は何でしょうか?
小川:ブティック系アンプが好きな人にはいいんじゃないでしょうか。ラリー・カールトンとかロベン・フォードあたりのギターサウンドであったり、ブルースがベースになっているようなアプローチや、ソウル系のプレイにもすごくいいんじゃないかな。ワウと合わせても気持ち良く潰れてくれるのでいいですね。
──うまく使うためのコツは?
小川:Apolloのインプットゲインによって音が結構変わるので、レベルオーバーしない程度に設定するのがコツです。特にギターを変えた時には注意が必要です。シングルコイルで設定したレベルのまま、ハムバッキングを使うとオーバーするので、インプットゲインの調整がポイントじゃないですかね。
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