シンセ機能が追加されて曲作りも行なえるアナログ・リズムマシン

エレクトロン「Analog Rytm」を徹底試奏

エレクトロン「Analog Rytm」を徹底試奏

2016/06/30


リアルタイムでフレーズが作れるリズムマシンの枠を越えたモデル

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  Analog Rytm ¥161,944 

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リアパネルにはヘッドホンアウト、アウトプット×2(L、R)、インディビジュアルアウト×4(トラック1〜4)、MIDIイン/アウト(シンクアウトA)/スルー(シンクアウトB)、USBなど、豊富な入出力端子が用意されている 


本機はアナログのドラムサウンドとサンプル音源を融合して鳴らすことができるハードウェアのリズムマシンです。独立した8つのドラムボイスと、高性能なステップシーケンサーを装備し、アナログならではの音の太さを活かしながら、まるでセッションをしている感覚でフレーズを作っていけます。

本機の心臓部であるアナログオシレーターは、ズ太いサウンドを生み出してくれます。特に低くて迫力のあるキックの音色は、ソフト音源ではなかなか味わえない地面を揺らすような質感を持っていて、EDMのトラックメイクにもしっかりとマッチします。

そして、本機のようなハードウェアの魅力は、何と言ってもツマミを手で直接触って音作りができる操作性にあります。例えば、本機に打ち込んだシーケンスフレーズを再生しながらエフェクトで音を加工したり、パッドを使って音を加えればリアルタイムでのパフォーマンスも行なえますし、筆者もステップシーケンサーで遊んでいるうちに予想外の面白いフレーズを作ることができました。また、フルアナログ回路なので、歪み系やフィルターなどのエフェクトの効きも素晴らしく、リズムパターンを流しながらフィルターをスイープさせると、かなり刺激的なウネリを生み出せました。

なお、これまで本機に内蔵されていたのはドラムとベースの音源だけでしたが、最新バージョンにはサイン波やパッド系などのシンセの波形やピアノのコードのサンプルが搭載されている点も注目です。つまり、本機だけで本格的なトラックメイクができてしまうのです。

また、「Overbridge機能」を内蔵しており、本機をパソコンと接続すると、DAWソフト上で本機がVSTプラグインとして機能し、パソコンで音色の管理やエディットをすることも可能です。Analog RYTMは、1台で本格的なトラックメイクまでできる、EDMの制作にピッタリなドラムマシンです。

試奏・文:堀 豊

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様々なパラメーターが割り当てられる8つのツマミはサイズもちょうど良く、押しながら回すことで例えばLFOなどの変化の速度を速くすることができる

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感圧式のパッドは、クロマチックモードでは12半音の演奏ができ、パフォーマンスモードでは複数のパラメーターを1つのパッドにアサインして、指で押し込むことで音色を変化させることができる
 

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           新しいバージョンにはシンセの音色が内蔵されているので、上ものパートを
           重ねて曲を構築することができる。写真は「FM音源」を選んでいるところ


 

【スペック】
●音源:アナログ
●シーケンサー:ドラムトラック×12、FXトラック×1
●センドエフェクト:ディレイ、リバーブ
●マスターエフェクト:アナログステレオ・ディストーション、アナログステレオ・コンプレッサー
●外形寸法:340(W)×176(D)×63(H)mm
●重量:約2.4kg
●付属:Ableton Live 9 Liteライセンス(DAWソフト)

 


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今回紹介している「Analog Rytm」には、「Overbridge」という無料の専用ソフトが用意されており、このソフトを使うと、Analog Rytmの音作りを、パソコンの画面で視覚的に行なえるだけ他、Analog Rytmの内蔵音色をDAWソフトにプラグインソフトのように呼び出して使用することができます。

ソフトの画面のツマミとハードのツマミは連動しており、ソフトとハードのどちらからでもコントロールが可能です。さらに、Overbridgeでエディットしたデータは、DAWソフトの曲データの中にハードウェアの設定ごと保存しておくことも可能です。DAWソフト「エイブルトンLive 9 Lite」も付属しているので、Analog RYTHMだけでハイクオリティなトラックメイクが行なえます。

なお、MacとWindowsの両方のOSに対応しており、VSTあるいはAUプラグインに対応したDAWソフトで使用可能です。今後、ソフトのバージョンアップも順次行なわれ、さらに様々な機能が追加される予定となっているので、今後も大きな期待が持てるモデルとなっています。

※写真に写っているモデルは姉妹モデルのモジュールシンセ「Analog Four」

 

問い合わせ:Elektron Music Machines
http://www.elektron.co.jp


 

 


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