“リバーブの爆裂音”まで出せるこだわりの仕様
ハモンドオルガンをiOSアプリで底再現! 「Pocket Organ C3B3」
ハモンドオルガンをiOSアプリで底再現! 「Pocket Organ C3B3」
2015/12/25
懐かしいロックやジャズを語る上では欠かせない鍵盤楽器がハモンドオルガンです。デジタル技術が発達した今でも、ハモンドオルガンでなければ出せない音があり、それが独特の世界観を形作っています。そんなビンテージな楽器をiPhoneやiPadで弾けるように忠実に再現したのがPocket Organ C3B3です。こだわりのポイントを中心に紹介しましょう。
iPhoneでここまで弾ける!
Pocket Organ C3B3の機能について説明するまえに、まず、演奏動画を見てください。Deep Purpleの名曲「Burn」をiPhoneで演奏したものです。ドラム音源(BFD)以外はすべてiPhone/iPod touchを実際に手弾きしています。回転スピーカーの低速から高速への切り替えやリバーブの爆裂音(詳細は後述)まで再現して白熱の演奏を披露しています。
Pocket Organ C3B3の概要
実機同様、ドローバーで倍音を組み合わせて音色を作ることができる
まず、注目すべきは実機の最大の特徴であるドローバーによる発音を忠実に再現している点です。9本のドローバーの出し入れによる「倍音加算方式」で音色を合成します。演奏中にドローバーを動かし音色を自在に変化させるジミー・スミスやブッカー・T・ジョーンズの奏法をiPhoneやiPadでシミュレートし“成りきる”ことができるのです。実機は、サイン波を機械式に発振させることで発音します。
このPocket Organ C3B3(以下C3B3)も、ロジック回路で発振させたサイン波を合成することで実機と変わらない音色を実現しています。また、ハモンドオルガンを演奏する上では切っても切れない存在であるレスリーの回転スピーカーや「ビブラート」「パーカッション」といった実機と同等のエフェクト機能も再現しています。
リバーブの爆裂音など、こだわりポイントもたくさん
ビブラート、キークリック、パーカッション、リバーブ、オーバードライブといったエフェクトを搭載しているので、幅広いオルガンの音色を作って演奏が可能
開発者の山崎潤一郎氏によると「実機を徹底研究し細部にこだわって開発」そうです。そのこだわりは意外な部分にも現れています。ロックオルガンを代表する2名のプレイヤー、ジョン・ロードとキース・エマーソンが多様するスプリングリバーブの爆裂音です。実機では、本体を激しく揺らすことで内蔵のスプリングがケースの壁面にあたり破裂音を発します。
Pocket Organ C3B3では、iPhoneやiPadのモーションセンサーを利用し、本体をシェイクすることであらかじめサンプリングした爆裂音を再生します。ただ「貴重な実機を乱暴に扱うわけにはいかないので、この音はスプリングリバーブ内蔵のマーシャルのギターアンプを蹴飛ばした音」(山崎氏)そうです。
また、レスリーの回転スピーカーの“音のうねり”にも徹底研究の跡が感じられます。レスリーの実機は、800ヘルツを堺に高音と低音を分けて発音しますが「ローパスフィルタのロジック回路を組んで高音と低音で異なる“うねり”を加えられるようにしている」(山崎氏)そうです。確かに実機同様、高音と低音とでは異なる周期で音が揺れているのがわかります。
音色プリセットをアドオン販売
10音色をワンパッケージにしたプリセットを1つ120円でアドオン購入可能。また、20のオリジナルパッチを保存できるメモリーバンクも同様に購入可能。機種変更等でデバイスを買い換えた場合も購入済みのものは無料でリストアできる
Pocket Organ C3B3は、後から音色だけをアドオン購入することができます。「Progressive Rock Pack」「Super Rock Selection」など10の音色を1パッケージにしてあるので、アプリ内課金で追加することができます。購入した音色パッケージは、実機同様、白黒反転した低音分の鍵盤型のボタンに割当られ、ワンタップで呼び出すことができます。
また、自分で作成した音色をメモリーしたいときのために「User Memory Bank」もアドオンで購入可能です。20個までのドローバーやエフェクトのセッティングを記憶させることができ、前述の低音分の鍵盤型ボタンに割り当てることができます。
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