ヒックスヴィルの真城めぐみと中森泰弘、ザ・クロマニヨンズの真島昌利による3ピースバンド
ましまろ『ましまろに』インタビュー
ましまろ『ましまろに』インタビュー
2016/08/31
あまり自分の中で歌詞を書いているという感覚はないんです。by 真島
真島:あまり自分の中で歌詞を書いているという感覚はないんです。何かこう “歌を作っている” というか。
───曲を作る時は歌詞を先に書かれたのですか?
真島:それもどっちから作るというのは決めていなくて。メロディが先だったり、歌詞の断片を書き付けておいたり。
───個人的に歩いている時に歌詞を書かれているのかと。
真島:そうですね、散歩している時に良く浮かびます。
───「ひき潮」は海を歩いているようなイメージを受けました。
真島:実際に歩いているのは、その辺の近所なんですけど。
真城:本当に海辺で考えたような歌詞だよね(笑)。
───アルバムに唯一、真城さんと中森さんによる楽曲「けあらしの町」が収録されていますね。
真城:“けあらし” というのは、海からの蒸気のよって霧が発生しやすい街というのがあって、その状態のことを表わしています。
───それは日本で発生するものなのですか?
真城:そうです。私の中での勝手な想像ですが、北の方をイメージして歌詞を書きました。私自身けあらしの実体験はなくて、写真でしか見たことがないんです。でも、「けあらし」って検索すると、割と幻想的な写真の出てくるので、ぜひ探してみてください!
───北の方というのは?
真城:そこまで細かくイメージはしていませんが、何というか、うら寂しい街ということをイメージしました。
───マーシーさんは歌詞をご覧になった時はどのような印象を?
真島:良いんじゃないですかね。幻想的で。
真城:私よりもずっと音楽作り続けている人の詞と並ぶのは、何だか恥ずかしいです(笑)。
───中森さんは?
真城:一つも思っていないと思います(笑)。一応共作ということになっているので批評をいう立場にあるのに。
中森:全体的に心象風景としては、その街で起こったこととか色々とイメージできてスゴく良いと思います。
───この楽曲はどちらが先に出来上がっていたのですか?
真城:曲が先でしたね。
───中森さんから真城さんへ「こんな歌詞を書いて欲しい」ということは?
中森:それは無かったです。逆に真城の方から暗い曲にして欲しいと。
真城:一緒に作るんだったら暗い曲が良いと思ったんです。
中森:だから先に暗い歌詞をくれれば良いのに(笑)。
───この曲はどのパートから作られたのですか?
中森:Aメロからです。そこからBメロ、サビと順番に作りました。
真城:歌詞はしばらく手を付けていなくて、「こんな曲です」って鼻歌で歌ったテープがあって、それを聴きながら書きました。かなりギリギリだっだと記憶しています。
───そのデモを聴いた時の印象は?
真城:何も思わなかったっていうと語弊があるのですが、それよりも、自分がこの曲に詞を付けなければいけないということに精一杯でした。でも曲はアメリカンミュージックという印象で、「コーラスだけはどこかに入れたいな」とは思っていて。70年代のアメリカっぽい感じになったら良いなと。
───マーシーさんは?
真島:うん、良い曲だなと思いましたよ。
真城:私達は曲ができた後に、皆の前で弾き語るというスタイルを取っていて。
───発表会みたいですね。
真城:そうですね、終わると皆で拍手するんですよ(笑)。どの曲もそうやって出来ているので。まず歌ってもらって、それを録って皆で聴き返して、それで今度は3人でやってみる、という作り方をしているんです。
───皆の前で発表するというのは、とても楽しそうな印象を受けました。
真城:はい、そこで「あー今回ここはそうきたか」という新たな発見があったり。
───マーシーさんは曲を作る時に心掛けていることはありますか?
真島:うーん。特にはないかな。
───マーシーさんから、どのように曲が生まれてくるのかがとても気になるのですが。
真島:どうなんでしょうね、わかりません(笑)。
真城:ちょっとトボけた感じとか、スゴく優しい曲とか、多分その日の気分で作っているんだと思います。
───マーシーさんにとって今作で一番のお気に入りは?
真島:それはもちろん全部です。お気に入りじゃなかったら出しませんよ。
───真城さんは?
真城:もちろん私も全部ですけど、強いて挙げるなら「遠雷」ですかね。こういう感じの曲って、マーシーにしか作れないと個人的に思っているので。それが一番の大きな理由です。
───それは歌詞もメロディも?
真城:もちろん。全部です。
───中森さんは?
中森:「ローラーコースター」ですかね。僕はこの曲の雰囲気が好きなんです。
真城:聴いているのと演奏をやっているのとでは印象が違うしね。
中森:確かに。弾きながら「自分もこんな曲作れたらな。良いな」って思ってます(笑)。
真城:あとは「さがしもの」ですね。この曲は早くライブでやってみたいです。
───確かにライブでどのように披露されるのか気になります。
真城:秋にツアーが予定されているので楽しみにしてもらえれば。まだ何も準備していないのですが(笑)。
───まだ1か月以上(取材日は7月下旬)ありますよ。
真城:でも「もう」1か月でしょ?
中森:ヤバい。50過ぎたら1か月なんて早いので(笑)。
───今回のアルバムレコーディングで心掛けたことはありましたか?
真城:“曲に対してやれることはやる” という、いつも通りのことをしたんですけど。ただ前作との差というのは、ストリングスが入っていたり、自分達じゃちょっとできない楽器が多めに入っていることですかね。
───マーシーさんは?
真島:いつも通り。ゆったりと酒を飲みながら。
───レコーディング中もお酒を飲まれるのですね。
真城:誰しもレコードを作るというのは楽しいことですが、割と時間的なものが大変だと思うんです。絶対足りなくなるし。ただ、ましまろは当初から見えている部分というのが多くて、時間が足りなくなるということはまずない。なのでレコーディングは基本のんびりしています。
中森:レコーディング時間が余るんですよ。
───それはビックリです。
真城:1日の作業も早く終わるし、夜中までやったりもしないし。大体午後に集まってきてのんびり初めて、夕方には終わるという。レコーディングがのんびりできて楽しいんです。で、夕方「何食べに行く?」みたいな。
───他のアーティストさんが聞いても驚かれると思います。
真城:私達はレコーディングを “のんびりする期間” だと捉えているので。
中森:それでいて作品が出来上がっていくという達成感もあるし。
真城:もちろん色々な方々の力をお借りしていますけど、あまり言わなくても皆わかってくれているし、音作りの部分に関しては恵まれていると思います。
───中森さんはギターを弾く上で心掛けたことは?
中森:1stからそうなんですけど、あまり余計なことをしないというか詰め込まない。楽曲に対して必要最小限ということを目指してやりました。
───「こうやって弾いて欲しい」とマーシーさんに伝えたりは?
中森:それはありますよ。でも細かくはないです。それもお互い自己判断というかお任せで。
───その他にレコーディングで印象的だったことは?
中森:出前をひっくり返したくらいですかね。
真城:大問題でしたよ。
真島:中森君がカレーを。
中森:その日は美味しいカレーをスゴい楽しみにしていたんです。でも、出前が来てはしゃいでたら「ガシャーン!」って。
真城:私はそれを見て「相当神経が鈍ってきているんだな」と思って見ていました(笑)。 仕方なく皆で自分の分を少しずつあげました。それぐらいですかね。あとは極めて順調に。
真島:トータルの時間が短いからエピソードもそんなに無いんだよね。
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