オーディオ評論家の野村ケンジさん、音楽エンジニアの間瀬哲史さんも太鼓判を押す音質の良さ!
【スグレモノ発見!】
campino audio「CP-SP500H」徹底レビュー
【スグレモノ発見!】 campino audio「CP-SP500H」徹底レビュー
2016/10/28
●人の声を中心に人の聴こえの特性を考慮した
音響調整技術を投入
また、音質の要となるDAC(デジタルtoアナログ変換)には、コスト度外視でBurr-Brown)製を採用。アナログ入力に関しては、ハイレゾ相当となる24bit/96kHzスペックでサンプリングし、いっぽうBluetoothはaptXなどの高音質コーデックにも対応するなど、入力ソースからスピーカーに至るまで、音質に関しては細部に至るまで妥協のないクォリティ追及が為されている。
さらにもうひとつ、「CP-SP500H」には最大の特徴となっている音質的なトピックがある。それは、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)を活用した音響調整だ。こちら、幅広いシチュエーションでも良質な音楽再生ができるよう、人の聴こえの性質を考慮した音響調整を行うもので、この効果によって音量を小さくしても低域が聴こえづらくなったりせず、室内の騒音にも負けない通りの良いサウンドを実現している。持ち運びしやすく、室内から屋外まで様々な場所で活用される一体型スピーカーにとっては嬉しい配慮だ。
●ぐっと前にせり出すボーカルとしっかりとした広がりや定位感
さて、実際のサウンドはいかがなものだろう。一聴して感じるのは、音のパワフルさだ。低域の量感をしっかり確保しつつもブーミーにはならず、キレの良いベースやドラムがしっかりとしたリズムを刻んでくれるため、迫力のあるビートが楽しめる。対して中高域は、エッジの効いた表現を得意としており、ハイハットや打ち込み系の音が抜けよく伝わってるし、何よりも、グッと前にせり出して力強く歌ってくれるヴォーカルがいい。特に女性ヴォーカルは、ややハスキーな厚みのある声で、情緒感たっぷりの歌を披露してくれる。また、アコースティック楽器との相性もまずまず。普段よりも一歩前に出てきてくれたかのような、力強いヴァイオリン演奏が楽しむことができた。
いっぽうで、しっかりとしたステレオイメージが再現できていることにも驚いた。こういったコンパクトサイズの一体型スピーカーは、左右個別のスピーカーを搭載しているのにもかかわらず定位感が曖昧になりがちだが、「CP-SP500H」ではしっかりとした広がり感、定位を持ち合わせているのだ。これはいい。確かに、本格スピーカーに比べれば音の広がりは小さいものの、このサイズから、見かけからは想像できないクォリティだ。
はっきりいおう。14800円でこの音が手に入るのは、なかなかのお買い得だといえる。もちろん、本体の大きさにこだわりがなかったり、潤沢な予算が用意できるのだったら他にも選択肢はある。しかしながら、スペースと予算に限りがあり、何よりもどんな場所でも手軽に“良質なサウンド”を楽しみたい、という人にはピッタリの製品といえる。音質と使い勝手の両面から、細かい部分にまで徹底したこだわりを追求する“ジャパンブランド”campino audioならではの、良質な製品だ。
野村ケンジ=プロフィール
ヘッドホンなどのレビューを中心に幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても様々な関わりを持ち、アニソンレーベルのスーパーバイザーなども務めている。TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」のアドバイザーとしてレギュラー出演するなど、近年は活躍の場をさらに広めている。
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