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【2018年版】多彩な音作りが行なえる! おすすめシンセ11機種徹底レビュー
【2018年版】多彩な音作りが行なえる! おすすめシンセ11機種徹底レビュー
2018/11/30
エレクトロン
Digitone
¥78,611
●問:Elektron Music Machines
●http://www.elektron.co.jp
複雑なFM音源を手軽にコントロールできる
即興演奏などにも最適なテーブルトップモデル
「DIgitone」は、コンパクトな筐体に8ボイス、4オペレーター、8アルゴリズムというパワフルなFMシンセサイザーを搭載した、高機能なテーブルトップマシンです。
FM音源と聞くと、オペレーターやアルゴリズムなど、「独特な操作方法による難解な音作り」というイメージが浮かぶかもしれませんが、本機は8個のノブやグラフィカルなディプレイを装備しているため、直感的に操作が行なえます。FM音源ならではの金属的な響きはもちろん、クラシカルなフィルター、オーバードライブ、コーラス、ディレイ、リバーブなど、エフェクト類も充実しており、それらを組み合わせた色彩豊かな音色変化を楽しむことができます。
また、オペレーター部のパラメーターである「HARM」を使うと、元のサイン波にさらに倍音が追加され、過激な倍音を持つ音が作れます。個性的でFMシンセならではの長所が感じられる512個ものプリセットが用意されているので、FM音源の知識がない人でも、ノブを回すだけで複雑なサウンドスケープを生み出すことができます。
そして本機は、本体下部に配置されている16個のボタンを使って、鍵盤代わりにノートを弾くことができます。この、ボタンを押し込んだ時の反応が非常に良く、演奏するのに問題ないどころか、実際の鍵盤よりも繊細な音色変化をするため、集中して音作りが行なえました。
シーケンサーは、内部のシンセトラック用に4トラック、外部のMIDI機器をコントロールする用に4トラックの、計8トラックを装備しています。注目なのが、同社の他のシンセ/リズムマシンでも定評のある独自の機能、「パラメーターロック」と「トリガーコンディション」を搭載している点です。パラメーターロックは、ノブを回した時の様々なパラメーター変化の情報をシーケンサーに記録しておくことができます。トリガーコンディションは、特定のステップの発音条件を任意で決められるというもので、例えば4小節目の3拍目にのみ、ハンドクラップの音を入れたりできます。
これらの機能を活用すれば、シーケンスパターンを流しながら、複雑に変化を加えて曲を作ることが可能です。即興演奏にはもってこいのアイテムなので、ライブでも活躍してくれるでしょう。
豊富なプリセットが用意されており、本体に配置された8個のノブを回すだけで様々な音色変化を楽しめる。ちなみに、ディスプレイの右側に表示される8つのアイコンのパラメーターの表示が、それぞれ本体のノブと連動している
パターンとプリセットバンクの切り替えや、ノートトリガーに使用する16個のボタンはタッチ感や反応が非常に優れており、複雑なフレーズもしっかり演奏することができる
【製品概要】「Digitone」は、「FM音源に新しい命を吹き込み、近代化する」というコンセプトの元に開発された、8ボイスのデジタルシンセだ。P.79で紹介したDigitaktと同じく、今後実装される同社の「Overbridge」と併用することで、本機のパラメーターをパソコンの画面から直接編集できるだけでなく、すべての内部トラックに個別にレコーディングすることが可能となる。
【SPEC】●シンセボイス機能:マルチモードフィルター、ベース幅フィルター、オーバードライブ、割り当て可能なLFO×2(以上、1ボイスあたり)、マルチFMアルゴリズム ●入出力端子:MIDIイン/アウト/スルー、インプット(標準フォーン)×2、アウトプット(標準フォーン)×2、ヘッドホンアウト、USB ●外形寸法:215(W)×176(D)×63(H)mm ●重量:約1.49kg
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