小規模なイベントやライブで高品位なPAシステムを構築できる

手軽にライブのクオリティを上げられるPAプロセッサー
dbx「goRack」

手軽にライブのクオリティを上げられるPAプロセッサー dbx「goRack」

2016/08/22


dbx goRack

オープンプライス(¥15,000前後)
 

【製品概要】
「goRack」は、マイクや楽器、ミキサーが接続できるコンボ入力を2つ、音楽プレーヤーなどが接続できるステレオ入力を1つ、そしてスピーカー出力を2つ装備しているミキサー/PAプロセッサーだ。簡単な操作でハウリングサプレッサー、コンプ、EQなどが利用でき、小規模なイベントやライブで高品位なPAシステムを構築できる。

チェッカー:篠崎恭一(エンジニア)

 まずは筆者が所有している小型のミキサーの出力にパワードスピーカーをつないで音を確認した後、ミキサーの出力とスピーカーの間にgoRackを挟むように接続して本機の音を確認してみました。
今回はボーカル用のマイクと、アンプシミュレーターを通したエレキギター(ライン)を接続して音を確認してみましたが、 goRackを挟んだことによる大きな音質の変化は見られませんでした。それだけマイクや楽器の音を素直に出してくれているのがわかります。そのうえで、goRackの各種機能を試してみました。
まずは16個のパターンが用意されているEQですが、オンにしてみると確かにジャンルごとに適したサウンドになるのがわかります。ロックなサウンドではよりドンシャリでハデになり、気持ち良くギターを演奏できました。また、ジャンルだけでなく「混濁感除去(※)」など、漠然とした要望にも対応してくれます。このEQと低域を増強する内蔵のサブシンセを同時に使えば、あらゆるジャンルに最適な音作りが簡単にできます。
 また、本機にはハウリングを自動で軽減してくれるアンチフィードバックという優秀な機能が内蔵されています。これはPAにはつきものの、非常にやっかいなハウリングが起こる帯域を自動で検出して、ハウらないようにしてくれるという機能です。実際に試してみましたが、マイクをパワードスピーカーにベタ付けギリギリのところまで持っていっても、本当にハウリングが起こらず、音質が変わることもありませんでした。
 なかなか出音の管理が難しいPAですが、本機は1台でライブのサウンドクオリティを手軽に向上させることができる非常に便利なモデルです。

1.各種コントロールはすべてパネルに集約されており、LEDを多用しているので、視覚的にもわかりやすい。EQやコンプ、アンチフィードバックといったエフェクトにもスイッチひとつでアサインできる。

2.2系統のコンボ入力に加え、ミニステレオのAUX入力も備えている。例えば、音楽プレーヤーからAUXにつないで音楽を再生し、マイクを入力につないで音楽に合わせて歌うなど、簡易的なシステムなら本機のみで構築できる。

3.各種設定方法はボディの裏面にすべて記載されているので、わざわざライブ会場に取扱説明書を持っていかなくても、その場ですぐに操作法が確認できる。

 

【SPEC】

●入出力端子:マイク/ラインイン×2(TRS/XLRコンボ)、AUXイン(ステレオミニ)、アウトプット(XLRバランス) ●コントロール:ボリューム、レベル(L/R)、ミュート、アンチフィードバック、コンプレッサー、サブシンセ、EQ(グラフィックイコライザー) ●電源:付属電源アダプター ●外形寸法:155(W)×102(D)×40(H)mm ●重量:540g


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