音質と処理能力がパワフルに進化!
ユニバーサルオーディオ「Apollo Twin MkⅡ」徹底レビュー
ユニバーサルオーディオ「Apollo Twin MkⅡ」徹底レビュー
2018/09/11
【第4回】
Apollo Twinを購入すると手に入るボーカル録音に最適な3つのプラグイン
人気のUAD-2プラグインが使える、DSP内蔵オーディオインターフェイス「Apollo Twin」。現在、同製品を購入するとボーカル録音に最適なプラグインが無償提供される「Apollo Twin Platinum Vocalプロモーション」が実施されています(※)。第四回では、ボーカル録音でのApollo Twinの利便性と、提供されるプラグインの活用法をチェックしました。
文:堀 豊(Studio 21) ※グレードによって、もらえるプラグインが異なります。
Apollo Twinシリーズはデスクトップサイズのコンパクトな筐体ながら、プロフェッショナルのレコーディングにも耐えうるI/O(入出力)を備えています。独自のUnison(※)テクノロジーによりモデリングされた、様々なプリアンプの極上なトーンを低レイテンシーで得ることができるため、ボーカルレコーディングにおいても絶大な威力を発揮します。
筆者も日頃からApollo Twin MkⅡを使用している1人です。プリプロ段階だけでなく、本番のボーカル録音においても、実機のマイクプリよりUnisonのマイクプリを使うことが増えてきました。マイクのキャラクターを活かしつつ、モダンなクリアさもあり、レンジ感も申し分ないレベルで録ることができます。
付属のConsoleソフトウェアはシンプルかつ低レイテンシーで、優れたモニタリング環境を構築できます。また、本体にトークバック用のマイクとボタンを内蔵しているので、ブース越しのコミュニケーションも可能。宅録でもスタジオでも頼りになる、「使える」ツールです。
※Unison=プリアンプなどにおいて重要なインピーダンスやゲイン、アナログ回路のふるまいなどを忠実にエミュレートし、Apollo Twinのマイク/Hi-Zインプット回路を制御する技術のこと。
Manley VOXBOX Channel Strip
ボーカル録音で人気のチューブ・マイクプリを忠実に再現ボーカル録音で多用されるプリアンプのひとつであるマンレイVOXBOX。このプラグインは、その豊かな倍音感あふれる音色や、幅広いコントロールなど、実機の持つニュアンスをしっかり再現しています。音数が多いオケの中でも埋もれず、しっかり存在感を出せました。
特徴のひとつである、チューブプリアンプ回路の前段にコンプレッサー回路が配置されている点も忠実に再現。入力されたクリーンな信号をコンプで適度に揃え、「GAIN」でチューブプリアンプ内のフィードバック量を決めて、トーンカラーを調整します。メーターを「G-R」にすればコンプのかかり具合が確認できます。
その後段には、歯擦音をコントロールするディエッサー(リミッターと切り替え)と、パルテックスタイルのEQ(ローとハイはブースト、ミッドはカット)を備えています。入力段にあるローカットスイッチは実機よりも効きが良過ぎる印象なので、聴感上のロー感をあまり変えたくない時にはオフにしてもOKです。使うマイクによってはマイク本体のローカットを入れるか、Consoleソフトウェアの後段に他のEQプラグインを挿して、ローカットした方が効果的な場合もあります。
Antares Auto-Tune Realtime
ケロケロボイスのケロり具合を確認しながら歌えるプラグインAuto-Tune Realtimeは、いわゆる「ケロケロボイス」を作るために必須のプラグインです。特に最近のEDM系では、メインの歌だけでなく、ラップ部分にもかかっていたりと、Auto-Tuneは今や定番のエフェクトのひとつです。ネイティブDAWの場合、従来だとレイテンシーの問題があって、Auto-Tuneの効果をモニタリングしながらかけ録りするのは厳しい側面がありました。特に「ケロケロ」のエフェクトは、目的のピッチから離れている時に強くかかるので、あえてピッチを外して歌ってもらうなどの工夫が必要でした。それがApollo Twinの低レイテンシーの恩恵で、かけ録りでも問題なく、Auto-Tuneのかかり方を確認しながら歌えるようになっています。
パラメーターは多数ありますが、キモとなるのは①「Input Type」、②「RetuneSpeed」、③「キーの設定」です。「InputType」で男声/女声の帯域ごとに最適なアルゴリズムを選ぶことで、より正確にかかります。「Retune Speed」はピッチを修正する速さを決める項目で、「ケロケロ」を強くしたい場合は「0」に近づけます。そして意図しないピッチへの到達を避けるため、曲のキーに合うスケールを設定することがとても大事です。
Pure Plate Reverb
歌にリッチで濃厚な響きを与えるプレートリバーブPure Plate Reverbは、シンプルな操作で、リッチで濃厚なプレートリバーブの響きを存分に堪能することができます。第一印象としては、透明感がある明るいキャラクターで、特にオケ中でもボーカルを自然に広げてくれる印象です。
ローカット(90Hz/180Hzの切り替え式)、プリディレイ、リバーブタイム、EQ(ベース/トレブル)の組み合わせで音色を作っていきます。細かいことは気にしなくても、かけるだけで素晴らしいプレートリバーブ・サウンドが得られますが、プリディレイとリバーブタイムを曲のテンポに合わせることで、歌がより一層引き立ちます。細かい数値が本体に表示されないので、耳で聴きながら、もしくはDAW側のコントロール値を確認しながら微調整しましょう。ヌケが良過ぎる場合は、内蔵のEQでベースを足してトレブルを絞ります。
ダイレクトモニタリング機能を使って録音する時は、Consoleソフトウェア上のAUXチャンネルに、このプラグインを立ち上げてモニタリングします。併せて、DAW側でもAUXチャンネルに同じ設定で立ち上げておけば、例えばパンチインする際に、プレイバックされる前後の歌と同じリバーブ感で歌うことができます。
- ▶Apollo Twin Platinum Vocalプロモーション
期間中にApollo Twin MkⅡまたはApollo Twin USBを購入し、自身のUAアカウントに新規に製品登録すると、購入商品に応じたプラグインライセンスが無償提供される。Apollo Twin MkⅡ SOLOの場合、Antares Auto-Tune Realtimeプラグインが無償提供。Apollo Twin MkⅡ DUO、もしくはApollo Twin USBの場合、Antares Auto-Tune Realtimeに加え、Manley VOXBOXプラグインが無償提供。 Apollo Twin MkⅡ QUADの場合、前述のAntares Auto-Tune Realtime、Manley VOXBOXに加え、Pure Plate Reverbプラグインが無償提供される。キャンペーン期間は2018 年6月30日まで。※終了しました
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