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【2018年版】多彩な音作りが行なえる! おすすめシンセ11機種徹底レビュー
【2018年版】多彩な音作りが行なえる! おすすめシンセ11機種徹底レビュー
2018/11/30
エレクトロン
Digitakt
¥78,611
●問:Elektron Music Machines
●http://www.elektron.co.jp
優れた操作性と合理的なデザインを持った
北欧メーカーならではのドラムマシン/サンプラー
本機は、スウェーデンのシンセメーカーであるエレクトロンが開発した、ドラムマシン兼サンプラーです。かつてアカイのMPCシリーズや、ローランドのMC-505を所有していた自分としては、懐かしいカテゴリーの製品です。DIgitaktの機材としての違いは何かと言うと、まず昨年発表されたばかりの最新機種であること、そして日本製ではないということです。今回は、この2点を意識しながらチェックしてみました。
本機を起動すると色々なボタンが光りますが、とりわけディスプレイが派手な黄色なのがキレイです。サンプルをトリミングする際に、波形の細かい部分まで確認できるので、とても助かりました。かつての製品だと画面は白黒で、角度によっては見づらかったものです。
シーケンスを走らせると、1から16までのボタンの上を、時間の経過に合わせて赤い光が灯ります。同時に、鳴っている音がどこのボタンにアサインされているかが、白い光で示されます。LEDで発光するのでとても美しく、これもかつての機材ではありえない要素です。
筐体は片手で支えられるほどコンパクト。シンプルに見える操作系統はよく考えられていて、例えばサンプリングをする際には左手でボタンを押しながら右手でツマミをイジれるというように、合理的に配置されています。
実際に音を鳴らしてみると、アタックもさることながら、減衰部分の聴こえ方が秀逸でした。これはリバーブの密度が濃いせいでしょうか。減衰箇所をイジりたくなり、ついついマスターボリュームを上げたところ、低音の存在感が増し、心地良く演奏できるようになりました。
本機のボタンの幅には「遊び」があり、指が触れるとボタンが揺れてカタカタと音がするようになっています。こういった点は日本の製品とは異なるように感じましたが、一方で、日本製にはないそのサウンドキャラクターは、代え難いものがあります。北欧のメーカーは、デザイン性や操作設計の合理性に長けていて、使っていてとても快適です。かつ、こぢんまりとまとめることはせず、肝心な部分は大胆であるところが魅力的です。
ギタリストであれば、本機でリズムを組んでからリフを録音するだけで、曲の骨格がすぐに出来ます。他にも、アコギをサンプリングして奇抜なフレーズを作るなど、様々な使い方できると思います。
黒バックに黄色い発色がとても見やすく、操作性に優れたディスプレイを搭載している。ツマミをイジるたびに、そのパラメーターの状態が表示されるなど、親切な設計だ。レトロ感のあるギザギザのフォントも非常に味がある
1から16まで並んだシーケンスボタンは、シーケンスを組む際と再生する時に、赤色と白色のLEDがわかりやすく発光してくれる。光の流れ方も大変美しい。また、クロマチックモードで使えば、このボタンを鍵盤のように使うことも可能だ
【製品概要】「Digitakt」は、ハイレゾエンコーダーを搭載したコンパクトかつ多機能なドラムマシン/サンプラーだ。オーディオトラックと、専用のMIDIトラックをそれぞれ8つ搭載しており、直感的に操作が行なえるように設計されている。また、将来的には同社のソフトウェア「overbridge」と組み合わせて、DAWソフトとの連動も可能になる。
【SPEC】●トラック数:オーディオ8、MIDI8 ●エフェクト:マルチモードフィルター、ディストーション(以上、トラックごとに割り当て可)、ディレイ、リバーブ ●サンプルメモリ:64MB ●入出力端子:MIDIイン/アウト/スルー、インプット(標準フォーン)×2、アウトプット(標準フォーン)×2、ヘッドホンアウト、USB ●電源:付属ACアダプター ●外形寸法:215(W)×176(D)×63(H)mm ●重量:約1.45kg
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