スタジオ・モニターヘッドホンの新定番モデル

ヤマハ「HPH-MTシリーズ」をプロが試聴!第6回ゲスト:岡村 弦(エンジニア)

ヤマハ「HPH-MTシリーズ」をプロが試聴!第6回ゲスト:岡村 弦(エンジニア)

ヤマハ「HPH-MTシリーズ」をプロが試聴!第6回ゲスト:岡村 弦(エンジニア)

2016/02/04

スタジオ定番のNS-10Mをはじめ、MSPシリーズやHSシリーズなど、モニタースピーカーの名器を多く生み出しているヤマハが、その技術を結集させて開発したヘッドホンが「HPH-MTシリーズ」です。第6回目はDREAMS COME TRUEなどの作品を手掛けているエンジニアの岡村 弦さんに、ニューモデル「HPH-MT7」のサウンドをチェックしてもらいました。
取材:井桁 学 写真:小貝和夫 協力:Studio CUBIC

「イヤーパッドが厚い分、耳までの距離があるので、リバーブとかの空間系エフェクトも見えやすいです」

 

写真のホワイトモデルも用意されている

アームとスライダーのジョイント部分が動くので、頭の形状や耳の位置に関わらず、自然にアジャストしてくれる

今回の試聴は、HPH-MT7を自分が普段使っているカスタムメイドのヘッドホンアンプに接続して、CDプレーヤーを再生して行ないました。音源は、私が手掛けているLiSAの新しいアルバム『Launcher』と、バイオリンとアコースティックギターのユニットであるジュスカ・グランペールの『雲錦』というアルバムです。

見た目は標準的なスタジオヘッドホンに近い印象ですね。特にブラックはスタジオ用モデルという感じなんですが、普段使うのなら個人的にはホワイトの方がかわいくていいなと思いました。装着した感じはとても自然で、違和感のようなものはまったく感じませんね。イヤーパッドの柔らかさもちょうど良くて、大きさ的に耳をスッポリと覆ってくれます。

音質の傾向としてはシャープな印象を受けました。音の立ち上がりが早くて、アタックがハッキリ聴こえます。特にドラムやアコギとかでアタック感がしっかり聴こえるというのは、プレイヤーが演奏をする時の大事な要素ですからね。BPMが速い音楽でも余裕を持って付いてくる感じがするので、リズム重視の楽曲やハイファイな音楽にも向いていると思います。

それと、音の分離感や定位感もいいので、ミックスで使うのにも最適だと思いました。周波数帯域的には少し高域が強めで、6~7kHzあたりがキラっとしています。ボーカルの「さしすせそ」がハッキリ聴こえますし、全体にブリリアントなんですよ。エフェクトのかかり具合もわかりやすくて、音が立体的に見えます。

それと、ある程度イヤーパッドに厚みがある分、耳までの距離があるので、リバーブとかの空間系エフェクトも見えやすいですし、奥行き感も認識しやすいですね。そのイヤーパッドの影響からなのか、密閉型なのにモニタースピーカーを聴いている時と同じような空気感を感じました。制作でも十分に使えますが、個人的には録音やミックスで使うのに向いているヘッドホンだと思います。HPH-MT7はスタジオ・モニターヘッドホンとして優秀です。

■製品概要
HPH-MT7は、同社のモニタースピーカーで高く評価されている“原音を忠実に再生する”というコンセプトを引き継いでおり、「CCAWボイスコイル」を採用することでクリアかつレンジの広い音を実現しているモニターヘッドホンだ。耳に優しくフィットする肌触りのいい合皮レザーを採用した大型のイヤーパッドにより、すぐれた遮音性を実現。なお、ブラックとホワイトの2種類のカラーが用意されている。

■SPEC
●形式:密閉ダイナミック型 ● 再生周波数特性:15Hz~25kHz ●インピーダンス:49Ω ●最大入力:1,600mW ●出力音圧レベル(1kHz):99dB SPL/mW ●ドライバ:Φ40 mm、CCAWボイスコイル ●ケーブル:3mストレートコード(3.5mmステレオミニプラグ) ●重量:360g ●付属品:6.3mm ステレオ標準プラグ変換アダプター、キャリングバッグ

岡村 弦(オカムラ ゲン)

 

専門学校卒業後、音響ハウスにアシスタントとして入社し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。2000年には香港に渡り、3年間で約300曲のレコーディングとミックスに携わる。これまでにDREAMS COME TRUEやLiSA、分島花音の他、下北系バンドから香港ポップス、劇伴まで、幅広い作品を 手掛けている。

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