マイクをつないで歌うだけで本格的なハーモニーが加えられるボスのボイスエフェクター「VE-2」は、誰でも簡単に使えることで人気のモデルです。その実力をボーカルにシンガーのcloeさんを迎えて、作曲家の谷口尚久氏に試奏してもらいました。

VE-2は、ギターで演奏したコード進行を自動的に分析して美しいハーモニーを生み出すことができる、弾き語り派のギタリストにオススメのボーカルエフェクターです。12タイプの基本ハーモニーの他、各ハーモニーに「バリエーション」が用意され、全24種類のハーモニーが楽しめます。また調整した設定はメモリが可能で、フットスイッチでの切り替えも可能となっています。
価格はオープンプライス（￥24,000／税別）

試奏チェック！

本体に入力したギターコードからキーを自動的に判定して、
気持ちいいハーモニーが作り出せる

早速、ギターとマイクを本体につないで、私がギターを弾いて、cloeに歌を歌ってもらいつつ、まずはオートハーモニスト・ボタンをオンして、本体の真ん中の３つのツマミ「BALANCE／TYPE／KEY」をイジッてみました。

TYPEはハモリのタイプを選択するツマミで、真ん中がユニゾンで右に回すと「3度上／5度上／1オクターブ上」と上がっていき、左に回すと「3度下／5度下／1オクターブ下」のハーモニーが加わります。そして最大の特徴である「オートハーモニスト」機能をオンにすれば、本体につないだギターから自動でコード進行を分析して、歌声に最適なハーモニーを付け加えられます。左横にあるKEYツマミで曲のキーを指定することもできるうえ、ハイブリッドモードでは、部分転調にも対応してハーモニーを生成してくれるので便利です。BALANCEでは、地声とハーモニーのバランス調整も行なえます。VE-2は感覚的な操作で気持ちいいハモりの設定をすぐ探せるので、ハーモニー作りの初心者の方にもオススメです。

エンハンスボタンでボーカルを際立たせる

「エンハンスボタン」を緑色に点灯させると音量と音程が補正され、歌がまとまる印象になり、赤色に点灯させると音量のバラ付きが補正されて、グッと前に出てくるボーカルになります。


 

ボーカル向きのリバーブ&ディレイを搭載

ボーカル向きの設定になっているエコーは、「リバーブ／リバーブ+ディレイ／ディレイ」という3つのエフェクトを、1つのツマミを回すだけで切り換えることができ、右に回すほど徐々に強くなっていきます。感覚的にツマミをイジるだけで、丁度いい位置を探すことができるのが使いやすいですね。

VE-2の主な仕様

●エフェクトタイプ：ハーモニー、エコー、エンハンス
●ハーモニータイプ数：12×2（バリエーション）
●メモリー数：3
●入出力端子：マイクイン（XLR／バランス、ファンタム電源対応）、ギターイン、ギタースルー、XLRアウト、ヘッドホン／ラインアウト（ステレオミニ）、バリエーション／メモリー端子、USB端子
●電源：アルカリ電池（単3形／付属）×4、充電式ニッケル水素電池（単3形）×4（別売）、ACアダプター（別売）
●外形寸法：156（W）×116（D）×64（H）㎜
●重量：600g

問：ローランド㈱お客様相談センター
TEL：050-3101-2555
http://jp.boss.info

■ 谷口尚久 （タニグチ ナオヒサ）
作・編曲家。幼い頃からピアノを習い、13歳で音楽指導者資格を取得。2001年に自身のグループonoroffの作品を高橋幸宏プロデュースで発表。現在は、CHEMISTRYやSMAPなどの作・編曲やプロデュースを手掛ける他、TVやゲーム、映画音楽など多方面で活躍中。

■ cloe （クロエ）
武蔵野音楽大学・声楽科卒業の女性シンガーソングライター。2008年にメジャーデビューし、そのキュートな歌声と歌唱力で、アニメやカバーアルバムのシンガーとして活躍している。今年5月に、1stフルアルバム『IMAGINARY NIGHT TOURS』を発表した。
オフィシャルサイト　http://www.cloe.jp/#/page/1

試奏・文：谷口尚久
写真：小貝和夫