真空管「Nutube」を搭載した超小型プリアンプ
【動画付き】VOX「MV50 Clean / AC / Rock」の3モデルを徹底レビュー
【動画付き】VOX「MV50 Clean / AC / Rock」の3モデルを徹底レビュー
2017/05/31
VOX MV50シリーズは、新しい真空管「Nutube」をプリアンプ部に搭載し、軽量コンパクトなボディからは想像できないパワーと憧れのチューブサウンドが得られる画期的なヘッドアンプです。ここでは、Clean、AC、Rockと名付けられたキャラクターの異なる3種のモデルについて、そのサウンドの特徴と使いこなしを解説しましょう。
文:平沢 栄司、試奏解説:野村大輔、撮影:小貝和夫
この重量&サイズで50Wの出力を誇るヘッドアンプ
レトロでオシャレなデザインが目を引くMV50シリーズですが、まず、知ってほしいのが50Wの大出力を誇るヘッドアンプとは思えないサイズと重量です。
135mm(幅)×100mm(奥行き)×75mm(高さ)とストンプボックス(ペダルタイプのエフェクター)とほぼ一緒の大きさで、iPhoneと一緒の写真を見てもらえばコンパクトさが伝わるでしょう。重量はわずか540g、電源にはACアダプターを利用するため “真空管アンプ” をカバンに入れて持ち運ぶことだって可能なのです。例えば、リハスタやステージに気軽に持ち込めるマイアンプとして、あるいは、すでにメインのアンプを持っているなら、異なるキャラクターで演奏したい曲のためのサブアンプとして使い分けてみてもいいですね。
iPhoneと比較すれば、コンパクトさが良く分かる。まるで、VOXアンプのミニチュアのようだが、50Wの大出力を誇るヘッドアンプなのだ
持ち運びに便利な上部のハンドルやフロントパネルのアナログのメーターがレトロ感を誘う。なお、このメーターは、出力レベルを示している
本格的なチューブサウンドは宅録でも大活躍!
プリアンプ部には、ノリタケ伊勢電子とコルグの共同開発による新しいタイプの真空管「Nutube(ニューチューブ)」を採用。定電圧、低発熱、長寿命といったメリットを持ち、取り扱いやメンテナンスに気遣うことなく憧れの真空管サウンドでギターがプレイできるのです。
真空管(三極管)と同じ原理で動作する蛍光表示管を楽器用として進化させた「Nutube」。電源を入れるとMV50の上部の窓から動作してる様子が見える。
オプション(同梱パッケージもあり)のキャビネット(BC108、BC112)と組み合わせて「ギターアンプ」として使うのもいいのですが、MV50はDAWやレコーダーを使った宅録においても威力を発揮します。マイクを立ててレコーディングすることはもちろん、MV50のヘッドホン/ラインアウト端子にはキャビネットシミュレーターが内蔵されているので、ライン録りでも大音量で鳴らしてマイク録りしたような迫力あるサウンドがレコーディングできます。録りの時にアンプシミュに繋ぎ変えて…なんてことをしなくても、いつも通りアンプで作った音〜今キャビネットで鳴っている音がそのまま録れるのです。
MV50とベストマッチなキャビネット(写真は8インチ・スピーカーのBC108)とケーブルで接続すれば、かわいらしい見た目からは想像できないほどパワフルなサウンドが飛び出してくる
リアパネルのPHONES/LINE端子の出力には、キャビネットシミュレーターを内蔵。ヘッドホンでのモニターやDAWのライン録りでも、キャビネットで鳴らしたような空気感や迫力が得られる。マイキングに苦労して録るより圧倒的に簡単なのもメリットだ
PHONE/LINE端子にケーブルを刺しても、SPEKER OUTPUTからは信号が出力される。レコーディング時にキャビネットをギターのモニターとしてそのまま使うこともできる。外に音を漏らしたくないときは、キャビネットと繋ぐケーブルを抜いておけばいい
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