製品の魅力を詳しくチェック
ギターアンプのサウンドを100%引き出すユニバーサル・オーディオ「OX|Amp Top Box」
ギターアンプのサウンドを100%引き出すユニバーサル・オーディオ「OX|Amp Top Box」
2017/11/25
1176などのアウトボードやUAD-2プラグイン、DSP内蔵オーディオインターフェイスのApolloシリーズなど、数々のレコーディングツールを開発してきたユニバーサル・オーディオが、今度はギタリストのためのアイテム「OX|Amp Top Box」(以下OX)をリリースしました。同社のアナログとデジタルの技術を結集させた本製品の魅力を詳しくチェックしていきます。
文:本多理人(サウンド・デザイナー編集部)
写真:小貝和夫
ギターアンプのボリュームをフルテンにしたまま、OXの「SPE AKER VOLUME」ツマミで、スピーカーの音量を自在にコントロールすることができる。例えば通常は不可能な、120Wのマーシャルアンプをフルテンにしたサウンドも、小音量で鳴らせる
アンプとの接続は、まずアンプのスピーカーアウトをOXの「FROM AMPLIFIER」につなぎ、「TO SPE AKER」からスピーカーの入力に接続する。インピーダンスの切り替えも可能だ。RIGの音はラインアウト、もしくはデジタルアウトから出力される
「OX」はユニバーサル・オーディオが開発した、ギタリストのためのロードボックスです。ロードボックスとは、アンプのボリュームを最大値まで上げた時のサウンドを小音量でも聴けるように、パワーを吸収してくれる製品のことで、アンプとスピーカーの間にかまして使います。
例えばフェンダーのアンプであれば、一般的な環境ではボリュームツマミの値は「3」あたりが、音量的に限界だと思います。ですが、プロの現場ではフルテンにすることもあり、そうすると大音量になりますが、すごくいい感じに歪んで極上のトーンが得られます。つまり、ボリュームを十分に上げなければ、アンプ本来のサウンドが鳴らせないわけです。
しかし、OXが内蔵する「リアクティブロード」により、アンプは実際にスピーカーが接続されているように振る舞い、高い精度のアッテネーション回路により、アンプ本来の音を自分好みの音量で鳴らすことができます。ここまでは完全にアナログ回路で処理をされますが、さらに内部に「RIG」と呼ばれるDSPで処理をされるパートがあり、これによりスタジオ収録同等のクオリティで、アンプサウンドを活かした音作りができます。
RIGのコントロールには、専用のiPadアプリを使います。キャビネットのモデリングは18種類用意され、スピーカーの新しい/古いから、コーン紙の質、使用時間に対する熱の影響、スピーカーからの自己発振音まで、スピーカーの物理現象を忠実にモデリングしています。これはIR(※)処理では成しえない精度です。
また、最高級のマイクモデリングを選んでマイキングをしたり、同社の1176コンプ/リミッターなど、アウトボードのモデリングも搭載。さらに、アンプサウンドの重要な要素であるルーム感の調整には、同社のUAD-2 プラグイン「OCEAN WAY STUDIO」のテクノロジーを採用し、室内の空気感や、アンビエンスの重さや深さまでも再現できます。こうして作ったRIGの設定は、最大6つまでOX内に保存でき、OX側のツマミでセレクトすることが可能です。
OXのフロントパネル(左ページ上段を見てみると、シンプルな5つのツマミがオレンジとグレーのエリアに分かれています。左側のグレー領域にある「RIG」ツマミで、OX内に保存した6個のRIG設定を切り替え、「ROOM」ツマミでルームマイクのボリュームを調整します。
一方、オレンジのエリア内にはアウトプットを操作するツマミがあります。「SPEAKER VOLUME」ツマミは、アンプから受けた信号をどれくらいスピーカーに送るかを決めるもので、例えば、「1」は夜の練習用、「2」は昼間の練習用、「3」はリハーサル用、「4」はライブ用、「5」は大規模なライブ用という具合に音量を切り替えます。「LINE OUT」ツマミはRIGを通ったライン信号の出力を決め、その右のツマミでヘッドホンでRIGをモニターする際の音量を決めます。
レコーディングでの使用例としては、スピーカーの出音をマイクで録りつつRIGの音をライン録音して、両者をDAW上でミックスするのがオススメです。アンプシミュレーターだけでは作り出せない、極上のアンプサウンドが手に入ります。
※IR(インパルス・レスポンス)= 1発のパルス(短い信号)に対する反応のこと。ある空間のIRを測定したデータをエフェクターに読み込ませることで、その空間と同じ残響を再現できる
RIGのコントロールを行なうユーザーインターフェイス。ギターレコーディングに使われる定番のマイクが複数用意され、オンマイクを2 本、ルームマイクを1本セレクトして、それぞれのバランスを調整できる。アウトボードは1176などのコンプやプレートリバーブ、EQなど、こちらもギターレコーディングに使われる定番のものをセレクトできる。いずれも同社のUADプラグインでラインナップされているものと同クオリティの製品ばかりだ
問:(株)フックアップ
TEL:03- 6240-1213
http://www.hookup.co.jp
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