80年代にヒットした同社のFM音源を継承しつつ最新のキレのあるサウンドを搭載
ヤマハ「reface DX」徹底レビュー
ヤマハ「reface DX」徹底レビュー
2016/03/14
reface DXは、80年代に一世を風靡した同社のデジタルシンセ「DX7」のサウンドを受け継ぐFM音源を内蔵したコンパクトなデジタルシンセです。
実際に音を鳴らしてみると、立ち上がりの鋭い音や金属的な響きなど、アナログシンセの太さや厚みとは異なるキャラクターを持っています。プリセットには、エレピやベース、ブラスなど80年代のミュージックシーンを思い出させるFM音源ならではの音色から、今風のエッジの効いた音色まで収録されていて、昔を知る人には懐かしく、若い人にとっては新鮮なサウンドが飛び出してきました。
さて、音作りの方法がビギナーには難解と言われるFM音源ですが、本機では音色に直結する主要なパラメーターを簡単に調整できる4つのタッチ式のスライダーが用意されています。実際、このスライダーを使って音作りをしてみましたが、操作が非常に簡単で、感覚的にエディットをすることができました。
ミニ鍵盤の質が高いのも特徴で、鍵盤に慣れていない人でも弾きやすく、弾ける人も納得の演奏性を備えています。また、本体の左右にスピーカーが内蔵されているうえに、電池駆動も可能なので、いつでもどこでもスイッチをオンにするだけですぐに鳴らせるのも魅力です。
その他、本機の特徴的な機能として、簡易シーケンサー的にリアルタイムで演奏を重ね録りできる「フレーズルーパー」が搭載されています。これは思いついたフレーズのメモに使ったり、ギターを弾く時に簡易的な伴奏をちょっと鳴らしたいといったシチュエーションで使うのに便利です。
reface DXは、奇抜なサウンドを鳴らす飛び道具としてのシンセではなく、キーボーディストがいないバンドや、宅録で曲作りをする際にシンセパートが必要なシチュエーションで、そのきらびやかなサウンドで楽曲に彩りを加えられる常にそばに置いておきたいシンセです。
音色をエディットする4つのスライダーは、スマホ感覚のフリックとタッチでフリーケンシーやレベルなどの値の増減ができ、初心者でも音色調整は容易だ
電源には、ACアダプターに加えて乾電池が使用できる。さらに、パネルの左右にスピーカーを内蔵しているので、電源を入れればすぐに演奏ができる
reface DXの価格と主な仕様
価格:オープンプライス(各¥45,000前後)
●鍵盤数:37鍵
●最大同時発音数:8音
●ボイス数:32
●エフェクト:ディストーション、タッチワウ、コーラス、フランジャー、フェイザー、ディレイ、リバーブ ●その他:フレーズルーパー ●入出力端子:サスティンペダル、アウトプット(L/モノ、R)、ヘッドホン(ステレオ標準)、AUX IN、USB(USB MIDI)、MIDI(ミニDIN IN/OUT、変換ケーブル付属) ●電源:単3電池×6本(別売)、ACアダプターPA-130B(付属) ●内蔵スピーカー:2W(3cm)×2 ●外形寸法:530(W)×175(D)×60(H)mm ●重量:1.9 kg
問:㈱ヤマハミュージックジャパン
お客様コミュニケーションセンター
シンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口
TEL:0570-015-808
http://jp.yamaha.com
こちらのモデルにも注目
reface CS
reface YC
reface CP
reface CS/reface YC/reface CP
reface CSは、同社のアナログシンセの名器であるCSシリーズを継承し、ルーパー機能も備えたモデルだ。赤いボディが目を引くreface YCは、ステージ用コンボオルガンとして高い評価を得ていたYCシリーズを再現し、ロータリースピーカー・シミュレーターを内蔵している。そして、reface CPは高性能のエレピ音源として人気を集めたCPシリーズの系譜を受け継ぎ、多彩なエフェクトを搭載しているのが特徴だ。どのモデルもreface DX同様にステレオスピーカーを搭載しており、電池駆動も可能なので、いつでもどこでも演奏や曲作りを楽しむことができる。
reface CS/reface YC/reface CPの価格
いずれもオープンプライス(各¥45,000前後)
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