【学園祭で役立つライブセッティング法】
「DI」を使って高音質な音で演奏する

【学園祭で役立つライブセッティング法】「DI」を使って高音質な音で演奏する

2015/11/22


プロのライブで必ず使われている機器がDI(ダイレクトボックス)です。DIは、様々なノイズの影響を受けやすいライブ会場で、ノイズを抑えて音質を損なわずに信号を送るために欠かせない機材です。ここでは、DI をどの機材とどのように接続すればいいのか、DIの代表的なブランドである「ラジアル」の製品を例に紹介していきましょう。

文:くぼつよし

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 ライブ用のミキサーは、宅録用のミキサーやオーディオインターフェイスと違って、エレキギターやベース、エレアコのようなハイインピーダンスの楽器を接続できる、Hi-Z(インストゥルメンツイン)端子が装備されているモデルは少数派です。また、キーボードや音楽プレーヤー、ギターアンプのラインアウトを長いケーブルでミキサーに接続すると、レベルが安定せずにノイズが乗ってしまいます。そこで登場するのがDI です。DI はハイインピーダンスの楽器の信号を、ミキサーに接続できるローインピーダンスにしたり、ノイズが乗りやすい「アンバランス信号」を、レベルが安定していて音質の劣化の少ない「バランス信号」に変換することができます。
 DIには、電池やファンタム電源で動作する「アクティブタイプ」(製品例/写真左:J48 Stereo)と、電源を必要としない「パッシブタイプ」(製品例/写真右:JDI Stereo)があります。
アクティブタイプは、エレキギターなどのハイインピーダンスの機器をミキサーに接続する時に使います。一方のパッシブタイプは電源が不要で手軽ですが、アクティブタイプと比べて高いインピーダンスに対応しておらず、主にインピーダンスの低いキーボードやオーディオ機器を接続する場合に使われます。
 DI の接続方法は、楽器のアウトプット(エフェクターを使用している時はエフェクターのアウトプット)をDIのインプットにつないで、DIのアウトプット(XLR/バランス)をミキサーのマイクイン(XLR/バランス)に接続します。また、スルーアウト端子が装備されているDIの場合は、バランスアウトからミキサーに接続し、スルーアウト端子からギターアンプ/ベースアンプやエフェクターに接続すると、PAのスピーカーとアンプのスピーカーの両方からギターやベースの音を出力することができます。
 なお、DIにはループノイズを抑えるグラウンドリフトや、入力レベルを抑えるパッド、低域を抑えるハイパスフィルターなどのスイッチを装備したJ48 Stereoのようなモデルもあります。

 

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  J48 Stereo ¥55,000                          JDI Stereo¥55,000

 

 ラジアルの代表的なステレオ仕様のDIが、J48 StereoとJDI Stereoです。
 J 48 Stereoはアクティブタイプの超低歪み設計が特徴のモデルで、楽器本来のナチュラルなサウンドをライブで再生することが可能です。一方のJDI Stereoは、長さ100 mのケーブルを使用しても高品質で安定したサウンドを伝達できるパッシブタイプのモデル。
 両機種共にスルーアウト端子の他に、入力感度を下げてオーバーロードを防いでくれるパッドスイッチを装備。J 48 Stereoには、80Hz以下の不要な低域や低域の共振を取り除いてくれるハイパスフィルターも装備されています。


iPadやiPhoneに入っている曲をライブで再生する時に便利なDI

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 iPad やi Phoneに入れておいたバックトラックやBGM用の曲などを、PAスピーカーから再生するのに最適なパッシブタイプのDIが「StageBug SB-5」です。
 本体にミニTRS端子付きのケーブルが装備されており、それをiPadやiPhoneのヘッドホン端子に接続することで、標準フォーンケーブル2本(ステレオ)でPAミキサーに接続することが可能になります。250gという手のひらに収まるコンパクトなサイズでありながら、2つのカスタムトランスを搭載し、本機のステレオアウトから長いケーブルでミキサーに接続してもノイズが乗りにくく、 インピーダンスもPAに最適化されるのでサウンドのクオリティもアップする便利なモデルです。
価格は¥18,000。


ライブでギターアンプからライン録音できる、アンプヘッド用のロードボックス

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 ライブレコーディングを行なう時に、音圧のあるライブのギターサウンドを、その迫力を失わずにライン録音することができるアンプヘッド用のロードボックスがHead load V8です。
 本機はロードボックス機能に加えて、アッテネーター、DI 、フェイズ調整機能、ヘッドホンアンプも装備しているため、アンプヘッドのスピーカーアウトからラインレコーディングをしつつ、アンプヘッドの音をPAスピーカーとギターアンプのキャビネットから同時に鳴らすことが可能となっています。
価格は¥195,000。


 

●ラジアル製品についての問い合わせ先
日本エレクトロ・ハーモニックス㈱
TEL:03 -3232-7601
http://www.electroharmonix.co.jp

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