ベリンガー
DEEPMIND 12&MODEL D
共にオープンプライス

●問：Elektron Music Machines
●http://www.elektron.co.jp

リモート操作が行なえる12ボイスモデルと、
伝説の名器を再現した小型アナログシンセ

まず、「DEEPMIND 12」ではプリセットをひと通りチェックしてみました。ミニマル系やアンビエント系と相性のいい神秘的なパッド、EDM系で使いやすいライザー系、ダークなシンセベースといった今時のサウンドはもちろん、オーソドックスなシンセストリングスやブラス、オルガン系なども収録されています。

肝心のサウンドは、中低域がファットで音圧感のある、アナログシンセならではのキャラクターが印象的でした。中でもTCエレクトロニック社直系の技術が活かされている内蔵エフェクトの質の高さは、特筆に値するクオリティです。

本体上部には各セクションのエディットを行なうためのオシレーターやVCF、VCA、LFO、エンベロープジェネレーターといった主要なパラメーターが配置されており、これらをなんとなくイジるだけでも十分な音作りが行なえました。ローパスフィルターとは別にハイパスフィルターを独立して装備している点など、実際にエディットを進めていると、操作性もよく考えられています。特にOSC2セクションでの出力波形のエディットは柔軟性が高く、TONE MODというパラメーターで多彩な倍音変化が得られ、エッジの効いたサウンドも作成できました。

また、本体のEDITボタンを押すと、より緻密な音作りができるのですが、これらの操作がスマホ用のエディタアプリから行なえるのは非常に便利でした。

「MODEL D」は、名前の通り、モーグのビンテージシンセの名器「Minimoog Model D」を再現したアナログシンセです。オリジナルよりサイズはコンパクトになっていますが、外観やパラメーター配列などは非常に忠実です。

肝心の出音は、実機の質感を十分再現しつつも、ノイズが少なく、よりクリアな印象です。気になるピッチの狂いもなく、安定して動作してくれました。

オリジナルと異なる点は、パネル上部にパッチ接続用の入出力端子を装備している点です。これにより、他のモジュールと組み合わせて、さらに多彩なサウンドが生み出せます。最近のモジュラーシンセの主流規格であるユーロラック規格のラックにもマウントできるので、本機を核にしてモジュラーシンセのシステムを作るのも面白いでしょう。

もちろん、現代のニーズに合わせてUSBやMIDI端子も搭載しています。パソコンと接続してDAW側からコントロールでき、音楽制作からライブ演奏まで幅広い用途で使用できる点も、本機の大きな魅力と言えるでしょう。