楽器の録音やミックスをするのに最適!

モニタリング専用ヘッドホンPioneer DJ「HRM-7」をプロエンジニアが試聴

モニタリング専用ヘッドホンPioneer DJ「HRM-7」をプロエンジニアが試聴

2016/01/28


CDJやミキサー、ヘッドホンなど、数多くのDJ向きの製品を発表しているPioneer DJが、音楽制作で使用することをコンセプトに開発したモニターヘッドホンが「HRM-7」です。今回は、様々なアーティストの作品を手掛けているレコーディングエンジニアの間瀬哲史氏に、彼自身のスタジオである「Cafe 2st」にて、音質や装着感をじっくりと試してもらいました。

取材:井桁 学 写真:小貝和夫


■Pioneer DJ「HRM-7」

Pioneer DJ「HRM-7」

価格:オープンプライス(¥19,000前後)

【主なスペック】
・形式:密閉ダイナミック型
・周波数特性:5Hz~40kHz
・出力音圧レベル:97dB
・最大入力:2,000mW
・プラグ:3.5mmステレオミニ
・ケーブル:着脱式1. 2~3.0mカールコード、着脱式3.0 mストレートコード
・重量:330g(ケーブル含まず)

エンジニア間瀬氏によるレビュー


今回はハンドメイドのモニターコントローラーにHRM-7を直接接続して、現在制作中のotonohaという女性アーティストの「akane」という楽曲のPro Toolsファイルを再生してチェックしました。他に、僕がリファレンスCDにしているキザイア・ジョーンズの『African Space Craft』と、ホーリー・コールの『Don't Smoke in Bed』でもチェックを行なっています。まずデザインがガッシリしていて高級感がありますね。頭部へのフィット感も良くて、耳に音がスッと入ってきます。あと、イヤーパッドが特徴的ですね。低反発素材と高反発素材を組み合わせたクッション感がポイントで、低反発枕のような感覚で耳を包み込んでくれるんですよ。これは初めての体験だったので最初はビックリしましたが、なじんでくると使いやすいと思います。ヘッドパッドがしっかりと頭にフィットするので、ホールド感も良好ですね。

頭部に触れるヘッドパッド部がこのように伸び縮みするようになっており、しっかりと押さえ込んでくれるので、頭を振っても前後にズレることがない

頭部に触れるヘッドパッド部がこのように伸び縮みするようになっており、しっかりと押さえ込んでくれるので、頭を振っても前後にズレることがない

 

音質の特徴は、全体的な傾向はフラットなのですが、ローが豊かで気持ち良かったですね。そういう意味では、ロックやポップスからダンス系までオールマイティに使えると思います。

大型のイヤーカップ部にはチェンバー(空気室)を搭載しており、スピーカーのような自然な音を鳴らせる

大型のイヤーカップ部にはチェンバー(空気室)を搭載しており、スピーカーのような自然な音を鳴らせる

それと、まるでオープンエアータイプのヘッドホンのような空気感があるんですよ。イヤーパッドがブ厚くて耳との距離があるので、音の感じがスピーカーに近いですね。なので、ミックスの作業もしやすそうですし、音楽制作をするのにはいいモニターヘッドホンだと思います。

実際、エフェクトのかかり具合もハッキリ見えて、コンプやディレイとかも効果がわかりやすかったです。各パートの音の分離感が良くて、定位もすごくわかりやすいので、自宅でミックスの作業をする人にはオススメですね。あと、ロー成分がしっかり聴こえるので、ローのチェックがしにくい環境で作業をしている人にもピッタリなモデルです。最初はPioneer DJの製品ということで、もっとパワフルなのかなという先入観があったんですけど、音のバランスが良かったので、ミックスで使ってみたいですね。


■間瀬哲史(マセ テツシ)

ジャンルにとらわれない制作スタイルで数多くのレコーディングセッションに関わる一方、坂本龍一のヨーロッパツアーのPA オペレーターを務めるなど、幅広く活動を展開しているエンジニア。また、オリジナルの機材開発やスタジオプランニングなども自ら行なっている

間瀬哲史

問:Pioneer DJサポートセンター
TEL:0120- 545- 676

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