ギターの音作りの幅がグーンと広がるオススメアイテム
「ボスSY300」徹底試奏(ギターで簡単にシンセサウンドを鳴らせる)
「ボスSY300」徹底試奏(ギターで簡単にシンセサウンドを鳴らせる)
2016/01/29
SY-300は、ギターシンセを使ったことのないビギナーでも手軽に扱うことができる画期的なモデルです
しっかりとした造りを持つ本体には、ボタンやノブがシンプルに配置されており、非常に見やすい大型の液晶画面も搭載されています。ギターシンセというと通常は専用ピックアップが必要ですが、本機はギターをシールドで直接つなぐだけでシンセサウンドが楽しめます。実際、インプットにギターをつなげて、アウトプットにスピーカーをつなげると、すぐにシンセサウンドが鳴らせました。
内蔵されている様々なパッチを試してみましたが、音質はどれも周波数レンジが広く、輪郭がハッキリしている印象を受けました。いい意味で、現代的なシンセサウンドと言えるかもしれません。チョーキングやビブラート、スライドといったギターならではの奏法を試してみると、それらのニュアンスがしっかりとシンセサウンドに反映されます。速いフレーズを弾いても音抜けすることがなく、レイテンシーも感じないのでストレスを感じずに気持ち良く演奏することができました。
SY-300は内部に3つのオシレーターを持っており、それぞれ細かくエディットできるので、アナログシンセをイジっている感覚で音作りをすることが可能です。また、ディストーションやコーラスなど、ギターではおなじみのエフェクトも搭載されていますが、こちらもさすがのクオリティで、シンセサウンドをイメージ通りに加工することができます。なお、専用のエディターソフト「TONE STUDIO」を使えば、より効率良く、個性的なサウンドを作り上げることができるでしょう。
また、本機はオーディオインターフェイス機能も備えています。Pro Toolsに録音した音をチェックしてみましたが、スピーカーで聴いた時と同じ、脚色のない音が再生されました。さらに、SY-300はリアンプならぬ「リシンセ」も可能なので、何もかけずに録音しておいたギターの音をSY-300に戻して、後から音色を本機のシンセサウンドに差し替えることも可能です。
また、BLENDERという面白い機能も備えています。これはランダムで選ばれたパッチのシンセサウンドを、現在選んでいるサウンドにブレンドするというもので、予想もしない音色が飛び出してきたのには驚きました。これにより、今までの概念を覆す、新しいサウンドに出会えるかもしれません。
高い技術力と高品位なサウンドを備えていながらも遊び心も忘れていないSY-300は、ギターシンセの歴史を覆す、まさに新時代の機材と呼べるでしょう。
ボス SY-300
オープンプライス(¥70,000前後)
試奏:篠崎恭一/写真:小貝和夫
BLENDERボタンを押すと、選択している音に対し、ランダムに選ばれた別のシンセサウンドをブレンドして鳴らせる
リアには様々な端子が用意されている。エクスプレッションペダルをつないで、エフェクトのパラメーターをコントロールすることも可能だ
エディターソフト「TONE STUDIO」を使えば音作りやパッチの管理だけでなく、プロが作ったパッチもダウンロードできる
SY-300の主な仕様
●オシレーター:3基(波形:SIN、SAW、TRI、SQR、PWM、DETUNE SAW、NOISE、INPUT)
●エフェクト:エフェクト(FX)×4 タッチワウ、コンプレッサー、リミッター、オーバードライブ/ディストーション、イコライザー、スローギア、ディレイ、コーラス、リバーブ、フェイザー、フランジャー、トレモロ、ロータリー、ユニバイブ、パン、スライサー、アイソレーター、ローファイ、ディレイ+リバーブ、コーラス+ディレイ、コーラス+リバーブ
●パッチメモリ:ユーザー=99、プリセット=70
●AD変換:24ビット+AF方式
●DA変換:24ビット
●サンプリング周波数:44.1kHz
●ディスプレイ:グラフィックLCD(132×64ドット、バックライト)
●入出力端子:インプット、スルー、リターン、メインアウトR(MONO)、メインアウトL(ヘッドホン兼用)、サブアウトR(MONO)サブアウトL、MIDIイン/アウト/スルー、EXP/CTL4、5、USB端子(タイプB)
●電源:付属ACアダプター
●外形寸法:255(W)×191(D)×70(H)mm
●重量:1.75kg
問:ローランド㈱お客様相談センター
TEL:050-3101-2555
http://jp.boss.info
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